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DSFとは
組織体制
会員要件
活動内容
デファクトスタンダード
研究会の運営方法
事務局の役割
DSF全国発表大会 in 仙台 2008年10月17日(金)ホテルモントレ ルツェナにて


 
 会長・事務局挨拶、会計報告、活動計画
   会長挨拶:株式会社東京文久堂 林田桂一氏
   事務局挨拶:富士ゼロックス株式会社 小林 雅春
 研究会・コラボレーション会発表
   営業人材開発(東陽青写真工業株式会社 亀田直樹氏)
   Web テクニカル(株式会社トーチョウ 白橋明夫氏)
   カラーODP 商材開発(石川特殊特急製本株式会社 石川幸二氏)
   経営者の会(みつわ印刷株式会社 渡利 孝由氏/熊本コピー株式会社 安武 史朗氏)
   社会貢献活動(株式会社東京文久堂 林田桂一氏)
   富士ゼロックスご挨拶:富士ゼロックス株式会社 栗原博氏
 閉会挨拶
   株式会社日本工業社 米田 和秀氏
 

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会長挨拶(株式会社東京文久堂 代表取締役社長林田桂一氏)
株式会社東京文久堂 代表取締役社長林田桂一氏
株式会社東京文久堂 代表取締役社長林田桂一氏  
 元気の無い方もいらっしゃるみたいですが、今日は元気を出してゆきましょう。今朝はユーメディアさんの工場見学をさせて頂きまして、非常にありがたいと思っております。今野さん、ありがとうございました。仙台の地で、これほどまでにメディアを生かされて、正にトータルメディアプロバイダーを実践されているのを体感してきました。当社もホームページでは、自社をトータルメディアプロバイダーと称して、それを目指しているんですけれども、ユーメディアさんを拝見して「ああ、こういう会社にならなきゃ。 」 と思った次第です。 今日、見学された方は非常に有意義だったと思います。
私の、今年思っている事を1つお話させて頂きます。現在、とても状況の悪い経済だと皆さんおっしゃいます。だから、何なのでしょう? 経済が悪いと、我々も悪いんでしょうか。経済が良くなれば、我々は良くなるんでしょうか? おかしいですよね。なるわけがないです。こういう時期こそ、我々が今まで勉強してきた事を実践する時ではないのかと思っております。
当社も今年前半、非常に悪い時期を過ごしてきました。どうやって会社を再生させようかと思いまして、原点に帰る事にしました。会社とは何の為にあるのか?そこまで考えてみました。会社とは何の為にあるんでしょう?皆さんは賢い方々ですから、既に分かっていらっしゃるかも知れませんけれども、私はやっと気づきました。会社は社会に認められるような、望まれるような存在でなければいけないという事です。今後は社会に要求されないような会社は、 多分無くなってゆくでしょう。では、要求されるにはどうしたら良いんだということですが、今までの「売り上げがいくら足りない。 」 「あと、どれだけやれば良いんだ?」という考え方は間違っており、「お客様は何を望んでいるんだ?」 「何をやれば良いんだ?」それが一番大事だと気づかされました。ですから、当社は営業マンには「売り上げじゃない。お客様が何に困られているんだ? 何をやって欲しいのか? 何を嫌がられているのか? 我々の望まれている所ではないのか?」と言っております。
オンデマンドを称している我々が、今、立ち上がる時ではないでしょうか。これからは欲しい時に、欲しい物を、即届けるというオンデマンドの精神に立ち戻り、進めてゆこうと思います。是非、来年は胸を張って、顔を上げて、笑顔で皆さんにお会いしたいと思います。今日はまだ暗い方がちょっといらっしゃるようですけれども、今日は1日勉強をして、その後は懇親会でストレスを発散し、明日からの糧にできればと思います。
 

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事務局長挨拶(富士ゼロックス株式会社
プロダクションサービス営業部 部長 森俊宏氏)
富士ゼロックス株式会社プロダクションサービス営業本部 計画部長 小林 雅春氏
富士ゼロックス株式会社プロダクションサービス営業部
計画部長 小林 雅春氏
 
