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岩本俊治社長
時間をお金で買ってもらう感覚
 プリコ(東京・千代田区)は1976年創業、従業員60人の企業。コピーショップとして創業した同社では、現在菊四裁の枚葉機3台のほか、モノクロデジタル印刷機5台(DocuTech 6180 2台、DocuTech 135 3台)と、カラーデジタル印刷機3台(ColorDocuTech 60 2台、ColorDocuTech 60V 1台)が稼働している。
 同社の仕事は種類もロットも様々だ。10部を納品することもあれば、3000部をオンデマンド印刷機でこなすこともある。「3000部の仕事を短納期でこなせるのはオンデマンド機を8台持つ当社ならではのこと。『時間をお金で買っていただく』という感覚で付加価値をつけることができます」と岩本社長は話す。モノクロもカラーも複数台持つことで、ロットや納期、さらには故障時などにおける対応力を高めている。
 得意先も一般企業からメーカー、出版社、官公庁まで様々で、仕事もマニュアルや報告書、料金表など月に3000点にものぼる。「安定した経営のためにもなるべく多くの顧客を持つことが理想的ですし、マニュアルなどに絞ることなく多様なドキュメントをこなすことで顧客に信頼をいただけるのと考えています」(岩本社長)
 また、現在同社が力を入れているのはコンシューマー向け印刷物で、売上の約10%にのぼっている。主力の自費出版では2002年、東京・銀座に「個人書店」という名前で店舗を開設した。3年を経た現在は売上も伸び、採算も十分確保しているが、自費出版が伸びるのはこれからと岩本社長は見込んでいる。
 「団塊の世代がこれからシニアになります。彼らはパソコンも使うことができますし、自費出版も身近に感じるのではないでしょうか」。
 あらゆるロットや納期、顧客、製品に対応できる柔軟性が同社の強みといえる。

銀座の一等地に自費出版の店舗を開設
オンデマンドを無理強いしない
 オンデマンド印刷における同社のスタンスを、岩本社長は次のように説明する。
 「確かに同業者の方から見れば当社はデジタル印刷が特徴といえると思いますが、顧客に対してデジタル印刷を『振りかざす』つもりはありません。顧客が必要なものニーズに合わせて出力する、それが最も重要なことであって、ニーズによって印刷会社がデジタル印刷機と枚葉機を使い分ければいい。ことさらデジタル印刷機の特性を顧客に強調する必要はないと思います」。
 同社ではデジタル印刷機だけでなく、菊四裁両面機2台と片面機1台を持っており、さらにCTPも導入し外注も積極的に利用している。納期やロットによってそれらを使い分けることで、顧客の多様なニーズに対応している。
 ただし品質においてデジタル印刷と枚葉印刷で大きな違いはないという。
 「300部を損益分岐点の目安にしているほか、稼働状況によって枚葉機を使ったりデジタル印刷機を使ったりしています。デジタル印刷機で製作したから品質が悪い、と顧客から言われたことは一度もありません」(岩本社長)。
 最後にオンデマンド印刷を提案する上での営業方針を岩本社長に聞いた。
 「印刷業界は未だデジタル印刷機を枚葉機よりも下の存在とみなす傾向がありますが、どちらが上などと考えるのではなく、枚葉印刷とデジタル印刷印刷は全く別ものと考えて提案した方がいい。代替品として提案するのではなく、データさえあればそのまま1部から出力でき、バリアブル印刷などができるデジタル印刷を、新しい選択肢として提案することが重要だと思います」
 
株式会社プリコ

URL http://www.kojinshoten.com/
「ColorDocuTech 60」。同社ではカラーは月30万枚、モノクロは700万枚生産している。
「オンデマンド業界では必須」(岩本社長)という各種製本設備
資料提供:株式会社日本印刷新聞社発行
印刷界2006 3月号』」より