DSFの概要 理事からのご挨拶 研究会のご紹介 研究会の活動紹介 会員のご紹介 アーカイブコーナー

トップページ > 研究会の活動紹介 > Document Service Forum Reports > 第15号

DSFとは
組織体制
会員要件
活動内容
デファクトスタンダード
研究会の運営方法
事務局の役割
2007年DSF中間発表大会in京都 2007年6月8日(金)ホテルグランヴィア京都にて


 
 会長・副会長ご挨拶
   会長挨拶 (中西印刷株式会社 中西 秀彦氏)
   副会長挨拶(みつわ印刷株式会社 渡利孝由氏)
   新会長挨拶(株式会社東京文久堂 林田桂一氏)
   新副会長挨拶(株式会社日本工業社 米田和秀氏)
 記念講演
   印刷業界を巡る大潮流と対応(社団法人日本印刷技術協会 専務理事 山内亮一氏)
 研究会中間発表会
   1)チャレンジ07 - DSF (有限会社オンデマンド印刷 生島裕久氏)
   2)カラーODP ビジネス開発 (石川特殊特急製本株式会社 石川幸二氏)
   3)テクニカル研究会(Web サービス) (株式会社トーチョウ 横山明夫氏)
   4)営業人材開発研究会 (株式会社日本工業社 米田和秀氏)
   5)オンデマンド印刷&出版の未来U (中西印刷株式会社 中西秀彦氏S)
   6)経営者の会 (株式会社富士ゼロックス総合教育研究所 吉岡七五三)
   7)DSF 社会貢献活動/ユニバーサルデザイン本(株式会社東京文久堂 林田桂一氏)
 閉会ご挨拶
   富士ゼロックス株式会社 森俊宏
 

▲ TOPへ戻る

会長挨拶(中西印刷株式会社 中西秀彦氏)
中西印刷株式会社 中西秀彦氏
中西印刷株式会社 中西秀彦氏
  約10年間、私と渡利さんで会長、副会長を務めさせていただきました。今年の5月に1ヶ月間かけて「ドキュメント サービス フォーラム 10周年記念誌」を完成させました。ぜひ読んでください。この会がいかに苦労して続いてきたか。そして、今こうやってここまで来て、花を咲かせるところまで来たかが書いてあります。単にゼロックスのお仕着せの会で始まったわけではなく、会員皆さんの努力で今まで続いてるということを誇って良いと思います。
 私は10年前から、特にオンデマンド印刷の将来性は、絶対にあると確信していました。ご存じの方も多いかと思いますけれど、1997年に『印刷はどこへ行くのか?』という本で「オンデマンド印刷こそがこれからの印刷だ」というのを書きました。それぐらい私は入れ込んでます。これは絶対に伸びると信じてやっています。ですから、DSF は「とにかくみんなで勉強しましょう」ということで始まりました。
 最初の3年位は迷いがありました。そんな会で人が来るんだろうか?遊びの会にした方が良いんじゃないか?と。でも、とにかく勉強して結果を出そう!全国持ち回りで発表大会をやろう!発表大会に結果を持ってこなければ恥ずかしい、という気持ちで進めていましたら、現在のようにどんどん進むようになりました。
 あちこちの色々な会にも参加していますが、どの会も、何か決めても全然やってこないです。でも、DSFは違う。「やろう」と言ったら必ず宿題ができてくるんです。何月何日までにこれをやりましょうと言ったら、必ずみんな結果持って出て来てくれます。そういう雰囲気がこの会にはあります。
 新会長の林田さんと、新副会長の米田さんに、この雰囲気を引き継いで、更に伸ばしていただきたいです。10年でこれだけ色々なことをやった会は無いと思います。だからこそ、富士ゼロックスさんには、これからもご協力をお願いしたいです。
 DSF の更なる発展を祈念して20 周年記念、30 周年記念のときには、長老として参加させていただきたいと思います。
 

