DSFの概要 理事からのご挨拶 研究会のご紹介 研究会の活動紹介 会員のご紹介 アーカイブコーナー
トップページ > 研究会の活動紹介 > Document Service Forum Reports > 第6号
DSFとは
組織体制
会員要件
活動内容
デファクトスタンダード
研究会の運営方法
事務局の役割
 本日は5月にドイツで開催されたdrupaツアーへ、富士ゼロックスさんと参加させて頂いたご報告をさせていだだきます。特に今回はiGen3の視察が大きな目的となりましたが、iGen3は日本には納入はされておらず、やっと実物を目にすることができました。
 今までDocuTechそしてColor DocuTechにしても、品質面より、オンデマンドならこういう事ができます、オンデマンドだから新しい事業が展開できます、とアピールする面が強くありました。しかし、iGne3はオンデマンドだけではなく、品質面においても非常に進化し、オフセットに近くなってきているという印象を受けました。これによって「品質を含めてオンデマンドで」と言った展開が可能になる。ただ、価格面ではすぐに手が出るような物ではありませんでしたが、これからは「オンデマンド!」とわざわざ断らなくても、固体トナー方式が一つの印刷方式として、新たな展開をしていくのではないかという印象を強く持ちました。
 drupaを見ていまして、印刷機は今の方向性で良いのかという疑問をふと持ちました。1時間10万枚刷れる、フルオートで刷れるとアピールしても、その印刷物をどこに運ぶのだろうと。つまり、要るものも要らないものも、とにかく作っておくという大量生産・大量消費が、そろそろ終わっているのではないかと・・。これは20世紀型の文明であって、これからの21世紀では要るものだけを要る時にしっかりと作らなければいけない。今までは、確かに印刷物には大きな意味がありました。それがこれからは、紙が無くてもインターネットで存在する。印刷というのは、よほど情報の価値が高くなければならないという事になってきます。その中で、オンデマンド印刷はその特性をフルに発揮すれば、より大きな需要があるのではないか。壮大に言えば文明史に残る研究しよういう意を強くしました。
 もう一つdrupaで改めて分かった事は、日本にも富士ゼロックスさん以外にオンデマンド印刷機を売っているメーカーは意外に多いということです。全世界を巡れば、そのメーカー数はさらに増え、これは大競争時代だと痛感しました。電子型の印刷が、一つの到達点に達した所で、今度は大競争が始まる。この時代、この研究会を通じて、いかに大競争時代、新たな時代に向かって事業を構築していくか、これが問われていると強く感じました。


 いつもお世話になりましてありがとうございます。私ども富士ゼロックスは、今年度組織編成を行い、今までのパブリッシング営業統括部が、プロダクション営業部という名称に変わりました。従来のパブリッシング部門とエンジニアリングシステム部門(幅広の図面)、そしてコンピュータープリンティング部門の3つが一つになり、プロダクション営業部という形でスタートいたしましたので、今後ともよろしくお願いいたします。
 では4月からの指針をご説明したいと思います。まずは教育の強化。これは私ども社内の教育はもちろんですが、お客様への教育にも一層力を入れていきたいと考えています。その方法として、オンデマンドプリンティングカレッジという名称のカレッジを作り、印刷業の営業の方、経営主の方、そして新たに中間管理職様の方も加えた教育の場をスタートさせています。
 それからECSC(エグゼクティブカスタマーサービスセンター)を、10月頃に東京・品川駅前に立ち上げる予定です。これはプロダクションのお客様を中心に活動する所で、従来のショールームに加えて、皆様のお客様に来て頂き、一緒に新しい仕事を見つけ、エンドの方との研究の場となるスペースです。このECSCは、上海、シドニー、シンガポール、それからアメリカにもあり、世界でどのような事が行なわれているのかのソリューションメニュー・世界戦略を皆様にご提供できればと考えています。
 中西会長もdrupaでのiGen3の話をされておりましたが、このiGen3は品質も非常に良くなっています。各種の紙が通り、紙の厚さが変わってもスピードが変わりません。価格やランニングコストにもよりますが、iGen3によって過去のオンデマンド事業とは全く違った新たなデジタルカラープリンティングの市場、オフセットでやっていた部分まで含めた新たなビジネスが芽生えてくるものと考えております。このiGen3は、まずは東京からですが、生産財として皆様にお使いいただけるようスタートします。
 また、drupaに出品しましたDocuTechの後継機も、なるべく早く国内で発売できるようにしたいと考えております。今年度は過去にないぐらいパブリッシングの分野も、積極的に、攻撃的に邁進して行きます。富士ゼロックスがNo.1であり続けるために、いろいろなことを手がけて行きたいと思いますので、DSFのメンバーの皆様にはぜひご協力を頂きたいと思います。今年もよろしくお願いいたします。