 高い席から失礼します。今朝はユーメディア様の工場見学ではお世話になりました。本当にありがとうございます。また、今回この仙台の地に全体で66名も参加して頂き、重ねて御礼申し上げます。先ほど、林田会長から元気出していこうというお話がありましたが、DSFの方々は非常に元気がありますね。実は、手元に昨年10 月から今年9月までの、DSF会員様の印刷ボリュームデータがあるのですが、結果から申し上げますと、ボリュームは 2桁伸びています。弊社お客様の全国平均が、段々ちょっと厳しくなってきておりまして、白黒がほぼフラット、カラーが1桁という厳しい状況の中、DSF会員様は、白黒・カラー共に2桁伸ばして頂いておりまして、本当に皆様方の努力で商売自体が上手くいっているのではないかと思います。私どもも嬉しい限りでございます。
前回は7月2日に東京ミッドタウンで、リッツ・カールトンの高野社長もお呼びして中間発表会を行いました。あれから約3ヶ月の短期間の後、今回5つの発表を頂くわけですけれども、今回の発表の為に徹夜をしたとか、この会の為に奔走して頂いている、というお話をお聞きしまして、非常にありがたく思っております。今日はコンパクトではございますが、既に受付でODP 商材のサンプルの卓上カレンダーが配布されていたりと、皆様の意気込みを感じております。これだけ活性化してきておりますので、それぞれ研究会の審査や、コンテストだったり、表彰みたいなものがあっても良いのかなという気がします。来年度に向けて、益々盛んに活動していただければと思います。
私ども富士ゼロックスは現在「Your Partner, Anytime.」というキャッチフレーズを掲げておりますが、会長からもお話がありました通り、我々も皆様に対して、どういうパートナーであるべきかという事も含めまして、自己研鑽して皆様方の商売に結びつけたいと思っております。
最後にお知らせが2つございます。1つ目が林田会長の東京文久堂様が、私どもの世界的なプレミアパートナーにおいて、アジアのコラテラル、販促物の部門でトップ入選されました。アジアトップということです。世界ではどうかというところですが、恐らく上位の成績を修めてるのではないかなと思います。もう1点ですが、安武常務が9月に日本グラフィックサービス工業会(JaGra)の理事に就任されました。こちらも合わせてお祝い申し上げます。私は、このように皆様方か社内外を問わず活躍されてて、非常に嬉しく思っております。僭越ではございますが、お話しをさせて頂きました。本日もよろしくお願い致します。
 

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営業人材開発(東陽青写真工業株式会社
取締役事業部長 亀田 直樹氏)
東陽青写真工業株式会社
取締役事業部長 亀田 直樹氏
東陽青写真工業株式会社 取締役事業部長
亀田 直樹氏
 
