研究会の活動

DSF 20th Anniversary 第45号DSF 20周年記念 特別講演会 開催 ■2017年9月12日 DSF 2017年 全国発表大会 開催 ■2017年11月10日

DSF 20周年記念 特別講演会【於:ヒルトン東京お台場】

 1997年『オンデマンド印刷で新しいサービスを創造してデジタルの新時代を切り開こう』という呼びかけに賛同いただいた企業様を主体にドキュメント・サービス・フォーラムが発足されました。『オンデマンド時代のデファクトスタンダード作り』をテーマに新しい技術、市場、事業の研究を続けてきました。2017年は発足20年という節目の年であり、その記念事業として2017年9月12日(火)ヒルトン東京お台場に於いて、DSF 20周年記念 特別講演会が開催されました。

 発足当時は『オンデマンド』の市場認知も低く苦労の連続でした。20年の時を経て、時代も市場も環境も大きく変化する中ですが、DSF会員企業の皆様の繁栄を図るという目的は、いまでも脈々と継承されています。また、現在ではその活動も非常に密度の濃い、精度の高い内容となっており、会員間のコミュニケーションも盛んで、絆の強いフォーラムとして発展しています。

 オープニングは「Looking Back Over 20 years of DSF」のmovieでスタートし、懐かしい写真などと共に、会員メンバーの努力、苦労、栄光が詰め込まれた内容で非常に感慨深く始まりました。

 講演会の司会は、富士ゼロックスGCS事業本部 営業推進部 VIP-Gの飯塚さんに立っていただきました。

 冒頭、(株)東京文久堂 DSFの林田会長から創設時のDSFの趣旨のご紹介をいただくとともに、未だ色褪せることのないこの趣旨に沿ってメンバーの相互繁栄を目指して行きましょう。とのご挨拶をいただきました。

続いて、DSF事務局長である富士ゼロックス GCS事業本部 国内営業統括 壇統括長の、次の10年を目指し皆様とともに歩みたいとのご挨拶がありました。
 本来はDSF発足当初から携わっている吉岡七五三さんに壇上に立っていただく予定でしたが、突然の急病により欠席されました。司会より、会員のメンバーへの吉岡七五三さんからの激励のメッセージが読み上げられました。

 特別講演は、『家族企業の真の姿を求めて 一緒に知の冒険に出かけましょう』というテーマで、京都産業大学 経済学部の沈 政郁 准教授をお招きしてご講演いただきました。

【沈先生プロフィール】
1971年 韓国ソウル出身
成均館大学経済学部卒業(韓国)
一橋大学経済学研究科で修士と博士号 (経済学) 取得
2006年~ 一橋大学 経済研究所 研究機関研究員
2010年~2012年 Singapore国立大学 RA of NUS Business School
2013年~ 京都産業大学 経済学部 准教授
※2012年 最優秀論文賞(The Glueck Best Paper Award)受賞、The Academy of Management(経営学の世界最高峰)、2012 Annual Meeting

 講演内容は、家族企業についての歴史、胎動から始まり、データを活用しながらその変遷を話されました。また同時に、このDSFメンバーへも身近な問題として、相続や経営継承についての課題を投げかけられました。日本における家族企業の特徴や時代背景、強み弱みや業績の推移、また養子縁組や婿養子という日本特有の習慣と企業存続の関係など非常に興味深く実感の湧くお話でした。最後に次のStageに向けて、長期的スパンで見たときの企業経営における家族企業と非家族企業の傾向と、人を大事にする大切さを強調して講演を締めくくりました。

 講演後、富士ゼロックス GCS事業本部 事業企画管理部 GCフロンティアGの杉田部長から、DSFへの想いとDSFとは「脈」を感じて未来に向けて関わりたいとのご挨拶に続き、(株)日本工業社 DSFの米田副会長より、閉会のご挨拶をいただきました。

映像を見ながら改めてDSF 20年の歴史を振り返り、DSFに来れば元気になれた、笑顔になれた、DSFとはそんなところだったとの感想と、沈先生の講演内容を受け、事業継承、継続の大切さをこのDSFでも発揮して頑張ってほしいと、若いメンバーに期待を投げかけられました。

 特別講演会終了後は、ウォーターフロントの夕映えを見ながらの懇親会で、会員メンバー各企業とDSFが更に発展していくことを誓い合いました。


懇親会風景

懇親会風景

ウォーターフロントの夕映え

ウォーターフロントの夕映え

全体集合写真

全体集合写真

DSF 2017年全国発表大会【於:お客様価値創造センター】

 今年の活動の総まとめである「2017年DSF全国発表大会」(20周年記念大会)が、11月10日(金)富士ゼロックス(株)「お客様価値創造センター」にて開催されました。 33社58名の出席人数を数え、研究発表会の内容についても活気に満ちており、正に20周年の節目にふさわしい内容となりました。
各分科会ともに進化を続けており、内容濃く質の高い、また真剣な研究活動でありました。