▲ TOPへ戻る
副会長挨拶(みつわ印刷株式会社 渡利孝由氏)
みつわ印刷株式会社 渡利孝由氏
副会長 渡利孝由氏
 オープニングの10周年記念ビデオを見て、感動しました。品川のパシフィックホテルでDSFを開いた時は、今と同じぐらいのメンバーがいましたね。発足してから3年ぐらいでメンバーも半分以下になったりして、DSFも3回ぐらい紆余曲折がありましたが、その時に残ってくださったメンバーの皆さん、そして今現在の理事を務めている河北さん、安武さん、井料さんの皆さんと、我々はDSFをちゃんとやろうじゃないか。という事で続けてまいりました。
 私も組合とか色々な会に参加していますけれども、中西会長が言った通りに、このぐらい元気のある会、そして世の中でこれだけ色んな事をやってきた会というのは珍しいと思います。ですから、ぜひ今後ともどんどん伸していっていただきたいと思ってます。  先ほど新会長の林田さんと一緒に食事をしながら話していたのですが、10周年は大変立派なことです。富士ゼロックスさんの協力もあって、ここまでやってこれました。オンデマンド、社会福祉など色々な事をやってきましたが、10周年で終わってはいけない。まだまだこれからだと考えています。
 よく中西会長と話すのですが、私と会長は性格が全く違うんです。中西会長は頭の良い方で、良く考えてから行動するタイプですが、私はどちらかと言うと、行き先知らずに飛んで行ってしまうタイプです。逆に全く違うタイプだったから、これまで上手くやってこれたのかなと思います。
 これからは新会長・新副会長を筆頭にして、世の中のため、皆さんのために、ますます発展していく会になって欲しいと思います。私と中西会長は今日から後ろに回ります。私も、安武さんもみんな還暦です。60になりますので、これからは後ろから応援したいなと思っています。どうもありがとうございました。
 

▲ TOPへ戻る
新会長挨拶(株式会社東京文久堂 林田桂一氏)
株式会社東京文久堂 林田桂一氏
新会長 林田桂一氏
 このたび、DSFの会長という重職に任ぜられました林田と申します。よろしくお願いします。この会のメンバーの方は非常に能弁で、言葉が多様で、何を話して良いか困ってしまうのですけども、中西会長のお言葉を聞いていたら、これから私は何を話したら良いか、余計に迷ってしまいました。
 私は7年前にDSFに入会させていただきましたが、初めはなんと陰気な会だろうと思いました。もう勉強、勉強と。遊びも無く、すごく堅い会だなというのが第一印象でした。しかし、実際にやってみますと非常に面白かった。これだけ勉強になる会は今まで無かったです。会長、副会長がおっしゃいましたように、今までに無い会というのはすぐに実感しました。私も他の会に色々と参加しておりますけれども、各会もDSF を見習ってきていると思います。だんだんDSF に近い雰囲気になってきました。
 この会のメンバーはなぜこんなに雰囲気が良いかと言いますと、自分の会社でやっている事を隠さずにをさらけ出して、皆さんにお話しする。紹介する。これが成功の秘訣だと確信しております。今後も包み隠さず、全ての技術を皆さんと共有して、全員で成功し、頑張っていきたいと思っています。
 アメリカでオンデマンドが非常に成功している中、日本ではなかなかオンデマンドの成功が聞かれない。アメリカと比べて非常に遅れています。これはユーザーのせいではないと、私は思っています。我々、印刷業界とか複写業界が、ユーザーにほとんど提案をしていない。この今の状況が日本のオンデマンドを遅らせている原因だと考えています。日本のオンデマンドを引っ張っていく会としましては、これからはユーザーにどんどん提案をして、オンデマンドがこれから更に成功していくよう、頑張っていきたいと心がけております。それには、これからも皆さんのご協力が必要ですので、よろしくお願いいたします。
 

▲ TOPへ戻る
新副会長挨拶(株式会社日本工業社 米田和秀氏)
株式会社日本工業社 米田和秀氏
新副会長 米田和秀氏
 副会長に選任されました、日本工業社の米田です。林田会長が7年目だということを先ほど初めて知ったのですが、実は私はDSF設立当初から入会していました。ちょうど10年前は、色々な会を立ち上げていた時期で、申し訳ないですがDSFが一番続かないだろうなと思っていました。ところが、林田会長もおっしゃっていたように、一部の方がさらけ出すと、他の全ての人がさらけ出し始める。上がさらけ出すのだから、下もさらけ出すという形になり、縦も横も交流が進み、DSF は色々なことがどんどん進んでいきました。
 ただ、それは会員だけが努力したわけではなく、事務局、富士ゼロックスさんが一生懸命やってくれたからだと思います。我々メンバーがDSFに参加して話した事をきちんとまとめたり、なかなか返事の来ない方に何度も連絡をしたり、事務局がこまめに支援し続けてくれたからこそ、この会が続いていると思っています。事務局に支えられ、刺激を受けて、本来こうしたい、こうありたい、という皆さんの「想い」が結集して、DSFは10周年を迎えることができたのだと思います。
 私はこれから副会長として、林田会長をある時は横から支え、ある時は後ろから押したりして連携プレーをしながら、事務局と一緒に、またメンバーの皆さんと一緒に、そして新たに入る方と一緒にやっていきたいと思います。
 新たな参加企業への気遣いは欠けてしまいがちですので、古参同士ばかりでやらずに、新しい方が入りやすい会にしていきたいと思っています。あくまでも林田会長を支えるという立場で、出しゃばらないようにしていきたいと思っています。よろしくお願いします。
 