 研究内容の発表の前にお礼を申し上げます。今回の研究にあたり、研究会のメンバー以外の方々にも24 問にもおよぶアンケートにご協力頂きまして、誠にありがとうございました。26 社からご回答を頂戴しまして、非常に有益な情報になるかと思いますので、是非ともアンケート結果を自社の経営なり、教育なりに生かして頂ければと思っております。
では、この1年間の営業人材開発研究会の研究成果の発表を致します。今年は19名で研究を行いました。今年度の活動実績は2月8日の初回、中間発表、それから今回の全国の発表を含めて11回行いました。大きなイベントとしては、6月6日にオンワード樫山様に、7月24日には水上印刷様に企業訪問をさせて頂きました。それから、9月にDSFメンバーの皆様にアンケートを実施致しました。
今年度の研究開始にあたり、初回にメンバー皆様に「御社にとって今、何が問題ですか?」とお聞きしたところ、印刷のボリュームも売り上げも利益も減っているんですよというお話でした。複写業の方もやはり、ボリュームが減って、これからどうしてゆこうかとおっしゃっておりました。一番大きな課題としては「どうやったらオンデマンド印刷機で売り上げ・利益の減少の穴埋めができるか?」 「企業収益を上げるにはどうしたら良いのか?」 「今後どうやって収益を上げて行けば良いのか?」といった事が出て参りました。この課題を何とか解決できる研究会にしたいと考えまして、まずは根本の企業収益の向上について考えました。
お客様や同業者、富士ゼロックス様のようなメーカーにもお話をお聞きし、文献などからビジネスモデルを考えて、必要な教育を出してみようとしました。しかしですね、教育というものは企業戦略に基づいて作らなくては、意味が無いという考えが出て参りました。やはり、企業戦略に合わない教育をしても効果が薄いわけです。極端に例えるならば、印刷工の人にアーク溶接の教育をしても何の意味も無いわけです。ですから、各社戦略が違うはずですので、その戦略に合った教育を考えてゆこうとなりまして、教育を考える以前に、戦略の基本となるビジネスモデルを考察する事に致しました。自社のビジネスモデルの再考察。そして、そこから導き出される最も効果的な人材教育。という2本立てで、この営業人材開発研究を本格的にスタートいたしました。
研究方法の流れとしては、まずはお客様にどんな価値を提供すれば、企業は生き残る事ができるのか?といった事を文献で調べ、中間発表でもお話しました「マーケットリーダーの法則(以下:ML) 」に行き当たりました。そして、この法則の実地検証ということで、オンワード樫山様と水上印刷様に「企業訪問」し、冒頭でもお話しました「アンケート調査」に至ったわけですが。来期は機械メーカー様へのヒアリングアンケートも実施する予定ですので、この3つの情報を元に形成知化するツールとしてバランススコアカード(以下:BSC)を使い、各社のビジネスモデルに合った教育方法を研究したいと思います。その先には、最終成果としてオンデマンド印刷コーディネーター検定といったものに結実できればなと考えております。
今期の研究成果についてですが、MLとBSCが中心となります。中間発表にもお話した通りですが、まず、大前提として印刷複写業はサービスの開発提供をしている「コミュニケーション業」であると再認識する必要があります。自社を再認識することで、戦略の差別化によるオンデマンド印刷機の使い方は変わってくるのではないかと思います。
自社を再認識する上で活用したのもMLになりますが、まず考えたのが、自社はMLで表現される「エジソン型(サービスの革新性) 」 「ワトソン型(顧客の密着性) 」「フォード型(業務の択一性) 」のどれに当たるのか? という事です。それぞれ、例として挙げるならば、エジソン型は、どこにも無い物を売るタイプ。アップルや昔のソニーが当てはまるかと思います。ワトソン型は値段はボチボチだけど対応が良いよねという、IBMや富士ゼロックス様が当てはまると思います。フォード型はサービスを安価に提供し続けるタイプ、国内でいうとユニクロのファーストリテイリングが当てはまると思います。
それぞれ方向性は違いますが、生き残ってゆける方法であると思います。これを、印刷複写業界に当てはめると、エジソン型は、新しいコミュニケーション方法を提供する会社。我々の中では、ユーメディアさんのように、色々なメディアを使って、マーケティングなりコミュニケーション方法を提案する会社だと思います。メディアミックスを実現して、印刷複写を含めた高付加価値の最適メディアを提案し続ける戦略になります。ワトソン型は、より印刷複写のプロになり「あそこに任せれば印刷関係は問題ないね」と言われるような、顧客に密着したソリューションを提供する戦略になります。そして最後のフォード型は徹底したコスト削減で安価な印刷物を提供し続ける戦略になります。
この3つが今後生き残る条件ではないかと仮説を立てた上で、6 月にオンワード樫山様に企業訪問をしたわけですが、実際にお話を伺ったところ、価格や品質は当然ですが、それ以上に「印刷関連のコンサルをして欲しい」 「ブランドをより良くする為に何か提案して欲しい」 「販促会議にも出席して欲しい」といったように、要求が高度化している事がわかりました。逆に言えば、要求に応える事ができれば、囲い込みが出来る可能性が高いのでは? という考えも出ております。
また、アンケート結果からDSF 会員はエジソン型が5割、ワトソン型が4割、フォード型が1割であり、我々が本当に求めている事は次の商売に繋がる種を作る事、ワンストップ体制を整える事、コストダウンを実現する事、この項目を実現した上でビジネスモデルを構築する事。という事もわかりました。
今期の積み残し、来期以降の予定としては 「BSCでの戦略の可視化」 「各メーカーへのアンケート」 「紙媒体から移行する可能性のある媒体の洗い出し」をした上で、必要な教育を明確化したいと思います。更に、オンデマンド印刷コーディネーター検定へと繋がる素地作りも進めたいと思います。
 

