研究会の活動

第51号 2019年 DSF 全国発表大会 開催 in GCS Tokyo

第51号 2019年 DSF全国発表大会 開催 in GCS Tokyo

 今年の活動成果を発表する「2019年DSF全国発表大会」が、11月8日(金)東京 六本木の富士ゼロックス グラフィックコミュニケーションサービス東京にて会員24社47名の出席者を得て盛大に開催されました。

 発表大会に先立ち、今回は大田区にある「勝海舟記念館」の見学会を行い、激動の幕末を今の時代に重ねて、偉人の動向に学びました。

開会ご挨拶 白橋会長、司会 千田さん 全国発表大会は厳かな雰囲気のなか、仙台での中間発表会に続き、富士ゼロックスGCS事業本部の千田さんの司会進行で始まりました。

 開会のご挨拶に登壇した白橋明夫DSF会長(㈱白橋 社長)は、午前中の勝海舟記念館見学会に触れ、幕末の激動の時代と今の時代を照らし合わせて、グローバルな世界の中で我々もしっかりとしたスタンスで前進していく必要があること。また、我々DSFを取り巻く環境が大きく動いている。しかしその中で流される事なく、流れを作る努力をする必要がある。と力強く思いを述べられました。

ご挨拶 真茅専務 続いて、富士ゼロックスより真茅専務が登壇し、直前でのメディア発表となった「富士フイルムホールディングスによる富士ゼロックスの100%子会社化」のNewsについて、その詳細を説明しました。オペレーションについては変更無く、皆様にご迷惑をお掛けすることはありませんのでご安心ください。とした上で、業界の速いテンポへの対応のため、富士ゼロックスはより自由に、より柔軟に、スピーディーに経営を進め、技術を開発して行くことに注力いたします。皆様からもご支援を賜りたいと思います。と富士ゼロックスの今後について語られました。

 年々進化を遂げてきたDSFの各分科会による発表は、1年を通して研究された集大成の場であり、その内容はいずれも中身が濃く質も高く、参加者全員による真剣な研究活動であったことが強く伝わるものでした。

FreeFlow研究会 鴻村リーダー、芝原研究員 最初に発表した「FreeFlow研究会」は、リーダーの鴻村DSF理事(㈱コームラ 社長)が登壇し、研究テーマ「Free Flow Coreを使った自動プリントの研究」について話されました。富士ゼロックスに要望した提言内容のフィードバック、また、研究会参加企業5社の企業見学と9社の活用事例の発表を実施し、各社に情報共有できたことを報告されました。続いて、自社での活用事例を㈱コームラの芝原氏より発表され、導入1年目でトータル752時間、2年目でトータル858時間の工数削減ができたことの報告がありました。研究会メンバー12社合わせて5,000時間の工数削減が実現できており、数値的にも研究会としての大きな成果が得られていることに参加者から大きな拍手がありました。

営業戦略(コーチング)研究会 林リーダー、五十嵐先生 続いて「営業戦略(コーチング)研究会」からは、リーダーの林氏(㈱オーディーピーセンター 専務)が発表されました。
テーマは、人材育成、目標達成、お互いのコミュニケーション力向上のために「コーチングを学ぶ」 ことです。目標として、①コミュニケーション・スキルを磨く②マネージャーとしての成長③部下の成功事例をつくる④営業目標の達成を掲げました。
初回に課題抽出を行ったあと、自己診断により自分のタイプを知りました。その上で、相手(部下)とのコミュニケーションを取るスキルを学び、自社に持ち帰り実践しました。学ぶことと実践することの難しさを試行錯誤する中、相手の立場や考えを尊重しながら「聴くこと」のスキルや大切さを経験しました。
少しづつですが、自己意識の変革や相手との距離感、社内の環境が変化してきており、継続していきたいと述べられました。
今回講師をお願いした五十嵐氏(㈱コーチビジネス研究所社長)からは、当初目標に対する評価とコミュニケーションの関係の質を高める上でのコーチングの有効性を語られ、是非社内全体での展開により良い会社づくりに繋げてほしいと抱負を述べられました。

ODPグラフィック研究会 丹羽リーダー  「ODPグラフィック研究会」もリーダーの丹羽氏(㈱白橋 クリエイティブセンター長)から活動成果を熱く語っていただきました。今年のテーマは「来日外国人のお客様に我々の技術を使ってどんなお手伝いができるのか 」です。特にコミュニケーションの取りづらさや多言語表記の少なさを感じているとの声が多い中、ベーステーマの商材開発にどのように繋げていくかの活動を続けました。成功事例先への見学ツアー、アイデア創出の合宿、検証のための実地調査などを実施し、成果として指差し確認シートやマナーイラスト、メニュー、トラベルメモリーノートなど工夫を凝らした成果物作成に至りました。
実際での活用を期待しますと述べられました。