▲ TOPへ戻る
印刷業界を巡る大潮流と対応(社団法人日本印刷技術協会 専務理事 山内亮一氏)
社団法人日本印刷技術協会 専務理事 山内亮一氏
社団法人日本印刷技術協会
専務理事 山内亮一氏
 今日お話する内容は、全部で4 つございます。1 番目に現在の景気状況をざっと見てまいりたいと思います。2 番目は環境変化と印刷事業。ネットの影響が今どうなってきているのか、人口動態はどうなっているのかです。そして環境変化を踏まえて、3番目はこれからの印刷業はどうなっていきそうなのか。そして、最後4番目に環境変化の中でどのような課題があるか、ということです。
 最初に現在の景気状況ですが、JAGAT のデータでは2006 年の印刷出荷額は、一昨年2005 年と同等であるという結果が出ております。1997 年から出荷額はだんだんと減ってきてはいますが、減り方も縮小しています。ただし、この統計は今現在も商売を継続なさっている会社様の数字ですので、JAGAT から退会した企業様の分を含めると、2006 年は2005年に比べて出荷額は1%減というのが推計です。減少幅は縮小してきておりますが、GDPに対してはまだ下がっているので、GDP に対してなぜこうなっているか、という事が視点になってきています。
 1997 年をピークに印刷産業の出荷額は連続で減少していますが、これは印刷需給が減ったわけではありません。紙の出荷量や平版インキの出荷量は伸びています。それから、計算機器の消費量も伸びてきている。つまり、印刷の仕事も減ってはいないわけです。しかし、印刷産業の出荷額が減り続けているのは、フィルムの消費量が減っているのが原因です。言い換えれば、デジタル化によってプリプレスの仕事量が減ってしまい、全体の出荷量が落ちたということであります。2006 年のフィルム販売量は2005 年と比べてほとんど横ばいですが、これは、発展途上国で伸びているフィルム販売量を含めてですので、国内だけでは減少していると思います。
 いずれにしても、プリプレスの付加価値が下がってきたわけですが、CTP が2008 年末あたりで、1 つの大きな踊り場へ来ることが想定されております。つまり、プリプレスの付加価値の低下もそこで1 つの大きな踊り場に来る、マイナス要素がかなり軽減されるということを意味しているわけです。このような流れがあって、実質成長率は少し改善してきているというのが現在の潮流の1 つです。
 今、プリプレスの付加価値減少は止まりつつあるとお話しましたが、もう1 つ大きなマイナスの要因に価格低下があります。価格低下の原因は単純に過剰な供給量です。1980 年の前半までは常に需要が供給を上回って伸びていましたが、1995 年以降、供給が需要を上回りました。これは、1980 年代の前半までは既存の印刷業の方が人を増やして、設備を増やして、工場を建てて、事業所の数がどんどん増えていったわけです。そして、80 年代後半に供給が需要に追いつきました。それからは新しい会社が出てくる余地はなくなり、事業所の数は横ばいになりました。90 年以降は単にバブルの崩壊というだけでなく、先ほどのプリプレスの付加価値の減少含めて、供給が需要を過剰に上回りました。そこで色々な競争もあり、事業所の数は減ってきました。そして私どもは、需要と供給のバランスが今後どうなるかという仮説の数字を出しています。今の供給過剰状態が続くと、2010 年には約2 万社ぐらいまで会社数が減少する推計です。
 次にこれからの環境変化と印刷業についてですが、現在のインターネット普及、デジタルメディアの普及がいろいろな影響を与えていることについては、改めて申し上げることはないと思います。そのような変化をベースとして何が起こっているかというと、生活者のメディアと接している時間の変化です。やはり、パソコンなどの通信の利用時間が増加しているのに対して、残念ながら紙媒体は減少しています。そして、今までメディアの王様という位置付けをずっと保ってきたテレビでさえ、ここ2 年は連続で減少しています。これは言うまでもなくインターネットとデジタルメディアが普及したからということに間違いはございません。
 こういう中での印刷業はと言いますと、フリーペーパーが非常に伸びていますね。このフリーペーパーが伸びた理由は「優良な情報を無料で手に入れる事ができる。」ということを生活者が当たり前に思い始めたからです。これは、「コンテンツそれ自体がお金になると考えてはいけない。」ということを物語っているわけです。このフリーペーパーの伸びは、そういう意味で注目をしておくことが必要だと思います。また、フリーペーパーの発行部数は2005 年の時点で実に有料雑誌のおおよそ2.5 倍、約100 億部発行されています。元々、フリーペーパーは産経リビングのような、主に主婦を対象としたものでしたが、リクルートさんの「R25」をはじめ、最近では40 代以降の男性を対象とするものや、小学生向けのものも出てきているので、フリーペーパーの対象層もかなり拡大してきています。これも注目点の1つだと思います。
 様々な環境変化が現在起こってるわけですが、これからは人口動態の影響も考えていかなければなりません。既に少子高齢化が進み、メディアの対象年齢にも変化が出ています。あと10 年もすれば人口の減少が顕著になって、メディアの需要自体がまた少なくなり、紙媒体にもその影響は出て来るわけです。
 10 年というと長いようですけれど、過去10を振り返られたら、10 年はあっという間ですね。次の10 年で人口が減ると、商売で前年比減は当たり前となるでしょう。これは今までのように景気が良かった、悪かったという話と全然レベルが違います。その時代に向けて、我々は今から真剣に考えておかなければいけなくなっています。
 その時代が来た時に1 つの流れとして考えられるのは、やはりM&A が増えてくると思わざるを得ません。JAGAT としては、8 年前から業界M & A を考える必要があるとお話してまいりました。これの最大の理由は、国内需要である日本経済がここまで成熟化してきたら、国内では伸びきれない。だから競争せざるを得ない。これが一番原点ですね。需要が成熟して、グローバル化の中で国際競争しなければいけない。そうなったら国内で競争していても負けてしまう。だから競合相手の能力を生かして、自社のリストラをしていくのが合理的な選択ではないか。ということです。
 最後に印刷業界の課題ですが、市場は今まで申し上げたように大きく変化していきます。JAGAT としては様々なデータから考えて、印刷需要は成長から横ばい、そして減少に向かわざるを得ないと見ております。しかし、マイナス面ばかりではなく、プラス面もあると考えております。それは正にデジタル印刷にあると思います。お客様がデータをどうやって管理していくか、それをネットワーク環境でどう活用していくか、その部分に関わるものがこれから伸びてくるだろうと思います。
 そこでの課題ですが、1 つ目は既存の市場で電子メディアと、できるだけ対抗して生き残っていくと共に、デジタルネットワーク化を推進していくということが大きな課題だと思います。まずは経営情報システム(MIS)を再構築するのが、今の一番の有用な課題であると考えています。これを基点にして電子商取引(EC)や電子データ交換(EDI)に広げていく、あるいはコンピュータ統合生産(CIM)の実現に向かっていく、というのが具体的な方法論だと思っています。
 そして2 つ目は新しい事業領域の開拓です。JAGATは「デジタルプリンティング」「eビジネス」「クロスメディア」の3 つを『印刷新世紀宣言』で申し上げましたが、今日は「クロスメディア」の話をさせていただきます。
 「クロスメディア」での一番大きな変化は情報のパラダイムシフトであります。一昔前まではオリジナル情報はまず紙で発生し、それをデジタル化していましたが、現在ではまずデジタルデータが発生し、そこから色々なメディアに情報が使われるように、完全にパラダイムはシフトしました。お客様の持ってるデータは既にデジタルデータになっています。何かやろうとした場合、その為のデータはお客様の所にもあるし、担当の営業の所にもあるし、マーケティングの所にもある。色々な所でデジタルデータがあるわけです。それを管理し、上手に加工して、お客様の要望に応じたものを一番効率的にお届けする。そういうお手伝いを印刷業界がしていきましょうというのが、JAGAT が考えているクロスメディアです。
 当然、人海戦術でやっていては商売にはなりませんから、コンピュータやネットワークを上手く使って、自動的に情報管理を行い、お客様の様々なデータを出し分けていく。お客様の要望を聞き取って、スムーズにクリエイティブ側にその情報を流していく。という中核になる機能を持てれば、お客様に付加価値の高い提案ができ、継続的な大きな商売になっていくだろうと、我々は考えています。
 この「クロスメディア」で最も重要なのは、お客様と現場を繋ぐディレクターなり、プロデューサーなり、そういう人材を育てる、もしくは確保するということだろうと考えております。JAGAT としては、時代の変化に合わせて、人材育成のお手伝いをしていこうと考えております。
 