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Web テクニカル(株式会社トーチョウ 代表取締役社長 白橋 明夫氏)
株式会社トーチョウ 代表取締役社長 白橋 明夫氏
株式会社トーチョウ 代表取締役社長
白橋 明夫氏
 
 今年は22社24名の大所帯で、最初はこんなに多くてまとまるのかなと、正直不安ではございましたが、何とか1年間活動できたのは、皆さんの協力の賜物だと改めて感謝をする次第でございます。
昨年は Web to Print において新しいシステム構築ができたらと活動しておりましたが、良い結果には至りませんでした。今年は昨年の反省を元に、現実的なオリジナル Webサービスについて研究をしたらどうかなという話になりまして、サービスの構築方法を考え直してみようとスタート致しました。
2月8日のキックオフ時に皆さんと相談しましたところ、まずは JDF を始め一元管理システムを研究し、更にアプリケーションを使用した具体的なビジネスモデルの研究をしようとなりました。そして、4 月 3日の第 1 回の研究会でJDFを運用する為の指針を決め、富士フイルムからJDFのオーソリティをお迎えしまして、JDFの基礎から勉強をさせて頂きました。6月20日の第3回研究会ではWebサービスを使用してのPDF出力、およびゼロックスマシンでの出力検証を致しました。今回の研究にあたり、ゼロックスマーケティングの鍋倉様には常にご助力を頂きました。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございます。ここまでが前回、中間発表まででございます。
中間発表後の後半ですが、9月10日の第5回研究会では、鍋倉様にジョブを作って頂き、研究会メンバーに渡して、出力結果をレポートとして提出して頂きました。これについては、かなりハードな負荷のかかる要求でございましたけれども、皆様本当に真摯にやって頂きまして、1つの結果が出ました。
研究成果の発表の前に、皆様とJDFについておさらいしたいと思います。ご存知かと思いますけれども、2004 年のdrupaは JDF drupaとも呼ばれており、その時からJDF はあるわけですが、結論から申し上げますと、JDF は今でも変わり続けており、バグも出続けている未だ確定していない技術であるのが実態でございました。
しかしながら、アナログ印刷の世界においてはJDFはかなり進んでおりまして、実用的に運用している会社もあるようです。JDF自体はアプリケーションやシステムではなく、XMLベースで仕様やスペックが記録されており、何も指定せずとも機械が読み取って出力できる技術です。この説明だけを見れば、JDFで安定した出力が再現されると思われがちですけれども、JDF に完全に対応したデバイスも少なく、実質的には不安定である、と言う事が1年間の研究でわかりました。
アナログ印刷の世界ではある程度浸透してきているJDF が、我々のデジタルデバイスの世界でどれだけ通用するのか、Web to Printを語るにおいて、やはり自動化は避けては通れないわけですし、それにはJDFはどうしても必要ではないかと思います。ですから、現状は活用できませんで終わらせるのではなく、将来的に活用するにはどうしたらよいか? 現在の問題は何なのか?を 「JDFの問題点及び実用への問題提起」 「Webサービスを使用してのJDF or JMFの利用」としてまとめましたので後ほどご説明致します。
現在JDFを生成するには、富士ゼロックス様の FreeFlow があります。これに入れると自動的にJDFを生成してくれ、JMF言語でデバイスに入れてくれます。 しかし、残念ながらこの研究会でWebサービスを導入している会社が1社も無かったので、鍋倉様の協力でJDF ジョブを研究会メンバーに配布して出力をして頂きました。理論的には問題なく出力できるはずでしたが、簡単にはいきませんでした。
12社19例の出力検証結果から結論を申し上げますと、DocuSP ver5.1については、ほぼ間違いなく出力がされましたが、それ以外のFiery や DTNS、DocuSPでもバージョンの低いものでは、 プリントキューが登録されても出力できなかったり、最初からエラーメッセージが出てしまったり、送信は問題なく終了しても、パラメーターで両面片面が不具合だったりするのが実状でした。今は DocuSP の RIP が着いている機種がiGen 3とNuveraだけなので、今後は旧機種、旧システムに関しても順次 JDF に対応して頂けるとは思いますが、我々も色々な準備や対応、対策をしなければならないなと思いました。
まとめとしての「JDFの問題点および実用への問題提起」ですが、ポイントを6つ挙げております。まず1つ目は「JDFを利用するにあたって、利用できる出力機およびサーバーが限定されてしまう。 」先ほど申し上げた通りですが、現状はDocuSP ver5.1 のみが JDF を認識して、問題なく出力できるという事になっています。それから2番目「現状の出力機に対応できないので、JDFを利用するには対応機種を購入しなければならない?」実を言うと最新の機種とソフトが必要だよということです。DSF 全体でもJDF に対応できる会社が1割にも満たないという実状を認識する必要があります。それから3番目「協力会社に同一データを依頼した場合、パラメーター取得ができない?対応機種の確認が必要?」2 番目にもかぶりますが、現状では対応機種が限られるので、その時々で様々な確認が必要となります。それから4番目「Webサービスを利用せずにJDFの生成、主力が可能か?」これも理論的には可能ですが、実状は簡単にJDFを生成する事はできません。そして 5 つ目 「海外での実例は実運用になっている例がある。言語の問題か?」 これは、私見ですけれども、やはり言語の問題なのかなという感じも致します。最後の 6 つ目「JDF自体のソースウェアが変更している。 」JDF が 2004 年に発表されてからも、変わり続けているというのが、富士ゼロックスさんを始め、なかなか対応し切れないのが事実ではないかと思います。
昨年からの課題として「現実的なオリジナルWebサービスの模索」 「構築方法」 「運用方法」の3つがありましたが、今年は「運用方法」にフォーカスをして研究して参りました。結果、JDFは現在アナログ印刷に傾倒していたり、完全に対応している機種が少ないという悲観的な事実ばかりが出てきた反面、iGen 3 や Nuvera などの最新機種であれば完全にできる事わかりました。それから、JDFを生成する事自体が難しい事も十分に理解できましたので、来期の研究に繋げたいと思います。
 