デジタルマーケティング研究会 木全リーダー 次は「デジタルマーケティング研究会」で、発表はリーダーの木全氏(㈱三恵社 常務)が登壇。2つの柱である「情報のシャワーを浴びる」「デジタルマーケティングの実践に向けた事例研究」をテーマに研究を進めた。AWSやチャットボットの勉強会の実施、2019年CES(世界家電見本市)の基調報告やWebサミット2018の情報をシェア。また事例研究として㈱アピックス様の会社見学を通じ、印刷だけでなく川上から受託して行く重要性を再認識したこと。茨城ロボッツ(プロバスケットチーム)でのリピーター獲得のためのマーケティングを学ぶことが出来た。DM大賞を事例とした購買行動分析からのターゲットDMなども勉強し、BtoBだけでなくBtoCやBtoBtoCについても来期は特化した研究をしたいと述べられました

経営者の会 鈴木担当理事 「経営者の会」について発表した鈴木担当理事(㈱広工 社長)は、昨年今年と続く豪雨災害について触れたあと、今年の活動について、コーチングやアンガーマネジメントの勉強会で非常に勉強になったこと、また企業見学で㈱ユーメディア様の地域活性化のための事業コンセプトや㈱ウィンディーネットワーク様の多岐に渡るビジネス展開を拝見して大変感銘を受け、テーマである“お客様のために企業価値の更なる高みを求める活動”に繋がったのではと述べられました。

社会貢献活動 今野担当理事 分科会発表の最後は、社会貢献活動について今野担当理事(㈱ユーメディア 社長)が発表。今年は新たに3社参加頂き24社で取り組むことが出来ました。今年度の活動ポイントは2つあり、1つは文科省が定めている学習指導要領が2020年より改訂となり、各学年で学ぶ漢字が変わるため新たに原稿データを作りました。もう1つのポイントは弱視の方向けの拡大ノートの作成です。実際に視覚支援学校にお伺いし、ノートの必要性を強く感じトライアルで実施しました。拡大本の冊数については昨年より多く、1869冊(拡大本)プラス弱視の方向けノート各10冊ずつで合計2,509冊を24社で分担して生産しましたとのご報告があり、次年度はより多くの会員企業様にご協力頂きたいと述べられました。

講師 一般社団法人 勝芳邦記念海舟協会 池田 志朗 氏 今大会の特別講演は、一般社団法人 勝芳邦記念海舟協会 代表理事 池田志朗氏をお招きし「あれから150年 海舟さんなら如何するだろう?」をテーマに講演いただきました。
午前中の勝海舟記念館見学で見た勝海舟イメージを連想させながらのお話しで、勝海舟直系5代目の勝芳邦氏と池田氏との出会いから、勝芳邦氏の人物像と勝海舟記念館設立に至るまでの経緯を話されました。また、幕末の激動の時代と今の時代が似ている状況であり、勝海舟が時代の流れを常に察知していたことや個々自らの藩のことしか考えないときにオールジャパンで動く発想を持って対峙したことが成功に繋がったのだと語られました。勝芳邦氏は意志半ばで病に倒れられましたが、生前はいつも“海舟さんなら如何しただろうか?”と自問自答されていたとのことです。括りとして、これからの日本がどのようにグローバルの中で対応して行くのかなどを述べられました。

講演風景

講演風景

ご挨拶 青木事務局長 講演終了後、富士ゼロックスより青木事務局長が登壇し、各研究会のご発表を聞かせていただき、DSFメンバーの熱い絆を感じ、研究テーマでの新たな課題も発見されており、研究成果を来年度にも繋げていただければと述べられました。また富士ゼロックスの新たな方向性としてデジタルトランスフォーメーションの実現を話され、DSFの皆様とともに進めていきたいと期待を述べられました。最後にDSF会員全体のプリントボリュームが対前年で114%と感謝を述べられました。DSF事務局の磯さんの紹介で締められました。

総評・閉会ご挨拶 生島副会長 閉会の挨拶では、生島DSF副会長(㈲オンデマンド印刷 社長)より、まず会員メンバーへの1年間の活動に対する労いの言葉を述べられました。その後今日の勝海舟テーマについて触れられ、“幕末の時代同様に、紙への鎖国という時代からデジタルの黒船がやってきました。海舟を見習い。よく勉強して自分たちの持ち味に変えて、社会に貢献するべきと思います”と述べるとともに、総評については“年間活動して、できたこと、できなかったことがあると思います。大切なのは分科会ファーストで今後どうするか、皆さんで考えていただき、自分の意見を持つ事が大切だと思います。自分本位で次の年度に向かって意見していただきたいと思います”と語られました。最後に㈱富士ゼロックスのユーザーの立場として富士フイルムグループへの期待と、既存商品(資産)への手厚いフォローを顧客ファーストの目線で支援いただきたいとの期待で括られました。

懇親会風景

懇親会風景

 大会修了後、ベルサール六本木グランドコンファレンスセンターにて懇親会が開催され、今回もサプライズ指名で司会進行は山陽印刷㈱の倉橋マネージャーにお願いし、富士ゼロックスより木田本部長の乾杯のご発声でスタートしました。
今回は「今年1年で変革できたことは何ですか?」をテーマに、メンバーの方々に語っていただき、社長にはその感想を述べていただきました。
盛会の内に夜も更け、中締めのあとに集合写真を撮影してお開きとなりました。

 

※来期のDSF総会は2020年2月7日(金)を予定しております。会員の皆様には多数のご参加をお待ちしております。

DSF事務局/磯浩一・萬ヶ谷治


 

全体集合写真

全体集合写真

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