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飯野校長(左)に目録を手渡す渡利副会長
富士ゼロックス(株)のドキュテックならびにカラードキュテックのユーザー企業で、オンデマンド時代のデファクトスタンダードづくりをめざして、新しい技術、市場、事業を研究し、事業の繁栄を図ることを目的に活動するDSF(Document Service Forum、会長=中西秀彦中西印刷(株)専務取締役)は、社会貢献活動の一環として、筑波大学附属盲学校(東京・文京区、飯野順子校長)にドキュテックで製作したオンデマンドのユニバーサルデザイン本を寄贈した。

DSFが筑波大学附属盲学校へユニバーサルデザイン本を寄贈するのは3年連続3回目。今回は芥川龍之介や宮沢賢治、新美南吉らの短編作品をまとめたA4サイズのユニバーサルデザイン本30タイトル。
著作権フリーの文学作品を提供するWeb「青空文庫」の中から、生徒たちに読ませたい作品を学校側に選んでもらい、DSFメンバーの株式会社東京文久堂(千代田区)のWebを使った出版サービス「ぷりパブ」を利用して作品のテキストデータをあらかじめ生徒が読みやすい22ポイントの大きさの文字で横組みに設定した出版データフォームにダウンロードして自動的に内容の異なる30冊分の印刷データを作成。このデータを全国のメンバー企業20社に配信し、各々ドキュテックでモノクロ印刷。表紙のみカラードキュテックでカラー印刷を行い、最後にくるみ製本で仕上げた。
9月28日午前10時から筑波大学附属盲学校の応接室で行われた贈呈式には、DSFから渡利孝由副会長(みつわ印刷株式会社常務取締役)、富士ゼロックス株式会社営業推進室の佐佐博彰、大活字本出版会社・有限会社読書工房の成松1郎代表らが出席。渡利副会長からユニバーサルデザイン本30タイトル『筑波大学附属盲学校セレクト30』と目録が飯野校長に手渡された。
飯野校長は「視覚障害者が本を読む環境が整う可能性が広がり、勇気を与えてくれたことに感謝したい。収録作品を選ばせてもらえたのも大変良かった。今は当校の生徒しか読めないが、盲学校は全国に約70校ほどあり、ぜひ全国校長会などでユニバーサルデザイン本を紹介したい」とお礼を述べた。
さらに作品の選定に当たった宇野和博教諭も「健常者は300円で文庫本が買えるが、障害者用に点字を施したり拡大本になると数千円、数万円と大きな格差があり、なかなか製作自体も進まなかったし、製作されても高くてなかなか買えず、図書館で借りるしか方法がなかったのが現状。将来的に同じ価格で保証できる技術がほぼ確立され、障害者も平等に本を買って読める権利が得られる時代になってきたのは非常によいこと」とDSFの社会貢献活動を評価した。
これに対して渡利副会長は「5年前に視覚障害者用の教科書が両親やボランティアの方による手書きだったのを知り愕然とした。その後、DSFでドキュテックを利用したユニバーサルデザインのオンデマンド本の製作を研究してきた結果、ほぼ全自動で作成できる技術ノウハウを確立できた。視覚障害者だけでなく、これから高齢化社会が本格化するとますます文字を大きくしたオンデマンドによるユニバーサルデザイン本のニーズが高まってくる。著作権問題などが解決できれば、新刊でも自分の読みやすい文字サイズの本が同時期に読むことも可能になるだろう。これからも毎年ユニバーサルデザイン本を寄贈させていただきたい」と述べた。

『筑波大学付属盲学校セレクト30』

DSFは、全国のグラフィックアーツ業界の事業者が、オンデマンド時代のデファクトスタンダードづくりをめざして、新しい技術、市場、事業を研究し、事業の繁栄を図ることを目的としている。特徴的なのはビジネスに直結したフォーラムであり、コンセプトとして「参加できること」を掲げている点。
会員数は現在38社で、会員の要件は、(1)ODP事業推進意欲が高い(2)知見・ノウハウの共有化の意識(3)会員自らが参画・推進する意欲(4)コラボレーション(共同意識)‐‐。
現在、ビジネス活動、研究会活動を中心に展開している。また事務局からの情報発信、メンバー間での懇親活動に加え、その時代にマッチしたタイムリーなテーマで国内・海外研修会、セミナー、見学会などを行っている。
目的であるデファクトスタンダードへのステップとして、例えばマーケット研究会、テクニカル研究会からメンバーの合意を得たアプリケーションをDSFのスタンダードとして、DSFのWeb(http://www.Docu‐plaza.com)の中で実験・検証し、そこでの評価確認後、ビジネスモデルまたはビジネスアプリケーションモデルとして認知活動を行い、デファクトスタンダードへの展開へ結び付けていく。

資料提供:株式会社日本印刷新聞社(「日本印刷新聞」2004年10月2日号)」