▲ TOPへ戻る
1)チャレンジ07 - DSF(有限会社オンデマンド印刷 生島裕久氏)
有限会社オンデマンド印刷 生島裕久氏
有限会社オンデマンド印刷 生島裕久氏
 私たちはワークフローの効率化の探求ということで、細かいオンデマンド商品でどうやって儲けるのかのテーマを2 つあげています。
 1つはWeb入稿、受注管理業務工程の自動化、いわゆるWebアプリケーションです。もう1つがVIPPの探求なのですが、これは現在やれていません。VIPPに対応した機種が参加会社の中で少なかった事と、敷居が高いため残念ながら進んでおりません。ただ、私としては非常に面白い、他のデジタルメーカーがやれない技術ではないかと着目しております。
 Webアプリケーションに関してですが、3社にお話を伺いました。1社目は富士ゼロックスさんのFreeFlow。2社目はパイオニアメディアクリエイツ(PMC)さんの、自社開発されたオンデマンド印刷のオンライン受注システム。3社目はイスラエルのPress-senseという会社が開発したiWayという商品です。これは販売代理店のVPJ さんでお聞きしました。
 富士ゼロックスさんのFreeFlowは受注から工務の作業、リッピング、配送管理までしてしまおうという、オンデマンド受注の行程を自動化するシステムで、価格はアプリケーションだけでだいたい500万円位です。PMCさんのシステムはFreeFlowと違い、自社内の業務効率化、特に営業の効率の部分に集約されていました。今のところ販売する予定はないのですが、この場で色々な意見を聞きまして、今後の動向を決めようとしております。価格はまだ不明瞭な部分がありますが、1社あたり60 万円位で非常に安いです。
 iWay ですが、実は富士ゼロックスさんのFreeFlow の基幹システムはこのiWay でした。iWayのカスタマイズ費用は比較的安く、ソフト単体だと280 万円、ハードも含めて500 万円で立ち上げられるとご回答いただきました。
 それぞれメリット・デメリットはございますが、FreeFlowとiWayに関してはコストが高く、費用効果が薄いのではないか?という意見が出てます。PMC さんのシステムはカスタマイズに費用がかかるのと、現在商品ではないのでサポートの問題もありました。
 現段階での3 製品の費用効果と導入実現性は5 段階でFreeFlow が2.5 と2.5、PMC さんのシステムが4.5と4.5、iWay が3.5と3.75となっています。今後は3 製品をもう少し分析し、また討議を進めていきたいと思います。
 

