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林田桂一社長
Webとオンデマンド印刷融合ぷりパブで新需要創出へ

株式会社東京文久堂(林田桂一社長)は平成14年、オンデマンド印刷とWeb、データベースを展開する集団として新潟県の株式会社文久堂の東京事業所が分離して創業した。
同社の売上比率はオフセットなど従来型の印刷分野が7割で、オンデマンド印刷分野2割、Webを含めたコンテンツ分野が1割。ただしオンデマンド印刷とWeb・コンテンツの比率は年々向上しており、「従来の印刷需要が減る傾向にある。それをカバーする形で新分野が伸びている」と同社の林田社長は述べる。
オフセット印刷を中心とした印刷物の単価は下落し続けており、利益なき繁忙に陥る業者が増えている。同社にとってオンデマンド印刷とWeb・コンテンツ分野は利益を確保する上でも重要な分野だ。「売上がそれほど伸びなくても新規分野の割合が増えていけば利益率が向上していく」と分析する。
同社は今年3月、Webから書籍を受発注するシステム「ぷりパブ」を開発し、サービスを始めた。ぷりパブはインターネットを通じて一冊から本を作成できるもので、一般消費者やビジネスマンに利用されている。ホームページ閲覧ソフトから文書と画像データを送信すると、自動的に版組されるため、印刷や編集の知識がなくても簡単に独自の書籍・冊子を作成することができる。
ぷりハブのホームページ
ぷリパブを開発したきっかけは受発注や校正の印刷前工程を効率化するため。印刷部門がオンデマンド化するなか、工程を全体最適化するためには前工程の効率化が必要だった。
当初は既存の取引先企業に同様のシステムを導入した。先方側で入稿-校正までの工程を完了し、東京文久堂には完全原稿が送られてくる。「従来、原稿が入るとすぐに校正を出せといわれ、出しても校正が戻らない。間違えると印刷会社が悪いといわれる悪循環を解消したいと思った」というのも背景にあるが、全体的なコストや効率を考えると、取引先のメリットも大きく、顧客サービスの一環として位置づけている。 ぷりパブで一般消費者の需要を扱うようになって市場ニーズがどこにあるのかも判明した。一般消費者には縦書きで、本文が10ポか10.5ポという業者側の常識が全く通じない。禁則処理はいらないというお客様もおり、顧客ニーズを調べた結果、ぷりパブでは12ポ、14ポ、16ポ、18ポの文字を設定した。その上にユニバーサルデザイン用に22ポ、28ポという一般の書籍の本文として使うことのない大きさも加えた。そうして、一般消費者が作る本は横書きで大きな文字が求められることがわかった。
ぷりパブのWebからアプリケーションをダウンロードしているのはすでに約180名。最初に1部を作って、しだいに5部になり、50部と増えていく。内容も少しずつ良いものに作り替えて受注を繰り替える。オンデマンド印刷ならではの形態といえる。
ぷりパブの代理店制度の話しもいくつかあるという。また、ある出版社が、新人作家が作った作品をWeb上に登録し、読者の反応を見る投稿コーナーにぷりパブのシステムが使われている。優秀な作品は審査会にかけ、少部数でまずは販売する。
林田社長はオンデマンド印刷の営業のポイントとして規制概念にとらわれないことを挙げる。例えば教員の名簿ならば、教科の分野毎に名簿をつくり、よりオンデマンド印刷に適した印刷物として提案するなどだ。「まずは提案してお客様の反応を見る。営業はそこからスタートする。それが評価されればビジネスになる。アイデア次第でいくらでも広がっていくと思う」と今後のビジネスを展望する。
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資料提供:プリテックステージ増刊10月25日号