 会に先立ち、中西印刷(株)DSFの中西理事より、DSF 20周年記念誌とメモリアルDVD発刊のご紹介がありました。次の30周年に向けて頑張っていきましょうと添えられました。
(20周年記念誌とメモリアルDVD は各社にお渡ししました)

 今回の司会は富士ゼロックス GCS事業本部の片浦さんと木村さんで、両名ともにはじめてのことで非常に緊張した雰囲気で始まりました。

 開会にあたり(株)東京文久堂 DSFの林田会長より、20年前から取り組んできたオンデマンドですが、今改めて見直して新たなオンデマンドビジネスを研究していく必要があります。市場がすごいスピードで変化していくなかで、情報をどのように伝えていくのかが今後のテーマです。未来を見据えた研究を進めて行きましょう。とご挨拶をいただきました。

 続いて富士ゼロックス GCS事業本部 国内営業統括 統括長 DSFの壇事務局長より、次の時代に向けて皆様とともにスタートしていきたいとのご挨拶のあと、恒例のDSF会員様のプリントボリュームの推移で、対前年モノクロは横ばい、カラーは110%の成長であったとの報告がありました。

 研究会の発表は、リーダーを(株)白橋 丹羽センター長が努める 「ODPグラフィック研究会」からスタートしました。今年のテーマである、人を笑顔にすることのできる提案や商材についての研究発表です。人が笑顔になるときの要素を3つに分けて、そこから4つのアイデアの核を見出しました。1つ目はVR、紙製のゴーグル。設計展開図からSRA3サイズの用紙を用いてPODで作成されたVRゴーグルにスマホをセットして、 (株)日本工業社の米田社長に体験していただきました。2つ目は子供向けメッセージカード。3つ目は3Dの似顔絵バル-ン、 4つ目はオリジナル絵本です。アイデアの核を全て具現化してサンプル作成され、人の心に響くPOD商材として当日も大会会場に花を添えました。

 続いて「営業戦略研究会」から山陽印刷(株)の秋山副社長の発表です。顧客の信頼を得るというメインテーマの中で、今年はそのPDCAを回すためにC(チェック)にフォーカスし、営業の効率化や進め方を研究してきました。具現化するための活用ツールとしてSky Desk CRMを主体に、会員メンバー各社の課題抽出から解決に向かうためのステップと必要観点を顧客管理・行動管理・案件管理にカテゴリー別けして進めました。各KPIを検討しながら、そこで得たデータをどのように戦略に結びつけるかが重要であるとの理解を得ました。今後はより具体的に現場に落としこんでいけるかと、その先の営業活動の効率化、スキルアップに繋げたいと思いますと締められました。

 次は「デジタルマーケティング研究会」です。リーダーの共立速記印刷(株)笹井社長からの発表で、①3年から5年後のドキュメントの未来を検証する ②学ぶべき技術、マーケティングトレンドに触れる ③有効なツールの実験 という3つの取組みテーマを軸に進めてきました。CES(世界家電見本市)レポート報告、技術革新でなくなる仕事の議論、新たな技術、新たなマーケティングツールの学習、AI、ビッグデータ、IoT等の学習、AIを活用した顧客ニーズの解決案の議論やマーケティングプラン等のツール活用の体験等の進捗報告がありました。

今後はAIファーストの世界になっていくというのが結論予測であり、その中でAI直接的ではなくとも、その知識を持って対応していくことで道は開けるのではないかとの結論を導きました。

 休憩を挟み「Free Flow研究会」からの発表です。プレゼンターはリーダーの(有)オンデマンド印刷 生島社長からで、Free Flow Coreのテストトライアルの効果検証についての評価報告をされました。ご参加の会員メンバーが非常に熱心でまじめに取り組んでおられ、有意義で実務的な研究が行われたことと、実際にワークフロー自動化による効果が大幅に出て、成果に結びつくすばらしい活動であったご報告をされました。(株)コームラの柴原様の具体的活動報告に於いてもDTP作業の3~4割の削減効果が見込めるとの内容でした。各社ともに同様の効果検証が成され、継続して進めていく価値があることを強調して終えられました。

 続いて「オンデマンド製本研究会」は(株)明光社 矢野社長から発表いただきました。今年は製本だけから後加工に研究テーマを広げ、工場見学を中心に活動しました。経営者の会と被ることがありましたが、小学館様の出版オンデマンドセンターである昭和図書様の見学、また後加工機のメーカー工場見学(太陽精機様)、パッケージ/ラベル印刷の会社見学(丸信様)などを行なうことで、各社のビジネスの背景や強みを知ることができました。来期は設備・技術カタログ作成により、 DSF各社が繋がることを重視していきたいと述べられました。

