研究会の活動

第54号 2020年 DSF全国発表大会 開催 in GCS Tokyo

第54号 2020年 DSF全国発表大会 開催 in GCS Tokyo

去る11月6日(金)、東京 六本木の富士ゼロックス グラフィック コミュニケーション サービス 東京に於いて、「2020年DSF全国発表大会」が開催されました。今年は、2月の総会までは例年通り開催できましたが、コロナ禍の影響によりそれ以降の研究会活動については感染防止対策のため、殆どリモートで開催されてきました。しかしメンバーの積極的参加により、ほぼ予定通り進み、今回の活動成果発表へと繋がりました。

司会 : 飯塚さん・依田さん今大会はリアル+リモートのハイブリッド形式で行われ、会員 17社22名の会場出席と、オンラインで36名の参加を得ての開催となりました。

ソーシャルディスタンスの会場で、全国発表大会は富士ゼロックス GCS事業本部の依田さんと飯塚さんの司会進行で始まりました。

 

開会ご挨拶 白橋会長

開会ご挨拶 白橋会長冒頭、白橋明夫DSF会長(㈱白橋 社長)より、混沌とした変化の時代、厳しいビジネス環境の中ですが、チャレンジ精神を持ち、勇気を持って前進する気持ちが大事です。我々には新しくチャレンジする時期が来ており、時代を切り開く手段としてDSFをその場として活用してほしい。
武田信玄の「一生懸命だと知恵が出る。中途半端だと愚痴が出る。いい加減だと言い訳が出る。」という言葉を引用し、経営者は勇気を出して新しい時代を切り開いていただきたいと開会のご挨拶を述べられました。

 

ご挨拶 真茅専務

ご挨拶 : 真茅専務続いて、富士ゼロックスより真茅専務が登壇し、ニューノーマルとなっても、まだまだやれることや開拓できる市場はたくさんある。足を止めずに邁進して取り組んでいきますと述べ、2021年4月の社名変更と富士フイルムグループシナジーで、よりお客様に最適価値を提供していける体制を説明されました。

各研究会発表内容

DSFの各分科会による活動は、事業拡充のための研究であり、その成果発表は参加者全員による真剣な研究活動であったことが強く伝わるものでした。

 

ODPグラフィック研究会(丹羽リーダー:㈱白橋 クリエイティブセンター長)

ODPグラフィック研究会 丹羽リーダー最初に商材開発をベースとする「ODPグラフィック研究会」からリーダーの丹羽氏(㈱白橋 クリエイティブセンター長)が発表されました。
今年のテーマは「コミュニケーションツール」の研究で、特に医療福祉領域にスポットを当て、どのように困っている人の手助けになるのか、また、そのコミュニケーションツールの売れる仕組みまで考えられました。

・二酸化チタンの光触媒で抗菌・脱臭効果「エアクリーンペーパー」の検証
・「脳トレ付きマスクケース」
・安心して楽しめる折り紙「折りらっ くす」
・マスクケースと指差し会話シートを兼ねた「ケースdeトーク」
・1枚 から注文できるOne to Oneオリジナルの「Myマスクケース」
・「メディカル抗菌紙セット」お薬袋/お薬手帳等
・除菌済み を知らせる「漆喰告知シール」
・「抗菌告知用ポスター」
・「ビジュアル問診票」
等のアイデアサンプルと、その売れる仕組みを検討されました。

ODPグラフィック研究会発表内容

 

デジタルマーケティング研究会(木全リーダー:㈱三恵社 社長)

デジタルマーケティング研究会 木全リーダー次は「デジタルマーケティング研究会」で、発表はリーダーの木全氏(㈱三恵社 社長)が登壇。今年のテーマはBtoCの顧客に向けたデジタルマーケティング技術を学ぶ事とその実践です。
お客様の事を知るための知識と技術を学び、ベンダーへの人脈も広げながら活動を行いました。

