そのうちの一つが「TODAY'S COMPANY INFORMATION」。紙媒体の会社案内と、Web用データを一つにしてワンソース・マルチユースを実現するものだ。 Webの更新には通常、ドリームウィーバやフロントページなどのWebサイト作成ツールを使うが、このシステムはXMLデータを利用して更新するため、ネット上に管理ページを置いてそこから新規作成や変更・削除などの操作ができる。管理画面でWebでの情報を修正すると、印刷データも瞬時に更新できる。Web用にはXSLデータで出し、印刷用にはPSデータとして出力できるので、日々、最新情報を掲載した会社案内が作れる[図4]。 非常に手軽で、取り組みやすいシステムでもあり、需要の広がりが期待できる。
さらにXMLを利用してフォントのサイズや背景を自由に変更できる「自在文字:拡大文字自動発生システム」もオリジナル開発した。文字サイズコントロールパネルで自分の好きなフォントサイズを選択でき、Pixel、Point、mm、cmで変更できるという優れものだ。
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XMLに取り組むまで1年半かけて、自らXMLを学んだという林田社長は「日々変化するデータをいかに、いつも新鮮な状態で保存しておくことができるかが非常に大切だ」と指摘する。そこに印刷会社のメリットを持たせながら、Webと印刷物の更新の融合化を実現していく。そしてそれを受注に結びつける。「私は、印刷はもっとオンデマンド化すると考えています。オンデマンドの最も弱い部分は組版ですから、その組版の変更部分にユーザーがある程度自分でタッチできるような、解りやすいXML活用のサービスを提案していくことが大事だと考えています」。
〈取材:小川好子〉