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DSFとは
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研究会の運営方法
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 DSFも、年のはじめに方針を決め、春から夏にかけて活動し、秋に成果を発表して共有するという体制になってから4年目になります。既に数々の成果があがっており、大活字本についてはマスコミからも注目され、ドキュテックSF賞もあちこちで注目を浴びています。そういう意味で、結果が出せる会になったと思います。最初に私は、DSFを単なるユーザー会にしなくないと申しました。単なるユーザー会や同業者組合は私もよく所属していますが、はっきり言って何もしておりません。寄って集まって話すのは、仕事がなくなったという話ばかりです。DSFはそのような会には絶対したくありません。DSFは非常に元気です。会員の皆様からは富士ゼロックスさんから4台目を買った、5台目を買ったという話が目白押しで、すごい会だと思います。それは積極性ですね。非常にレベルが高いです。皆さんから次々にアイデアが出てきて、まるでアイデアの宝庫です。こうした積極性がこの会の源にあると思います。
 今年から富士ゼロックスさんからの協賛金を増額していただき、活動の幅をより広げていきたいと思っています。名実ともにオンデマンド印刷の核となる会となってきました。これからさらに発展を目指してやっていきたいと思います。そのためには、各々の分科会がいかに新しいアイデアを出していけるかにかかっております。予算も適正に配分し、活動の幅を更に大きくしていきたいと思います。今年も皆様よろしくお願いいたします。

 昨年を振り返ると、情報サービス業は相変わらず厳しく、その中でも印刷は年々減少傾向にあります。価格競争による単価ダウン、部数減、短納期といった問題を抱えながら事業自体が小さくなっていますが、オンデマンド事業だけは相変わらず成長しております。私どものPUB部門では、システムの販売を拡大するのは当然ですが、特にカラーの比率を増やし、市場を広げようという方針で1年間やってまいりました。残念ながら販売予算は達成できませんでしたが、カラーについては計画以上に推移することができました。
 昨年は国内でも競合メーカーが多数登場してました。海外メーカーだけでなく国内メーカーもカラー化を進めてきました。しかし、市場の状況をセールスに同行して聞いてみますと、競合メーカーは思ったように市場に入ることができず、私ども以上に苦戦しているようです。私どもはオンデマンドの先駆者となるべく、以前からDSFの皆様のご協力や知恵をいただきながら事業を推進してまいりましたが、この方向は間違いではなかったと確信しています。2004年度もさらに力を入れて進めていきたいと考えております。
 今年は4年に一度のdrupaが5月にドイツでありますが、今回は、昨年私どもの米国ゼロックスのX-plorツアーでご紹介できなかったシステムも並べるつもりでおります。後ほどご案内をいたしますが、DSFの会の皆様もたくさんも参加いただけるよう、事務局でも考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 また、昨年は東京文久堂さんがオンデマンドアワードを受賞されました。これでDSFの会員の方が4年連続でこの賞を受賞していることになりますが、大変名誉なことです。2004年度もこうした賞を取れるように期待しておりますし、われわれも事務局として精一杯ご支援できるように頑張っていきたいと思います。

 DSFでは、1月21日に2004年度総会を開催し、今年度のビジネス&研究活動を中心とする年間活動計画を決定し、新年度のスタートを切った。
 総会は中西会長と事務局の勝野氏の挨拶に続いて
【1】2003年度活動報告(会計報告、決議事項を含む)
【2】2004年度活動計画と役員継続の承認
【3】新会員の紹介
を行った。
 会計については、DSFとしての活動と富士ゼロックスの広報活動との境界を明らかにするとの方針のもとで、会費の値上げするとの理事会の決定を中西会長が説明し、拍手により賛同を得られた。また、役員についても、全員が継続することで了承を得た。2004年度の活動計画としては、2003年度と同様に、6月に各分科会による中間発表、年末に発表大会を行うと説明された。発表大会は名古屋で開催し、オンデマンド印刷様、コームラ様が幹事を務める旨、事務局より報告された。
 総会後、分科会ごとに分かれて今年度の活動方針に関するミーティングを行ない、再び全員の会議で各分科会の活動方針が発表された。各分科会のテーマは別掲のとおり。なお、「大活字本」チームについては、改めて検討のうえ、報告することとなった。

分科会 テーマ メンバー(◎:リーダー)
営業力強化研究会






「組織的かつ科学的営業力の強化」をテーマにSFAの研究を ◎熊本コピー、アラジンイデア、六幸堂、山路工業、 ユーメディア、石川特殊特急製本
DSFコラボレーション研究会 二次元バーコードのオンデマンドへの活用の道を探る ◎東京文久堂、みつわ印刷、光和テック、開明社、 日本工業社、オンデマンド印刷、山縣印刷所、 パイオニアメディアクリエイツ、コームラ、 アオキオフィスサービス、メディアフュージョン、デジタルコミュニケーションズ、石川特殊特急製本
大活字本
(ユニバーサルデザインによる活動)
ODPでの社会貢献活動を考える ◎みつわ印刷、中西印刷、相互印刷、熊本コピー、 河北印刷、東京文久堂、日本工業社、広工、セントラルマイクロメ-ション、コームラ、パイオニアメディアクリエイツ、富士リプロ
ODP出版ビジネス研究会 流通に載せることを目標にドキュテックSF賞を継続 ◎富士リプロ、中西印刷、相互印刷、プリコ、Qプレス
新・企業攻略研究会 自動車業界への各国語マニュアルのPDF化を提案していく ◎河北印刷、広工、ユーメディア
カラーオンデマンドでのビジネス開発 カラーオンデマンドによる新たな商材開発を目指す ◎石川特殊特急製本