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石川特殊特急製本 株式会社常務取締役東京支店長 石川 幸二氏
石川特殊特急製本 株式会社常務取締役東京支店長 石川 幸二氏
石川特殊特急製本 株式会社常務取締役東京支店長
石川 幸二氏
 
 最近、もうリーダーを辞めたい言っていますが、実際のところ”種”が無くなってきているんです。5 年もやっていると大分わかってきたせいもあって、どう商品化すれば良いのかを考えると、なかなか難しいです。もう無いんだけどと言いながらもメンバーに恵まれて、色々なアイディアが出てきて、 今回も発表する事ができました。営業人材開発とWebテクニカルは非常に頭を使う発表でしたが、我々の研究会は商材を見ていれば分かるものですので、楽にして聞いて頂ければと思います。
メンバーは 9 社 10 名でやらさせて頂きました。 中間発表では仕上がり状況、 機能、スペックは発表させて頂きましたが、商材を簡単に説明させて頂きますと、用紙に酸化チタンを塗布する事によって、脱臭機能がある商材となっております。具体的には中間発表にお見せした、カレンダー、カップホルダーというような物もあったのですが、今回は中間発表では具体化されていなかった商材、靴の中敷きや行灯も紹介させて頂きます。前会長が「参加して初めて勉強になる。 」とおっしゃっておりましたので、今回は初心に戻り、メンバー各社で制作を致しました。
まずは、受付でもお渡ししましたバリアブル卓上カレンダー。これはアオキ ・ オフィスサービス様の制作で、非常に完成度が高く、売れる商材だと思います。特にこれからの時期は多いと思うのですけれども、最近は翌月からのカレンダーという新しい発想もありますので、2月でも3月でも5月でも注文が見込める商材ですね。今回は個人の名前が入っていますが、広告も入れる事はできますし、売り方によってはかなり売れるんじゃないかなと思います。受注内容で言うと、歯医者さんが意外と多いです。B to Cだけかな?とも思われがちですが、B to Bも十分あり得る商材に仕上がっております。値段はだいたい800 円〜 1000 円位で考えています。原価から見てもこの値段であれば十分利益は取れると思います。
卓上に合わせて壁掛けカレンダーも作りました。これはケープリント様の制作です。この壁掛けカレンダーは六畳一間の臭いを48時間で取り除く消臭機能があります。これは用紙メーカー公称のスペックですので、実際はお金と時間をかけて調査する必要があります。印刷はiGen 3でやっております。値段は1000 円〜 1200円が手頃な値段かなと思います。
これは中間発表の時に形も分かっていませんでしたが、靴の中敷きですね。広工様と東京文久堂様に作って頂きました。しゃもじ型ですとか、ボーリングのピン型があります。でも、一般販売するならばオフセットでやった方が実際は安いですね。個別に名前を入れるとか、オフセットには無い付加価値を付ければ売れると思います。スリッパや通常の靴用の他にも、ブーツ用も制作しました。ブーツは臭いが籠りやすいらしいので、これは非常に効果的ではないかなと思います。機能的に見ると冷蔵庫用の脱臭材のジャイアントキムコよりも効く との事ですので、意外と馬鹿にできないスペックになっております。
その次が車のカップホルダーになります。明光社様とプリントン様の制作です。車の臭いに関しては、どちらかといえば芳香剤を使うのが主流という感じですが、芳香剤は臭いを出すだけですので、臭いを取るという、新しい商品としては良いと思います。本当はサンバイザーのところに何かをやるとか、もうちょっと大きな物を作りたかったのですが、夏場に燃えてしまったりすると困るので、車内用は少し小さめに作りました。
脱臭中敷き 左: ピン型 右: しゃもじ型
 
