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DSFでは、合同研究会(中間発表会)を開催。4つの研究会と社会貢献活動チームの今年度のこれまでの成果や今後のスケジュールを発表し、10月の全国発表大会(箱根)に向けて各研究会の充実ぶりをアピールいたしました。

 
 
 オンデマンド印刷については、これまで実験段階ということで試行錯誤を重ねてきましたが、ようやく長所・短所がつかめてきた。そしていま、その経験をもとに、本格的なビジネス展開へという、第2段階に入りつつあります。ハードの面でも、「オンデマンド印刷=DocuTech」といわれていた時代から、各社のさまざまな製品が競合する時代に入りました。

 私たちは、「オンデマンド印刷の普及=DocuTechの普及」ということで、力を合わせてがんばってきていますが、この先行的な経験の蓄積は、これから大きな力になると確信しています。私たちは、オンデマンド印刷のいいところも、悪いところも知り尽くしている。それを踏まえた上で、これからやれることがたくさんあると思います。

 ある会社では、10年程前にオンデマンド印刷で絶版本の復刊を進めようというプロジェクトを立ち上げました。しかし、これはうまくいかなかった。復刻版といっても、やはり100部や200部ではビジネスにはならない。一方で、伸びている分野はなにかというと、自費出版です。復刻版はダメだったけれども、自費出版のネットワークは、かなりの勢いで伸びている。そういうかたちで新たな販路を見いだしています。

 オンデマンドはどこへいくのか。DocuTechはどう飛躍するのか。

 わかっていることはたくさんあります。例えばバリアフリー印刷という領域は、DocuTechの独壇場です。1社でやればリスキーなことでも、DSFで協力すればリスクが軽減されるということも大きなメリットです。

 不景気だ不景気だと言いながらも、ここに集まっているみなさんには、それに負けないパワーがをもっている。DSFとして、これまでの実験段階の成果を踏まえ、先行しているものの利益を生かして、つぎのステージをきりひらいていきましょう。
 日ごろはオンデマンド印刷の普及にご努力をいただきありがとうございます。また、本日は、お忙しい中、DSF研究会にお集まりいただきありがとうございます。

 新聞紙上では、いまだ景気の見通しはよくならず、われわれの実感としてもたいへん厳しいものがあります。しかし、この場にお集まりのみさんは、厳しいながらも、創意工夫をこらして、前向きに努力されている。その姿勢に敬意を表したいと思います。

 本日は中間発表会ということで、それぞれの研究会の成果発表が行なわれます。10月の箱根の発表大会にむけて、どこまで成果が出ているのか、たいへん楽しみにしております。

 事務局としても、会員のみなさまが、力を発揮して業績につながるような事務局運営を行っていくよう努力していきたいと思います。きょうは、懇親会も予定されておりますので、最後まで積極的なご参加をお願いして、ごあいさつといたします。
 
発表する渡利リーダー
(みつわ印刷)
 2003年度大活字本チームは、大活字本(BBA文庫)50タイトルの製作を 行った。DSF12社のメンバーの協業により合同研究会(中間発表会) までに予定通り実施出来たことを感謝している。コームラ 、パイオニアメディアクリエイツ、セントラルマイクロメーション、富士リプロ、日本工業社、みつわ印刷、広工、東京文久堂、河北印刷、熊本コピー、中西印刷、相互印刷を協力メンバーとして紹介する。(敬称略)

 読売新聞、産経新聞、日本印刷新聞、ニュープリンティング、日本福祉放送などの 取材を受けながら、7月1日に筑波大附属盲学校への贈呈式が行われた。名古屋盲人情報文化センター(社会福祉法人名古屋ライトハウス) への贈呈式日程は、7月18日終了。

完成した50タイトルの大活字本
 5月22日に参議院で著作権関連の法案が通過し、衆議院で通れば弱視者にも大活字による教科書使用が可能になる。また、前年の50タイトルと合わせて100タイトルで完結したことになり、足掛け3年越で活動してきたDSF社会貢献活動は一応完結の運びとなった。 これも、『オンデマンドシステムによる社会への貢献』という DSFメンバーの強い意志があったからこそ実現できたものである。

 しかし、これで終わりということではなく、(株)大活字や筑波大付属盲学校・名古屋盲人情報文化センターの方とも親しくなったことから、ボランティアということも含めて、これからも弱視や目の不自由な方たちに、必要なさまざまなものを提供していきたい。今後のDSF社会貢献活動については、理事会や各研究会リーダーと相談していく。
2003.7.2 読売新聞 2003.7.18 中日新聞
 
発表する林田リーダー
(東京文久堂)
 多忙なメンバーのスケジュール調整に苦労しながらも、これまで数回の分科会を開催。各社からさまざまなニュービジネスモデルが紹介されてきている。

 (株)山縣印刷所からは、『EXPROOF ICU』『動図』(物の仕組みや動きを説明する手法) 『De EDIT』(校正共有システム)についてデモンストレーションがあった。『e-Proof』は各メンバーから絶賛を評したシステムであり、ぜひ、DSFのメンバー全体にご紹介する機会を得たいと考えている。