▲ TOPへ戻る
2)カラーODP ビジネス開発(石川特殊特急製本株式会社 石川幸二氏)
石川特殊特急製本株式会社 石川幸二氏
石川特殊特急製本株式会社 石川幸二氏
 今回まとめていこうと思ったのが3点ございます。まず、マグネット付のDMですね。サンプルを見る限りでは非常に良くできております。ただ、難点は単価が高いという事と、日本に商材が無いということです。ヨーロッパから取り寄せるという話もありましたが、時間的にも難しいので、プリントした後にマグネットを圧着するのが一番現実的かと思っています。用途としてはピザ屋の宅配等、家庭の冷蔵庫に貼られるような商材に使えれば、発展性があるのではないのかなと思っております。
 次に、花の種付DMです。花の種付というのは現在あるのですが、販売定価が840円というのがあります。花の種は単価が安いですし、加工方法も簡素化して、送料込みで原価が300円程度で仕上がるのであれば、良い商材かなと思っております。それほど大きなビジネスになるかはわかりませんが、非常にインパクトがあったので、今回の商材の1つに入れることにしました。
 最後が香るDMです。香りの入ったマイクロカプセルがあって、はがすと匂うとか、スクラッチ系のような、こすると匂うとかがあります。用途としては、ちょっと気持ち悪いんじゃないのかという話もありましたが、「今夜は焼き肉だ」とイメージさせるような焼き肉の匂いがあれば、焼き肉屋さんにはウケるのかなという話もあります。他にもクッキーだとか、花の匂いだとかも良いのではないかと思ってます。
 今までは参加企業も少なかったので、ビジネスに関係のないところからの発想で、できたらおもしろいな、というような事をやっていましたけれど、やはり8社、9社になってくると、参加しているからには現実的にビジネスになるものをと考えて、この3点のDMに絞りました。現在DM関連の業績も伸びていますし、新しいDM という発想であれば、比較的商材としては面白いかなと思っています。
 10月までには仕上がった状態のものを発表できればと思っていますが、今までは中間発表で形は出来上がっていて、発表大会までの3ヶ月間にどうやってサンプルを作るかというペースでした。今年は、時間的に非常に厳しく、かなり詰めてやらないと、ちょっと仕上げられないかなと思っておりますが、頑張ってなんとか10 月までには商品にしてお見せできれば良いかなと思っております。
 