脱臭行灯
そして本のブックカバーです。これは、和紙で作りました。このカバーを着けた状態で戸棚において頂ければ、紙の独特な臭いも取れます。これもほとんどオフセットで作られているので、直接ビジネスに繋がるかどうかは難しく、何かの仕掛けを作らないと受注するのは難しいかなと思います。ただ、和紙に印刷をできるというのは利点かなと思っております。
最後の商品は脱臭行灯です。こちらはサンニチ印刷様、長谷工システムズ様、YAMAGATA様、そして当社で制作致しました。この行灯も和紙を使用しておりまして、オイルレスになったおかげで和紙のテイストが良く出ています。オフセット並みの商材に仕上がっていると思います。発想としては今まで作ってきた商材の中でも良い方かなと思います。行灯ですので、中に光がありますから半永久的に脱臭する事ができます。値段は 1 セット3000円位で売れるのではないかなと思います。市販では 2000 円程度ですので、これも名前を入れるとか、そういう仕掛けが必要かなと思います。どちらにもしても、こういう商材は量が出なければ成り立たないと思っておりますので、バリアブルだったり、B to Cだったり、付加価値を付けた商材に仕上げないとビジネス展開するには難しいかなと思います。仕上がり自体は、どこかで買ってきたの?と言える位にはなっておりますので、もしかして売れるかも? という感じです。
この商材はDSFの会員の誰が使っても良いと思いますし、営業ツールとしてでも使えれば良いのかなと思っております。量産ということになってくると、オフセットと比較して弱くなってしまうので、アイディアを生かして高付加価値で売れればと思っております。
 

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みつわ印刷株式会社 代表取締役社長 渡利 孝由氏
みつわ印刷株式会社 代表取締役社長 渡利 孝由氏
みつわ印刷株式会社
代表取締役社長 渡利 孝由氏
 