 みつわ印刷からは『ちびっ記拡大版』(オンデマンドアワード2002受賞システム)という産地直販のODP出版(作家から読者へダイレクトでODPブック販売)について紹介があった

 東京文久堂からは、『自在文字』(WEB上で読みやすい文字サイズ、色を選択可能なシステム)と『ぷりバム』についてデモンストレーション。また、完全な自己構成型の管理システムである新しいXMS『NeoCore XMS』(三井物産)の紹介も行った。NeoCore XMSでは、アプリケーション開発の時間とコストを削減することが可能となる。たいへん取り扱いが良いソフトでなのでここに紹介したい。

 本日の分科会では、営業支援のためのWebドキュメントシステムとして、画像込みのデータソフトである『Document Retrive』のデモ&プレゼンをミールソリューションズ(株)代表取締役、横田史朗氏から戴いた。

 質疑応答も活発で時間が足りないほどであった。10月の大会では、優秀かつみんなが使えるものを1、2例ずつ紹介することを予定している。

●スケジュール●
◇第5回分科会:7月16日(水)
 プレゼン予定
 @アオキオフィスサービス
 A開明社
◇第6回分科会:9月9日(火)
 プレゼン予定
 @コームラ
 A日本工業社
 Bオンデマンド印刷
 
Meal Solutionsのデモ
 
発表する今村リーダー
(富士リプロ)
 
 この間、オンデマンド本についていくつもの出版社に声をかけてきた。しかし興味は持ってもらえるが、残念ながらビジネスにはつながっていない。やはり100部、200部という単位では、出版社には相手にしてはもらえない。そのため、出版社ではなく「個人」、本を作りたい人、作品を発表したい作者を相手にしていこうと考えた。

 SFマガジンという雑誌の編集部と相談し、『ドキュテックSF大賞』を創設、作品を募集し、小説部門・マンガ部門からそれぞれ優秀7作品(応募多数の場合は14作品)をドキュメントサービスフォーラムオリジナルアンソロジー集として発刊する。同時にODP出版の知名度や費用の高い・安いなどについてアンケートをとり、個人向けオンデマンド本マーケットの分析(個人ニーズとボリューム)を行う。

 最終的にめざすゴールはビジネスにつなげていくことであり、将来的にはお金をもらって少部数の本を制作する、そのための窓口をつくっていきたい。無店舗のバーチャルODP出版社を作って、メールで原稿を戴き、本にしてお届けする。また、WEB上で宣伝・販売もするなど、一つのシステムをつくっていく。その入り口のさらに入り口のとりくみとして位置づけている。

 自費出版という分野で窓口をつくり、市場を広げ、将来的にはみんなでその成果を分かち合っていきたい。
 
発表する飯山氏
(アラジンイデア)
 アラジンイデアは人員13人、資本金3,500万円の会社だが、昨年の年商1億円余に対して、今年度は2.1億円と倍増させることができた。

 今回、大幅な売上増に結びついたのは、ある債権回収機構からの受注だった。債務状況の異なる顧客(債務者)に対して個別の情報を発信したいという注文を受けたが、顧客ごとに情報量が異なるため、封入物のページ数は均一ではなく、各内容物に個人識別番号を付加し宛名とマッチさせることが受注の前提であった。そこで、当社でプログラムを開発してデータ処理をおこない、オンデマンド・プリンティングで仕上げた。

 このケースでは、オンデマンドを使った印刷というハード面だけではなく、郵便番号順にバルク分けをして封入し、発送というトータルな工程を引き受けた。これによって、印刷だけなら単価10万円の仕事が、トータルな工程をふくめれば単価100万円の仕事になる。オンデマンド印刷のみではなく、こうしたトータルな仕事を受けていくことで、仕事の幅を広げていくことができる。

 クライアントにも満足していただき、初回1200人分の仕事が、以降レギュラー化。現在、50万人分を受注している。オンデマンド印刷、ドキュテック出力だけではなかなか商売にはならないという声をよく聞くが、デザイン処理・データ処理・出力・出力後の工程(バルク分け+封入+発送)など、仕事全体を受注していくことで、新たなビジネス展開が可能だという一つのケースとして、ご報告したい。
 
 
 
チームリーダーの河北氏
(河北印刷)
 デジタルネットワーク利用による企業攻略研究会は、この中間発表会では発表しなかったが、河北リーダーと事務局のリーダーミーティングを実施。

 基本的に「Ondemand+Network」でのビジネス開発をしたいということで議論した。研究会の題材として上がったのは、@お客様の声を吸収する仕組みづくり、A[ローテク+ハイテク](前回の京扇子ODP事例のような)、B.特殊用紙へのプリント研究による新市場開拓(CDT60)など。

 ビジネスターゲット(市場)として、@アウトソーシングビジネス、A環境対応ビジネス(ISO1401)、Bカーディーラ、C金融関連等がピックアップされ、積極的な意見交換ができた。今後、具体的な研究内容について再度絞り込みを行っていくことにした。