▲ TOPへ戻る
3)テクニカル研究会(Web サービス)(株式会社トーチョウ 横山明夫氏)
株式会社トーチョウ 横山明夫氏
株式会社トーチョウ 横山明夫氏
 今年度テクニカル研究会リーダーを仰せつかりました横山でございます。今年の研究ビジョンでございますけれども、「Webサービスを中心としたデータ作成システムの研究」としております。1998年から2000年位に、Webサービスのポータルサイトが雨後の竹の子のようにいっぱい出てきましたが、今ではそれが見事にみんな頓挫しているという事実もあります。それは何故だ?という所かから問題点を検証して議論を始めてみました。
 Webサービスはデータ化。それについては、これから我々の業界で非常に大切になってくると思いますし、間違いなく伸びる。これは研究会の会員の皆さんと意見が一致しました。しかし、やり方、考え方、それをどうするかをしっかりと議論をしてくのが、この1年間のミッションになっております。
 この中間発表までにやったことですけれど、まず、Web サービスの現状、Web サービスをやってらっしゃる会社様の現状、それを持ち寄って、Web サービスの問題点及び実現への問題提起ということで、議論を重ねてきました。Webサービスの現状についてですが、林田会長の東京文久堂さんでは名刺とプリパブですね。それから、ブログ組版をオンデマンド印刷(ODP)でサービスを提供しているみつわ印刷さん。山路さんは今、Webサービスでできる印刷システムを摸索中で、自社開発を目指してソフト会社を作られ、色々な事にチャレンジをしておられます。アイシーエクスプレスさんはコンビニのODPをメインに、専用Webサービスを構築したいというお話でした。デジタルコミュニケーションズさんはシステムを作る側なので自社サービスはしないということです。当社は名刺Webサービスシステムを提供しています。問題点ですが、東京文久堂さんが「決済システムが無い」「顧客に入力させずに社内で入力している」当社も「決済システムがない」という点がございました。
 そして、これから発表大会までに何を目指すのかですが、とにかくお客様にとって有意義、そして我々がそれを使ってしっかりとビジネスになる、そういう現実的なWeb サービス、これの模索をしていき、発表大会に結論を出せればと思っております。
 

▲ TOPへ戻る
4)営業人材開発研究会(株式会社日本工業社 米田和秀氏)
株式会社日本工業社 米田和秀氏
株式会社日本工業社 米田和秀氏
 この営業人材開発研究会は、SFA ですとか、CVM という名で、これまで数年間にわたって研究会を続けてきましたが、改めてキックオフの時にCVM 活動を中心に振り返って話をしました。CVM の経験がおありのところも、全く経験のないところもありますので、実際にやってみた企業さんに、CVM はどうだったかをお聞きしました。
 CVM はセールス力強化体系で、営業におけるお客様との知識、関係強化、計画・自己管理等のスキルアップ効果があります。当然ながら、お客様と一緒にやるわけですから、非常に手間はかかりますが、それをやり遂げることで、お客様自身の課題やその業界がどうなっているかを知り、営業のスキルは相当上がります。さらに、お客様の事業に関心を持っている事も示せるわけですから、非常に効果が大きいことは確認できました。
 しかし、各社で問題となっているのが、一部の人間がCVM を一生懸命やっていても、社内全体では思うように展開しないということです。できる人間はどんどん進むけれども、CVM を難しく感じている人間は全然手も付かない。それと、やってみても一度失敗するとなかなか定着しない。自分にとってのメリットに直接結びつきにくいので、「やらされ感」「燃え尽き症候群」みたいな事が起こってしまっているのではないかという話が出ています。
 実はこの問題は、経営者側の企画が風呂敷が大きくて、掘り下げも十分できていないので、マネージャークラスに意図が伝わっていないのではないかということです。それと、やはり中間層のマネジメント力の不足も考えられます。
 実はCVM は経営品質向上活動(JQA)とバランススコアカード(BSC)の営業部分の話だったのですが、これまでの状況を考えて、いきなりCVM を展開するよりは、まずはBSC を研究テーマにするのが良いのではないか、という話になりまして、事務局の林さんに講義をしていただき、これまでの2 回BSC の基本スタンスを学びました。
 そして前回の分科会で、理想の企業「DSF印刷株式会社」を想定し、財務・お客様・社内・学習と成長という4 つのエリアで戦略マップを書き、企業戦略を練ろうという話になりました。発表大会では戦略マップと戦略展開書の発表をして、それを持ち帰ることで自社のものにしたいと考えています。
 