 営業力の強化が会社の盛衰を左右するという視点から、今年は「組織的かつ科学的営業力の強化」をテーマに勉強したいと考えております。産業革命によって生産現場の生産能力が向上し、事務現場もコンピュータの導入……OAによって生産性が飛躍的に向上しました。しかし営業の現場だけは、相変わらず経験とコツと勘を頼りにしています。これを何とかしなければならないと、昨今SFA……セールス・フォース・オートメーションということが盛んに言われています。OAはオフィスをオートメーション化するものですが、SFAは営業軍団のオートメーションを目指すものです。そのSFAを中心に1年間勉強していきます。営業はどうしても個人的行動が多くなりがちで、営業の方法というものが科学化されておりません。相変わらずアナログで動いています。そういう観点から、このテーマを設定しました。営業力強化のために、情報と知識と経験を共有することが必要になろうかと思います。そのためにどうしたらよいか、ということを勉強していきます。
 ちなみに私どもの会社では、これまで営業の教育は先輩がアナログ的に教えていましたが、3ヶ月ほどかけて見積書をデータベース化して集中管理するようにしました。顧客情報を見積書とリンクさせ、ネットワーク化することによって社内の全員が見ることができます。こうした顧客情報を管理し、営業情報管理をデータ化して、ネットワークを確立しようという段階です。組織的に科学的な営業を進めるにはどうしたら……これを6月の中間発表までにメンバー各社が研究し、10月の発表大会に向けて勉強していきたいと考えています。
発表:熊本コピー・安武氏

 いままでXMLをテーマに研究を進めてきましたが、それで実益を上げるまでに達したかというと、非常に難しい状況です。XMLの研究は今後も個別に進め、統一的にビジネスを開発していきますが、今年はXMLからいったん離れ、二次元バーコードを取り上げます。ミーティングではいろんなアイデアがありました。ICタグについては大日本や凸版がいろんな動きをしていますが、ほとんどの特許を取られているものですから、二次元バーコードはどうだろう、ということになりました。二次元バーコードはどういうもので、どういう使い方をしたらわれわれの利益になるか。皆さんの共通のベースであるDocuTechを使って、二次元バーコードを活用できないか。DocuTechを活かせる利用方法を提案できたらと考えています。今回の参加は7社12名ですが、実際には11社の企業がこのチームが入っています。当面は二次元コードを中心に進めますが、これがうまくいったら、音声、セキュリティなどの問題も取り組みたいと思っています。とりあえず半年間で目途を立てたいと思いますので、6月の中間発表までに4、5回の打ち合せをやり、2月26日までに調査をする人と利用例を考える人を決めて、発表をしていただくことになっています。予算は、10数万は使えるような話を聞きましたので、最大限そういうソフト類の購入にあてたいと思っています。
発表:東京文久堂・林田氏

 私たちはオンデマンドの出版ニーズを探るため、一昨年は出版社を対象としたセミナーを開催しました。かなり盛況でしたが、本を作って大量に売ることをビジネスにしている出版社の方とは波長が合いませんでしたので、昨年は個人をターゲットにして探ってみました。試みとして、SFマガジンに広告を出して「ドキュテックSF作品賞」をやりました。マンガ部門と小説部門を設けましたが、マンガ部門は応募がなく、小説部門に12点応募があり、その中から4つの作品を選んで「ドキュテックSF賞」という本を作りました。ここまでは誰でもできるんですが、問題はどうやってお金を取るかということです。今のところ著者の原稿は無料で本にしていますが、今年は出版社と提携してISBNコードをつけ、1500円くらいで流通に乗せてみようと考えています。オンデマンドですから、注文が来てから初めて本を作ります。出版社のように最初に作って流すのではなく、何冊か作って取り次ぎコードに載せて、著者のお友達や友人に話をしてもらって買っていただく。そういう形で個人をターゲットにしたオンデマンド出版ニーズを探っていこうと、引き続きドキュテックSF賞を募集します。著者の方に差し上げる本の最後の方に募集広告をつけるほか、雑誌とWebを使って募集していきます。7月くらいまで募集します。どれくらい集まるかわかりませんが、出版社のラインでどれだけ反響が出るかということがポイントになります。要は、ひとつひとつはたいした分量でなくても、いくつかまとまれば結構まともな本ができるということを教えてあげながら、引き続きニーズを探っていきたいと思っています。
発表:富士リプロ・今村氏

 これまでは私ひとりでしたが、今回はユーメディアと広工さんに参加いただいて検討した結果、攻略先としてはいちばん難しい自動車のディーラー関係をやろうということになりました。2月18日にミーティングを持ちまして、富士ゼロックスのスペシャリストの井沢さんに講義をしていただくことになりました。広工の鈴木さんから面白いご提案があったんですが、自動車をいろんな国から来た外国人の方が買う場合、マニュアル関係はどうなっているのだろうというんですね。まずこの辺を調べて、メーカーさんなり、ディーラーさんに、われわれが各国語でPDF化したマニュアルを供給するという提案をしてみようと考えています。自動車に限らず、他の分野でもこうした各国語版のニーズはないかもチェックしたいと思っています。その辺を踏まえて、18日以降もできる限り3社で集まって相談しながら進めたいと思います。
発表:河北印刷・河北氏

 皆さんいろいろな意見が出ていますから、私も何かひとつくらいは独自でやっていかなければと思いまして、カラーオンデマンドの形での加工しようと考えました。POPとかいろいろあると思いますが、特に今は思いついていませんが、私どもは加工するのは一番得意としている会社ですので、それを活かした商品が何かできないかと考えています。ひとりでできないこともありませんが、関心をお持ちのかたがいらっしゃれば、ご一緒に研究していきたいと思います。
発表:石川特殊特急製本・石川氏


朝日新聞 2002年10月18日版 中日新聞  2003年7月18日版
産経新聞  2003年7月10日版