 私も丁度、卸町の団地には3年半位お世話になりまして、この目の前にあるメトロポリタンができた頃に仙台に通っていました。定宿は隣のサンルートを使っておりまして、ここのホテルはまだ無かった頃ですね。そんな関係もありまして、長年仙台にはお世話になってました。今日、久しぶりに来たのですが、あまり変わっていないのでホッとしました。
本日皆さんの発表を聞いていまして、非常に嬉しかったんですけれども、先ほど頂きましたカレンダーも、4 年前のプレミアパートナーのヨーロッパ大会の際に、オランダのアムステルダムでこの商品が出ていました。お土産に頂戴して東京に帰ってから、富士ゼロックス様と試行錯誤して2000 円で売り出しましたが 1つも売れませんでした。タダだと皆さん喜んで持って行くんですけれども、お金を払うとなると未だに売れていません。ですから、是非ともDSFで売ってもらいたいと思います。
私ども経営者の会ですが、リーダーの安武さんが体調や距離の関係で、ちょっと出て来れなかったものですから、今年1年は私の方でやらせて頂きました。テーマは儲ける事の先という事ですから、経営者の皆さんに集まってという事が目的ですが、毎度申し上げております通り、堅苦しい会では無いので、大勢の皆さんに今後も出てもらいたいと思っております。
今年度やった事ですが、1月の富士ゼロックスの鳥海様を講師とした「印刷(DTP)マーケティングを成功させるには」から始まりまして、3月は「持続的成長を目指した人事制度改革」これは、人事制度について富士ゼロックスの岡部様をお迎えして説明を頂きました。それから4月は「私の経営感」ということでデプロの砂川社長にも講演して頂きました。翌月5月は富士フイルムの出石様を交えた「CSR経営と環境問題を考える」、6月には「ネットワーク環境の変化とビジネスを考える」とやってまいりました、先月の9月はたまにはということで、T-CUBE の1 階にフランス料理の美味しいお店がありましたので、下村シェフに懇意頂き、フランス料理を食べながら経営について話しました。
これからも、色々と皆さんと一緒に考えて乗り越えて行きたいと思います。私はこの経営者の会で話を聞くと、会社は儲かると信じておりますので、是非とも大勢の皆さんに参加して頂きたいと思います。
 
みつわ印刷株式会社 代表取締役社長 渡利 孝由氏
熊本コピー株式会社 常務取締役 安武 史朗氏
熊本コピー株式会社
常務取締役 安武 史朗氏
 
 この中で官公庁などのお仕事をなさっている会社さんがいらっしゃいますか? 実はですね、ISO やプライバシーマークの是非の件ですが、今週1週間、霞ヶ関の法務省の民事二局とやりとりをしておりまして、こちらに来る前に連絡があったんですが、官公庁等の公共調達に関して、ISOやプライバシーマークの認証を強制する事は無いという電話がありました。ISO やプライバシーマークは否定するものではないし、経済産業省も推奨しておりますが、ISOやプライバシーマークの取得を入札条件に入れるのは筋が違うという事です。一番明確に出しているのは国土交通省で、平成16年に、ISO適応除外に関する大臣通達というのが明確に出ています。国税庁も去年、 入札条件の中にプライバシーマークが入っていたので、調べたところ除外するという事になりました。昨年も法務局の電子化業務の広告が全国で出ましたが、民事二局に電話で確認をしましたら、2 時間後に広告の取り消しになりまして、ISOとプライバシーマークが入札条件から外された経緯があります。これは何かというと、官公庁の仕事をする人達は、まず契約に関して良く読んでもらいという事と、契約担当官の裁量でISOやプライバシーマークを入札条件に入れる事はできない。という事です。何かの知識として知っておいて頂ければと思います。
 

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社会貢献活動(株式会社東京文久堂 林田桂一氏)
株式会社東京文久堂 代表取締役社長 林田桂一氏 林田桂一氏
株式会社東京文久堂
代表取締役社長 林田桂一氏
 
 今年度も引き続き社会貢献をさせて頂いております。今年の始めまでは漢字の拡大本をふきのとう文庫様に作って頂き、全国の71の特別支援学校(旧・盲学校)にお配りしました。もちろん、非常に喜ばれましたが、他にも何かご要望ございますかとお聞きした所、これに書き順があったら更に良いなということで、今回は書き順も付けました。これをふきのとう文庫様に進言頂いたのは広工の鈴木社長です。
ふきのとう文庫の代表に作って頂けないかと御願いした所、非常に快く「やりましょう」となりました。今日はサンプルで小学 1 年生のだけを持ってきましたが、小学1年生から中学3年生までの9冊はほとんど出来上がっております。今年の2月に配布しましたように、来年も1月か2月を目処に、全国に配布したいと思います。一緒にやって頂ける会社様を引き続き募集しておりますので、私、もしくは事務局の安藤様へ一言声をかけて頂ければと思います。大体、10社〜15社でやれたら良いなと思っておりますので、是非ともご協力をお願い致します。
 