▲ TOPへ戻る
5)オンデマンド印刷&出版の未来U(中西印刷株式会社 中西秀彦氏)
中西印刷株式会社 中西秀彦氏
中西印刷株式会社 中西秀彦氏
 オンデマンド印刷&出版の未来は延々と7年続けてきましたが、なかなかうまくいかないので、原点に戻りまして、もう1度出版社に対してセミナーをやります。5年前にも1回やっているのですけれど、現在の出版社のニーズを聞いて、どういうアプローチがあるのかを考えてみようということです。また、この5年間の変化を見るのも面白いと思いますので、個別商談会の開催も考えています。
 セミナープログラムですが、2007年7月25日に、富士ゼロックス品川epicenterにて開催します。勧誘方法は首都圏1600の出版社にDMの送付です。内容は、私の講演「無在庫出版への挑戦」と、iGen3、DocuColor 8000のデモをやって、現在のオンデマンド技術を出版社の方々ににお知らせしたいです。個別商談会では研究会参加各社が、自社の出版関係での商材を持ち寄って、やってみよう思います。前回は「面白かった」「非常に勉強になった」という声もあり、各社横の交流もできて良かったです
。  ただ、ちょっと惨めなのは、前回1600社にDMを送付して、申し込みが35社50名でした。今回もどれだけ来るかわからないのですが、皆さんでお知り合いの出版社とかに声かけて頂いて、できるだけたくさんの方に来ていただきたいと思っています。
 この時のセミナーアンケート結果ですが、当時18社中17社がオンデマンド印刷(ODP)を使ってみたいという結果が出ていました。ODPの使い方を見てますと、オフセット印刷の代替や、完全な注文生産方式もありました。完全な注文生産方式は最近増えていますね。
 その後はニーズがあるとは感じたのですが、すぐに飛びつくような反応ではなかったというのが、当時の結論です。積極的に使いたいと答えていただいた会社様には訪問もしたのですが、1000部ぐらい刷れないと話にならないと、そこで終わっています。5年前はまだデジタル化が進んでいませんでしたので、話が進みませんでしたが、現在はデジタル化が進みましたので、どういう結論が出るか、というところです。
 この5年前の話はこの5年間で実現しています。ですから、5年経った今、新たな展開が見えるんじゃないかと思っています。欧米ではODPでの出版は当たり前な話なので、日本の出版社へ上手くアプローチする方策を考えていきたいと思います。 
 

