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表彰式のもよう |
「オンデマンド・アワード2004」のインフォトレンズ・ CAPベンチャーズ賞を株式会社プリコ(東京・千代田区、井料渓尋社長)の「小部数オンデマンド個人出版」、みつわ印刷株式会社(東京・江東区、渡利敏弘社長)・株式会社ビブロポートの戦略的書籍販売管理システム「eliba.com」が受賞した。また審査員特別賞は株式会社コーユービジネス(大阪市中央区、森内康雄社長)の「Zカード(携帯用ポケットメディア)による情報加工サービスが受賞した。
「オンデマンド アワード」は、日本におけるオンデマンドプリンティングの認知度の向上、およびサービス内容の充実を目的として、戦略的ビジネス構築、先進的技術の導入、革新的サービスの提供などの実例を持つ優れたオンデマンドプリンティングサービスを提供する企業またはプロジェクトを表彰するもの。十一月十、十一の両日、東京・平和島の東京流通センター平和島で開かれた「PODショー」の初日正午過ぎから表彰式が行われた。
「オンデマンド アワード」では、オンデマンドプリンティング推進委員会、そして企画監修を担当するコンサルティング会社インフォトレンズ・CAPベンチャーズ(米)/GSM株式会社、および印刷ビジネスに造詣が深い識者を審査員として招き、厳正な審査を行い、入賞企業を選出している。今回の審査は、猪股裕一氏(JPC理事長)を審査委員長に、小笠原治氏(日本印刷技術協会理事)らにより審査が行われた。
評価基準は、オンデマンドデジタル印刷技術を活用したビジネス実績、ビジネスモデルが持つ可能性(対象市場、利用技術、システム構築、ワークフローなど。革新的なワークフロー、技術を単独または組み合わせることによって先進的なドキュメントサービスを提供している、など)、顧客貢献度(ドキュメントのデジタル化やデジタルプリント技術の活用により、顧客のビジネスのリエンジニアリング、顧客のビジネス価値の向上、顧客満足度向上、市場拡大、コストダウンなど顧客に提供するメリットなど)、業界活性化貢献度(業界内/業界外とのコラボレーション、用途拡大、話題性など)、社内活性化貢献度(社員のモチベーション向上、市場開拓など)。
オンデマンドに対して、プリコは「多様で複雑な印刷欲求を満足させる、オンデマンドプリント全体の発展に寄与するためにも業界のパイオニアでありたいと考えている。今後もデジタルプリント業界に限らず社会的、文化的に貢献したい」、みつわ印刷・ビブロポートは「今回受賞のエリバの仕組みに弱者や高齢者にも読みやすいように文字を大きくした大活字文庫が登録されている。ユニバーサルデザインの観点から誰にでも大きい文字で書籍を読んでもらえるように低価格また読みやすい文庫本、また生活に必要な書籍類を出版することを積極的に提案していき、オンデマンド事業をますます拡大していきたい」、また、コーユービジネスは「デジタル化社会の進化とともにオンデマンド印刷も草創期から成長期に入り、業務も拡大しつつあると感じてる。こうした環境の変化をチャンスと捉え、現状業務の先に常に顧客の効率化や利便性を追求し、新しい視点でオンデマンド印刷を提案していきたいと考えている。わたしどもの製品が少しでも市場に出ることにより、オンデマンド印刷の用途の参考となり、市場拡大の一助となれば幸いである」と考え方を示している。
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オンデマンド・アワードの受賞作品 |
プリコの「小部数オンデマンド個人出版」は、小部数の個人(自費出版)にビジネスチャンスを見出し、緻密なマーケティング、市場検証を行った上で、PODの特性を生かしたビジネスチャンスを展開している。リアル店舗で店頭に露出している点が特色で、最低限しか刷らない印刷物で個人需要を発掘し、「読む人が書く」出版業界の循環する文化、仕組みに合う独自性の高いビジネスを展開している。
http://www.prico-inc.co.jp/
みつわ印刷・ビブロポートの戦略的書籍販売管理システム「eliba.com」は、電子出版、販売管理、販売分析、配送管理、書籍コンテンツ管理など、コンテンツオーナーである作家、出版社、印刷会社をはじめとするプレイヤーに対して経済メリットの高いシステムを提供し、従来の出版ビジネスをスムーズに展開するためのシステマチックな流通ビジネスモデルの構築を行っている。在庫本、オンデマンド本、ダウンロード本など顕在化する市場ニーズを汲み取り、書籍コンテンツ登録、販売数量・金銭管理を行うシステムと組み合わせることにより、出版コストの低減、販売機会の拡大、出版プロセスの簡略化を実現し、着実に実績を伸ばしている。
http://www.mpg.co.jp/
コーユービジネスの「Zカード(携帯用メディア)による情報加工サービス」は、ビジネスフォーム印刷業務で培った技術力・ノウハウを背景に、コンテンツ加工、宛名印刷との組み合わせにより、市場のニーズを汲み取ったさまざまな印刷物を手がけている。PODの特性を生かし、平面から立体物へ、二次元コードを取り入れた印刷物とZカードを組み合わせるなど、紙とデジタルデータの融合が効果的に実現され、実績を伸ばしている。Zカード(携帯用ポケットメディア)の活用例は、特化した情報に付加価値を載せ、印刷=情報加工を実現する独自性の高いものであり、新しいコミュニケーション媒体として、今後の発展が見込まれる。ニーズとシーズをPODで高めていく例として注目される。
http://www.koyu.co.jp/ |
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資料提供:「株式会社日本印刷新聞社(「日本印刷新聞」2004年12月1日号)」 |
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