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富士ゼロックスご挨拶(富士ゼロックス株式会社
プロダクションサービス営業本部長 栗原 博氏)
富士ゼロックス株式会社
プロダクションサービス営業本部長 栗原 博氏
富士ゼロックス株式会社
プロダクションサービス営業本部長 栗原 博氏
 
 今年度の全国DSF発表大会お疲れ様でした。ユーメディア様には朝早くから大変協力を頂きまして、ありがとうございます。また、日頃、富士ゼロックスをご支援頂きまして、本当にありがとうございます。今日は2時間という短い時間に中身の濃い発表が5つもございまして、大成功に終わったなと感想を持っております。
私ども富士ゼロックスは 2012 年に50周年を迎えますが、これも、一重に皆様方のご支援のお陰です。一方では昨今の厳しい経済状況の中で、次の50年を生き延びるために、会社そのものを改革しないといけない、変えないといけないという事を、合わせて進めております。全社上げて改革を進めようと考えているわけですが、そ際には 5 つの壁がございます。
1つ目は「認識の壁」です。まだそこまで悪くないだろう。まだ平気だろう。といったものですね。2 つ目は 「判断の壁」 。以前より悪いのは分かったが、でもそんなに酷くはないだろう。まだ余裕があるはずだといったものです。そして次の 3 つ目「納得の壁」にぶち当たります。やらなければいけない事は分かったけれど、それを変えるのは大変だよ。今すぐはできないよ。といった状況です。これを乗り越えて初めて、4つ目の「計画の壁」が出るわけです。計画を超えた先は、一番困難な「継続の壁」があります。結局、 作った計画を継続をしなければ意味も無く、動き始めたら継続的に常にグルグルと回していく ということが必要であります。
今日お集りの皆様も、正に自社の改革ということに取り組んでいらっしゃると思います。私も一緒になって自社の改革を進めていきたい、あるいは、皆さんの改革のお手伝いをしたいと考えております。白橋様の発表にもありましたJDFに関しても、新しい商品を買えば良いじゃないか。という対応ではなく、旧商品についても、少しずつ対応をしていきたいと思いますので、今後とも皆様のご支援を頂戴できればありがたいです。今日は長時間ありがとうございました。
 

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閉会挨拶 (有限会社オンデマンド印刷 専務取締役 生島 裕久氏/株式会社ユーメディア 常務取締役 今野 均氏)
株式会社日本工業社 代表取締役社長 米田 和秀氏
株式会社日本工業社 代表取締役社長 米田 和秀氏  
 本日は、ユーメディア様の工場見学をさせて頂きまして、今野さん、ありがとうございました。あの設備を見たら、 「すごい」という感嘆の一言でございました。社内の壁に貼ってあった言葉も非常に印象的で良かったです。聞く所によると、キックボクサーの社員の方が居て、そのボクサーとしての心得を、うまく社員の心得に置き換えてあるんだそうです。他にも創意工夫している部分が多く、私にとってはそういう事が非常に役に立ちました。
今日は5つの研究会発表を非常に楽しく聞け、 2時間は短く感じました。 もうちょっと長くても良いのかなと思いました。
今、潜在的な鬱が世間では7割を超えているという記事が日経にあったのですが、そういう状況で鬱にならないコツが、「must」 「ではなく「wish」だとありました。できたら良いな、 という考え方ですね。それから、最大限を求める「最善・最高」より「最適」ともありました。正にオンデマンドの世界だと思います。それから、 「人を責めない」 「褒め合う」 「自己啓発」といった事が書いてありました。自分が喜べる事を継続する事が、自己啓発に一番繋がるという事を考えますと、DSFの皆さんは絶対に鬱にならないと思います。鬱になりかけたとしても、内に溜めずに外に出すチャンスがある方ばかりですので、鬱になる人は居ないと思っております。
私は明日、米沢の方に参ります。米沢と言えば上杉鷹山ですが、彼の「なせば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」という、やってみなければ分からない、やる事を1つ1つ続ける事によって、改革と言うのは成り立つという言葉のように、今後とも皆様と1 つ 1つを続けていきたいと思います。
 

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