研究会の活動

第48号 2018年  DSF 全国発表大会   開催
  in Minatomirai

第48号「2018年 DSF 全国発表大会 開催 in Minatomirai」

 今年の活動成果を発表する「2018年DSF全国発表大会」が、11月2日(金)ヨコハマグランド インターコンチネンタル ホテルにて会員 32社62名の出席者を得て盛大に開催されました。

 富士ゼロックス GCS事業本部の飯塚さんと、GCS営業部の木村さんの司会により、程よい緊張感のなかにもフレンドリーさが漂う雰囲気のなか、本会の進行が始まりました。また開会の冒頭には、前事務局長であった小林雅春氏にご挨拶いただき、多くの会員の皆様の表情から懐かしさが感じられました。

 開会のご挨拶に登壇した林田桂一DSF会長(㈱東京文久堂 社長)は、先般開催されたCEATEC JAPANとJapan IT Weekの2つの展示会でのテーマや展示内容、そして先進技術を駆使したビジネスモデルの話を引用して「デファクトスタンダード」の優位性について触れられ、「DSFも印刷業界における『デファクトスタンダード』を目指してきた。これからも業界をリーディングしたい。また、次世代の経営者がしっかり引き継いでくれることにも期待している」と力強く述べられました。

 続いて、富士ゼロックスより高木常務が登壇し、「DSFはいつも先進的でユニークなテーマに取り組まれており、弊社もパートナーとしてその進捗に対してどのようにお役立ちできるかを考えたい。より緊密に、そしてスピード感を持って貢献できるよう、本年10月から販売・サポート体制一新しました」と組織変更の狙いについて語られました。

 年々進化を遂げてきたDSFの各分科会による発表は、1年を通して研究された集大成の場であり、その内容はいずれも中身が濃く質も高く、参加者全員による真剣な研究活動であったことが強く伝わるものでした。

 最初に発表した「ODPグラフィック研究会」は、㈱白橋 丹羽クリエイティブセンター長が登壇し、研究テーマ「おもてなし」について話されました。相手が満足した笑顔を見せる、PODでこそ可能な“おもてなし商材”を開発し、各社の特性、強みを訴求する「こんなことできるよBook」の編集に取組みました。会場では“切り絵”や“箸袋”などのサンプルを披露し、また参加者全員に配布された「こんなことできるよBook」は、今後のさらなる活用や展開が期待できるもので、それぞれがじっくりと読む姿が見られました。

 共立速記印刷㈱ 笹井社長が発表した「デジタルマーケティング研究会」は、 ①情報のシャワーを浴び、情報産業・印刷業界の3~5年後に向けたビジョンを創る ②近未来に向けた具体的マーケティング研究を行なう という2つのテーマに取り組みました。富士ゼロックスの共創ラボ、印刷ECサイト、そして米国視察やそのレビューなどに続き、マーケティングオートメーションについても学ぶ機会を持ちました。収集した情報の精度を高め、パートナー企業とともに「Web+紙」を融合した“生きた”有益情報を提供することが重要であると述べられました。

 続いて登壇した山陽印刷㈱ 秋山社長は「営業戦略研究会」の活動について報告。ベーステーマの「顧客の信頼を得る」実現に向け「営業の効率化」と「営業のスキルアップ」について取り組みました。また、外部講師によるレクチャーから、各社課題やボトルネックの把握に努め、その改善策の研究、従来の仕事(Job)にもう一工夫を加えた付加価値を提案に盛り込む手法、そして営業活動計画の見える化などについて事例を交えて学び、今後の実践に向けた落とし込みを行ないました。来期は、異業種の営業スタイルなども取り入れて議論したいと話されました。

 「Free Flow研究会」は、 ㈲オンデマンド印刷 生島社長が登壇。今年度もFree Flow Coreの活用ノウハウを構築してDSF内へ展開すること。また Free Flow Coreを更に優れたソフトウェアへと改善要求をまとめ、富士ゼロックスに提示することを今年の目的として活動してきました。今年も5社がトライアル検証中であり、各社各様のワークフローを構築され、より大きな価値創出へ向けた活動が始まっています。