▲ TOPへ戻る
6)経営者の会(株式会社富士ゼロックス総合教育研究所 吉岡七五三)
株式会社富士ゼロックス総合教育研究所 吉岡七五三
株式会社富士ゼロックス総合教育研究所
吉岡七五三
 我々経営者の会は「儲けの構造研究会」です。今は新しいビジネスを始めるには最高の時だと思います。時も地の利も天の時も全て揃っていると。ただ、社長のやる気がどうかだけが、この新しいビジネスをやれるかどうかという事です。研究会参加者の皆さんはそこは一致しております。それで、我々はここにメーカーとして、理論と実務の融合による富士ゼロックスの知と人のコラボレーションということで、社長たちと一緒になって、色々な事をやっております。
 まず最初は社長が話を聞こうという話が出ました。社長というと、どうしても言うばかりだから、「話を聞かない男、地図が読めない女」という本があるように、まず社長が話を聞くことから修業しようよ、ということになってコーチングをやりました。聞く耳を持って、社員が会社をどう思っていて、どういうアイデアを持って、ビジネスを展開しようとしているのかのコーチングを月に1 回、3 ヶ月連続で3 回やりました。
 それから2 月からはカラー勉強会と言いますか、我々はクライアントに対して、印刷会社として理論武装した提案型営業を作ろうとしています。カラーの売れるチラシとか、販促材料をどういうかたちでクライアントに提案したら良いかというような、そういう理論的なものの勉強会も3 回続けてやりました。この研究会の出席率は毎回非常に良いので、内容も面白いと思います。
 6 月からは新しい事を展開しようじゃないかとなりまして、新エリアマーケットというものをやろうと思っています。これは6 月28 日から始めて、3 回か4 回は続くかと思いますけど、研究会に参加していないからとかは気にせず、ぜひテーマを見て皆さんに出席していただきたいと思っております。
 研究会の皆さんは興味を持って参加していただいていますので、新しいエリアマーケットで、新規事業の実例をどんどん出していこうと思っています。また、新規事業で成功している社長を呼んで、話を聞こうとか、いろいろ企画しています。
 

▲ TOPへ戻る
7)DSF 社会貢献活動/ユニバーサルデザイン本(株式会社東京文久堂 林田桂一氏)
株式会社東京文久堂 林田桂一氏
株式会社東京文久堂 林田桂一氏
 長年、大活字本をやってこられました、みつわ印刷の渡利さんは、ボランティアだけでなくて、ちゃんと商売に結びつけられた成功事例だと思っております。ところが、我々はボランティアだけをぽつぽつやって、そのままになってしまっているので、研究会参加企業全員でDSFの力を見せて、仕事に結びつけようというのが今回の主旨です。
 これは当社単独ですけども、去年、九州全域で11 校の盲学校に、24 冊づつ納めました。非常に好評でした。ただ、九州だけなので、新聞に掲載されたのも西日本新聞だけでした。
 今回は全国71 校の盲学校に、DSF のメンバーで毎月納めていこうという計画を立てております。今年から来年にかけて、ボランティアになると思いますけども、次には商売に結びつけるように持って行きたい思います。
 このボランティアも自由参加ですので、DSFメンバーの皆さんに参加していただきたいと思っています。
 

▲ TOPへ戻る

閉会挨拶(富士ゼロックス株式会社 森俊宏)
富士ゼロックス株式会社 森俊宏
富士ゼロックス株式会社 森俊宏
 10 周年の記念セレモニーということで、中西前会長のご尽力で「ドキュメントサービスフォーラム10 周年記念誌」というすばらしい本にまとめていただきまして、その中身を見ると、この10 年間の活動の軌跡が皆様にも理解していただけるかと思います。DSF には、さらにこの流れを大きくして、オンデマンド印刷をスタンダードにしていただきたいです。
 先ほどの発表の中にもいくつかございましたけれども、機は熟したと。実は我々もそう考えています。この業界は新規参入も非常に増えています。裏返せば、これからもっと伸びると。もっとこの業界に投資がされると考えています。我々はその先駆者として、先に果実を刈り取るということが非常に大事ですし、その道しるべ、灯台が灯ることによって、このビジネスの後に続く者が増えてくる。それから業界、あるいは全体のスタンダードになっていくんではないか考えています。皆様のお力をお借りして、この事業を大きく伸ばすということをさらに推進していきたいと事務局は考えております。
 カラー印刷は、今までの白黒だけの通知・通達ではなくて、色々なメディアに入っていく流れがございます。裏返せば、様々な業界がこのビジネスに入ってくるということです。我々は皆様の先進的な活動の中で、ビジネスをとらえ、果実をとっていただきたいと思っております。事務局としても皆様を徹底的にご支援いたします。
 ちょうど昨年中で我々の部隊もメーカー、営業、製販一体となった組織になりました。これからはハードを売るだけではなく、皆様に使いやすいソフトウェア、あるいは色んな仕組み、こういったものをメーカーとして、富士フイルムグループとしてご提供していきながら、一緒に伸ばしていきたいと思っております。
 次の10 年後には3 桁の会員が集まるような組織を私は夢見ております。ぜひ皆様のご協力を得まして、この実現とビジネスの成功ということを祈念したいと思っております。
 

▲ TOPへ戻る