 「経営者の会」は(株)東京文久堂の林田社長からの発表です。会社見学会3回、メーカー工場見学1回、勉強会2回(UCDAと補助金/優遇税制)と非常に活発な活動を行いました。今年のテーマである、DSF各メンバーをお互いもっと知るという目的も達せられ、互いの価値を高めるための企業間交流を更に進めて行きたいと話されました。

 今年「社会貢献活動」のリーダーを初めて努められる(株)ユーメディア 今野社長より、全国の盲学校への拡大本寄贈についての発表をいただきました。協力いただいた各社へのお礼とともに、長年続いていることが非常に大切なことであり、社会貢献度の高い活動であることを改めて強調されました。寄贈提供した盲学校様からの喜びのお便りやお礼もたくさん届いており、来期も継続していくことと1社でも多くの参加協力をお願いしたいこと、また次のニーズにも応えて行きたいことを呼びかけられました。

 研究会の発表後、今年で全国展開3年目を迎えた「志プロジェクト」について、富士ゼロックス GCS事業本部の磨田さんより活動報告がありました。12地域17大学での実践となっており、量の拡大は進んでいます。次は質の向上に向けて活動中です。学生と企業のコミュニケーション強化により満足度を上げることが目的です。情報共有会などを通じ、運営に対するお互いの不安感などもシェアしながら成果に結びつく工夫や改善策を継続して進めて行き、学生はもちろん、地域事務局・大学・企業が三方良しとなる活動を目指したいと述べました。

 続いて、急病で静養されていた吉岡七五三様が、ご心配をお掛けしたことへのお詫びと快気報告をされ、DSFへの熱い思いを語られました。

 今回の特別講演は、「富士ゼロックスにおけるイノベーション」~ コミュニケーション ユピキタスから AI、IoTへ ~ と題して、富士ゼロックス 常務執行役員 大西康昭氏よりご講演いただきました。
なぜ富士ゼロックスでAI, IOTなのか?富士ゼロックス が培ってきた技術や研究成果がどのように具体的に活用されているのか?目指してきたものは何か?より良いコミュニケーションを求めて何を研究し、何を具現化して社会に役立ててきたのか?近年のAIやIoTを活用して人を中心としたコミュニケーション構造を如何に構築していくのか?またその必然性を、米ゼロックスを含めた過去の富士ゼロックスのイノベーションの歴史を踏まえたうえで、将来に向かって次のステップについて解説していただきました。

 講演後は “Diversity”“Smart”“Security”のスマイルカーブ実現のプラットフォーム構築のために、富士ゼロックスの新センター構築についての背景と構想の説明をされ、事前内覧会のご紹介をされました。

 富士ゼロックスを代表して麻生執行役員より、DSF 20周年に対するお祝いとお礼、またそれを支えて来られた会員の皆さまへの賞賛の辞を述べられました。時代に呼応して進化していく富士ゼロックスにご期待くださいとご挨拶いただきました。

 会の最後に(株)白橋 DSFの白橋副会長より、1年間の研究会活動の総評をいただきました。20周年と次のStageのスタートに相応しいすばらしい活動と発表でしたという感想をいただき、各メンバーともに、この研究成果を自社に持ち帰り各社の武器として活用してほしい。これが20周年を迎えた我々の新しいデファクトスタンダードになる。と締めくくり閉会となりました。

 懇親会は、横浜みなとみらいを一望できるインターコンチネンタルホテルの「ベイ・ビュー」にて開催されました。司会進行は東洋美術印刷(株)の根本様が担当され、富士ゼロックス 高木 常務執行役員の乾杯でスタートしました。今年の各研究会に対する感想やエピソード他、ご自身にとってのDSFの存在や、役に立っていること、また、これからのDSFをどのように若い力を発揮して進化させていったら良いかなどのお話を自由に語っていただきながら進行は進みました。今年1年の活動を称え合い若い世代のメンバーの意気込みもお聞きしました。盛会のうちに時間は過ぎ、(株)日本工業社 DSFの米田副会長からの今後への更なる期待の言葉で中締めとなり、最後に全体の記念撮影をしてお開きとなりました。

 来年2018年のDSF総会は2月9日(金)横浜みなとみらい「お客様価値創造センター」にて開催されます。多くの会員の皆様のご参加をお待ちしております。

DSF事務局 萬ヶ谷 治


懇親会風景

懇親会場風景
懇親会集合写真

全体集合写真

懇親会集合写真
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