 今回は㈱弘久社 坂本様より事例発表が行なわれました。「 Free Flow Coreの適応と有効性」について発表された内容は、課題認識・対象Job・効果目標・運用ルールから測定効果を計測されており、いずれも効果目標を上回る結果に繋がりました。また、Free Flow研究会の成果として、研究会メンバー各社から提出された提言、要望をまとめた「提言書」が生島社長より富士ゼロックス 高木常務へ手渡されました。

 経営者の会について発表した㈱明光社 矢野社長は、企業価値のさらなる高みを究める勉強会や企業訪問などについて報告。 東芝未来科学館では“雉”“猿”“犬”を企業戦略に例えた講和、中央精版印刷㈱では少人数による圧倒的生産性とオンデマンドの対極を知ることでの共通部分の気付き、また㈱あけぼの印刷社では経営改革と業界の危機感についての社長講義など、それぞれ非常に中身の濃い内容となりました。印刷を主とした考え方からデータを主とした考え方への変革を実現するため、来期もユニークかつ充実したテーマを抽出したいと述べられました。

 分科会発表の最後は、社会貢献活動について㈱ユーメディア 今野社長が発表。今年は全国68校中60校からの依頼を受け、会員21社の協力を得て全1,434冊を寄贈しました。各視覚支援学校から続々とお礼の便りが届いています。 年々活動の輪が広がる社会貢献活動ですが、この意義のある活動を継続していくためにも、会員の皆様の継続的なご協力をお願いいたします。

 各研究会の発表の後、DSFアドバイザーの吉岡七五三氏が挨拶に立ち、オンデマンドビジネスを日本で立ち上げた当時のエピソードから、今日の発表を聴かれ、その夢が現実となり、しっかり根付いてきたことに感銘したと話されました。今後は、会員同士がさらに切磋琢磨して、一緒に進化していけるようお礼と激励をいただきました。

 今大会の特別講演は、アルパイン㈱  アドバイザー 堀重和氏をお招きし、「EV化に伴う自動車業界100年に一度の大変革」をテーマに講演いただきました。自動車のEV化やAIを駆使した自動運転化が進む中、自動車業界の構造が大きく変わろうとしており、 *ガソリン車からEVへの変化とは何か? *世界的なEV化の変化と中国でのEV化の変化 など、自動車業界をワールドワイドで俯瞰した動きと、講師が携わってこられた製品開発と事業運営についてお話いただきました。  大きな変革期を迎えた事業をどう変化させ、次世代のニーズにこたえていくかというテーマは、会員企業の皆さまにとっても大きな関心事のひとつです。作るものの違いはあるにせよ、ものづくりの観点やビジネスの事業構図の変革について、とても参考になったとの声が多数寄せられました。

 講演終了後、富士ゼロックスより麻生役員が登壇し、オンデマンドの市場をここまで拡大していただけた会員の皆様への感謝、そして富士ゼロックスのPOD事業の状況シェアが行なわれました。また、中間発表会でご来場いただいたFuture Edge(海老名事業所)の現況について触れられ、引き続きパートナーとして一緒に価値創出に努めていきたいとの抱負を語られました。

 閉会の挨拶では、㈱白橋の白橋明夫DSF副会長が登壇。特別講演の内容に触れられ、「我々の業界だけでなくどの業界においても“パラダイムシフトへの挑戦”が行なわれている」との感想を述べるとともに、総評については、各研究会での真剣な取り組みへのねぎらいと、成果が「見える化」の方向に進んでいることへの激励とともに、来期も挑戦し続けましょうとの期待で括られました。

 大会修了後、同ホテルにて懇親会が開催され、司会進行は山陽印刷㈱の倉橋マネージャーに担当いただきスタートしました。 今回は「今年1年で社長にしていただいたことで一番うれしかったことは何ですか? 」をテーマに、メンバーの方々に語っていただき、社長にはその感想を述べていただきました。 盛会の内に夜も更け、中締めのあとに集合写真を撮影してお開きとなりました。

※ 来期のDSF総会は2019年2月22日(金)を予定しております。会員の皆様には多数のご参加をお待ちしております。

DSF事務局 / 萬ヶ谷 治


懇親会場風景

懇親会風景

全体集合写真

全体集合写真

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