私たち営業力強化チームの目的はハッキリしており、営業の組織化、そして営業のオートメーション化です。営業支援システム、つまり営業活動をいかに科学的に行ない、組織的に情報を共有化して動くかという事をテーマに勉強しております。生産現場や事務現場では、コンピューター化が進んでおりますが、営業の世界は個人個人が持っている情報を一人で握り、顧客情報も、見積もり情報も、全て個人個人で活用し動いている。これを組織化するのが目的です。
まず基本的には、印刷業務系SFA(セールスフォースオートメーション)導入事例の発表という事を、10月までに立ち上げたいと思っています。具体的には、弊社が独自に開発しました営業支援システム。それからユーメディアさんは独自に作られている営業システム「コンタくん」。そして、アラジンさんは市販のソフトを使って、いかに営業活動が科学的に動くかという事を研究していこうと思っております。


 営業活動支援システムは、当社では独自にシステムを開発するという形を取っております。その内容を簡単に紹介させて頂きます。
 まず、現状の当社での営業活動の問題点を述べておきます。既存の紙情報や口頭ベースでの情報のやりとりはあるのですが、記録としての確実さ、さらにすぐに参照できるか、またその情報を再利用したい、といった要求には対応していません。具体的には、営業のAさんの見積データを参考にしたくても、実際は各人が個人ベースで保存しているためお互いにデータが再利用できない。また、Bさんの営業情報を参考にしたくても、月1回の営業会議では情報交換をしづらい。Cさんの案件。仕事は受注したのですが、売り掛け、実際の請求で、入金までが終わったのか、その管理が追いついていない。Dさんの案件で、難しい仕事を受注したのですが、作業の方法を一部の人しか知らない、等々の問題点がありました。
 もろもろの問題を解決するために、どのような情報が必要なのかを考えたのですが、まず、一つが履歴の管理です。営業データ、見積もりデータ等、過去の履歴を全て蓄積したいと考えました。営業の進捗管理、各案件が今、どの状況にあるのかを、すぐに確認できる仕組み。後は最後に売り掛けの管理。実際に請求までが終わったのか、その状況が確認ができる仕組みをシステムで管理できれば、営業活動の業務効率の改善に繋がるものと考えました。
 今回、SFAのキーワードに沿って開発を進めたのですが、実際に市場を見回してみますと、結構SFA系のツールというのは出ており、安いものでは1万円位から、高いものは数百万円まで色々バリエーションがあります。あえて自社で作ってみようと、自社開発を選択した理由としまして、まず、既存の帳票形式。当社が従来から使用していた営業様式や見積もり様式を維持したかったことです。もう一つが、今年学習課題としてデータベースの勉強をさせて頂いており、その成果を出したいということがありました。さらに、将来的な構想が出てきても対応できるような拡張性。自社で開発すれば、カスタマイズや改良が容易であるという3点の理由から今回オリジナル版で作るという事になりました。詳細は次回の発表にさせて頂きたいと思いますが、現在、最終的なテストをしています。このテストが終わりまして、夏頃には稼動させたいと考えております。ある程度限られたユーザーさんで使ってみて、色々ご意見とか頂きながら改良を重ねて行きたいと考えております。
 最初にも申し上げましたが、現状の問題点を解決するための機能として、顧客情報の作成・管理・検索と、営業情報の作成・
管理・検索。それに繋がる見積書の作成・管理・検索。そして一覧表示や、会議のときに資料として帳票出力できる機能を今回試作版で作っています。将来の構想としましては、見積書までこのシステムで発行し、さらに実際に受注があった後、作業指示書も作成できるようにし、工程の管理もこの同じシステム上で実現することです。その業務が終了後、実際お客様に伝票を発行する際にも、このシステムと接続し、営業活動から受注、伝票発行という一連の流れをシステムの中で統一して管理できるように考えています。
 最後に、Webのグループウェアという業務の管理システムがありますが、そちらとも連携をとり、全体的な情報(営業情報、顧客情報、工程情報等)をWeb上で参照できるように改良し、最終的には営業活動をトータルで指針したいといった構想を持っています。一応簡単ではありますが、当社の事例という事で発表させて頂きました。


 今年は新しいチャレンジと言いますか、今までとは違う物を研究して、皆で利益を上げようということになりました。テーマは、2次元バーコードです。2次元バーコードには、何か発展があるのではないかという事で、皆で話し合いを始めたのですが、正直アイディアが出ていません。今日5回目のミーティングを終えましたが、その間出てきましたのは、名刺と旅行案内、この程度です。旅行案内も、我々が印刷に関わりあえるかというと、全く関係なく、ゼロックスさんの全国ネットを使えば、上手くいくのではないかという話に終始しておりました。私もリーダーとして、バーコードというものが間違いだったのではないか、中間発表会で仕切りなおそうかと、先週まで思っておりました。
 そんな試行錯誤の連続ですが、今日までの経過をご報告しておきます。皆さんもご覧になっているかも知れませんが、以前NTTのコマーシャルで、2次元バーコードをCMで全面的に取り上げ、2次元バーコードとは何かと、一般的にも関心が持たれるようになってきました。CMでせっかく取り上げられているのに、我々が諦めるのも惜しいと、とりあえずサービスでも良いからやってみようということになりました。
 DSFのサイトに我々しか入れない部分があります。そこにアプリケーションサービスとして、例えばクライアントの会社名、住所、電話番号、e-mailアドレス、URL、後コメントを入力し、バーコードを生成。その生成したバーコードを、従来受注している印刷物に付加してサービスします。そして我々DSFのメンバー全員が、そこで作ったものをお客様の印刷物に印刷する。その後お客様には、2次元バーコード印刷について、調査して欲しいとお願いをします。どのような状況だったのか、使って良かったのか、使って何にも役に立たなかったなど、そういう調査をして頂くことから始めようと、今日決議いたしました。そのためには、NTTやデンソーさんの無料のアプリケーションもあるのですが、やはり独自のDSFのアプリケーションを作り、このサイトを利用して皆で運営をしていければと思いまして、そのアプリケーション作成の見積もりを依頼しているところです。一応その金額にもよるのですが、作らせて頂き、皆で運用したらどうかと、今日決めさせて頂きました。これは、今日の会議録に入れていただきましたので、皆さんご覧になれると思います。


 当グループは、ユーメディアさんと広工さん、そして私ども河北印刷の3社で担当させて頂きます。前回とは異なり3社となったことで、一番難しそうなことに挑戦し、アプローチ先に自動車ディーラーさんを選ばせて頂きました。
 自動車ディーラーという業種は、私どもは全くやったことが無く、他の2社の方も初めての取り組みになります。まず、仙台のユーメディアさんは、今まで自動車ディーラーさんへは全く行ってなかった。具体的にもこれからですが、ディーラーさんは提案をしないと全く話も聞いていただけないという事で、今具体的に考えておられるという事です。広工さんは、webデザインをやっている会社と提携し、地元のBMWディーラーのハードコピーをこれからお始めになります。
 私どもは京都のトヨタ系、あるいはホンダ系等に、色々お話を伺ってやっているところですが、やはりこれも全く我々の方が全てお膳立てをし、ご提案をしないと考えていただけない。しかも、具体的に、最終段階のチラシやポスターなどを持って行き、初めてその段階で Yes or No という事になります。全て他の企業もそうなのですが、先行投資をしないといけない。一応今月あるいは来月にそれをやって反応をはかりながら、10月の発表には実際の製品を皆様に見て頂きたいと思っております。我々としましては、8月にもう一回分科会を実施し各社で確認をした後、ゼロックスさんの再度教育もして頂いて実施しようという事が今日の結論でございます。


 昨年、SF小説を募集し大々的にマスコミに売り込んで、オンデマンド印刷の市場性を探り、周知性を高めようという「ドキュテックSF賞」を立ち上げました。去年の7月頃SFマガジンに原稿募集を出したのですが、その後、選考過程が非常に難しいという事がわかりました。まず、参加作品を全部読まなければいけない。それから誰が決定するかということ。選考委員を設けるべきなのですが、企画先行したため間に合わず、すべて今村さんが行なうことになりました。結果として30作品くらいの応募がありましたが、本年度は選考過程の問題が解決しないため中止としました。しかし一応責任を果たさなければいけませんので、良い作品をオンデマンドで出版し、マスコミに周知せしめるという話しは進んでいます。
 さて今年ですが、環境に関する自費出版を支援する「アースデイ環境大賞」を企画しています。環境に関する原稿を募集し、非常に良いものは自費出版を無料で行なう。社会貢献性もあり、マスコミも取り上げてくれるだろうと考えております。一番問題な選考過程は、今村さんのお知り合いである、サンガ出版様が引き受けてくれることになりました。原稿
募集方法は、プリパブを主体に、WordでもPDFでも良いということにしました。プリパブは、東京文久堂さんのASPを使った原稿募集システム、自動組版システムという事なので出来るだけ使用しよう思っています。
 我々には、Color DocuTechとか商業系など出版にこだわりがあります。印刷の根本は無人印刷だという意識もあり、なんとか自費出版をビジネスにしたいと考えています。しかし、制作工程に経費がかかりすぎるという事が皆さん一致した意見で、結局DocuTechで安く印刷できても安価な印象を受けない。結果として赤字という例が多いので、校正等の制作部分はお客さんに任せなければ、商売として成り立たないと考えています。その方法として、ASPを使った東京文久堂さんの方式、あるいはテンプレートを使ってテンプレート通りに入れてもらえれば綺麗に本に出来ますという形にすれば良いと話し合いました。今回は、このスタイルでアースデイ環境大賞を行ってみます。
 「自費出版ビジネスはサービス業だ」これは井料氏の名言で、自費出版ビジネスは出版業でもなければ、印刷業でもない。いかにお客さんの意見を聞いて、それを本として作り上げるかというサービス業であると。この捉え方は、非常に印象的でした。なおアースデイ環境大賞は、今年の秋くらいに締め切りをし、来年の4月20日にはアースデイ環境大賞、ゼロックス協賛と大きな花火を打ち上げられればと思っております。


 4年がかりで、やっと大活字文庫が完成しました。今年になって既に30タイトルを出版。今年中には、さらに30タイトル位出版する予定です。この事業は、筑波大学や盲人協会への寄付から始まったのですが、このほど文部科学省の拡大教科書の予算も付くことになりました。出版部数は、「バカの壁」で1000部。追加出版は全部オンデマンドという形になります。製本は当社で行ない全部特殊です。設備にお金をかけ大分投資しましたが、おかげさまで何とかなりました。
 オンデマンド出版のelibaというシステムについても完成し、今出版の方にかかっています。これは知名度が上がるにはもう少し時間がかかると思いますが、10月頃には成果が出ると予想していますので、その時に改めて報告します。このelibaに大活字文庫を入れ、さらにユニバーサルデザインを使った難聴者や色弱の方々向けの出版物や部材等も揃えて販売をしていこうと思っています。これはすでに当社内にプロジェクトができており、営業が動いています。現在、大活字に関しては当社の営業が専属で2名付いています。ちなみに、通常の本は1冊ずつですが、大活字文庫の22ポイントにすると、1回のオーダーが上中下の3冊になります。これを1ヶ月に大体5タイトル、3×5で15冊かける部数を印刷し出版しております。大活字の社長からも好評いただき、今、非常に売れ、全国の図書館2000カ所位で使ってもらっています。今後の販売方法は、各地の視覚障害者の公演等に本を持ち込み、その時にオーダーを頂いた方には後でメールを送って、またオーダーを頂いていきます。
 今年のオンデマンドアワードには、elibaを出展しています。その中に大活字文庫も入れ、全部オーダーできる仕組みになっていますので、秋口になったら皆さんにお見せします。
 今出版社へ営業に行き、できるだけ数多くの出版社から大活字本を出そうと思っています。現在出版不況ですから、行くところどこも反応が良いのです。これからは文庫本だけではなく、パソコンの操作方法や料理のレシピ、観光案内などあらゆるものを提案していこうと思っています。大活字の方でも、あちこちで販売してくれ、結構反響が出ています。おかげさまで雑誌その他でも相当取り上げてもらいまして、DSFから始めた大活字に関して、2、3年大分お金を使いましたが、これからちょっと取り戻そうと思っています。