① CES(毎年ラスベガ スで開催される世界最大の技術見本市)基調報告
②事前注文システム「COTOL」の紹介
③Googleアナリティクス勉強会
④集客、顧客管理等のWebマーケティングシステム「リザーブス トック」
⑤マーケティングオートメーション「マルケト」の活用事例
⑥会員企業のホームページの仕組みと活用紹介
新型コロナウイルスの問題で働き方も大きく変わり始め、お客様へのアプローチ方法も変わっていく中、今後こうしたツールを通して業務の見直しを進めたいと述べられました。

 

人材(人財)育成研究会(林リーダー:㈱オーディーピーセンター 専務)

人材(人財)育成研究会 林リーダー続いては「人材(人財)育成研究会」で、リーダーの林氏(㈱オーディーピーセンター専務)からの発表です。 今年は昨年学んだコーチングから研究会名を変更して「人材育成研究会」となり「マネージャーを対象とした人材育成」というテーマで取り組まれました。部下の育成、目標やビジョンの設定、現状認識と目標とのギャップ、組織間の調整などマネージメント能力の向上を目標とし、学んだGROWモデルやSMART(Specific〔明確性〕、Measurable〔計量性〕、Assignable〔割当設定〕、Realistic〔実現可能性〕、Time-related〔期限設定〕)を考慮しながらマネージャーに求められることの具現化と組織関係性強化に向けて各社人材育成計画のゴールを決め、実行シナリオを作成されました。
2年スパンでの活動計画で、来年はシナリオを基に実践していく予定です。リモートなど仕事の仕方が変わってきている中で、人材育成がどうあるべきか。私は自立型の人材育成がもっと大事になっていくと思っています。と発表されました。

 

人材(人財)育成 研究会(稲葉コーチ:㈱コーポレートウェルネス 社長)

人材(人財)育成研究会 稲葉コーチ(講師)続いてこの「人材(人財)育成研究会」のコーチ(講師)を1年間努めていただいた稲葉氏(㈱コーポレートウェルネス社長)にご挨拶いただきました。
当初より、何を学ぶかというよりも、各社、各人の現状を把握し、問題が「見える、気づく、変わる」事を目標に進めました。各社課題は違えども共通している点は“人の成長と組織の成長”です。人が成長しないと組織も成長しないという時代になっています。また、マネージャーが変われば部下も変わる。もう一つ、“認識”を変えてネガティブからポジティブへの発想が大切です。2年目で変わるために引き続き一緒に進めて行きましょう。とコメントされました。

 

>ワークフロー研究会(林田リーダー:㈱東京文久堂 常)

ワークフロー研究会 林田リーダー次に発表された「ワークフロー研究会」は、リーダーの林田氏(㈱東京文久堂 常務)からで、今期ビジョンとして「印刷にかかるあらゆる自動化についてのエバンジェリスト集団を目指す」。また活動方針として「アウトプットにこだわり、参加者に価値提供すること」を掲げました。テーマは2つ、「Free Flow Coreのさらなる活用へ向けた研究」「その他の自動化ツールの研究」です。

〔 Free Flow Core深掘り研究 〕
①未使用(活用頻度の低い)プリセットの試用、研究…5/8個の調査
②MAX機能活用での実業務への取り込み…テストフローまで構築
③卓上カレンダーケース名入れ業務へのFFC活用…作業時間削減率▲67%
④MISとの連携/xmf活用の自動ルール…連携検証中/自動フロー作成
⑤B2判ラベルを利用した宛名データ作成…完成
⑥MAX機能活用 による作業改善…データ抽出・転送で110分→5分への改善

〔 その他の自動化ツールの研究 〕
⑦スキャンデータの文字取得/PDFの自動作成…目標達成。RPAではまだ。
⑧検査装置の選定/導入による自動化…導入予定も自動化には至らず
⑨XMFとの連携による自動化…連携未達
⑩Uipathによる受注処理業務の自動化検証…受注処理業務の自動化達成
など、各社の成果を発表され、アウトプットに拘り、参加者に価値提供することはできたが、研究会としてのまとまりに欠けたことを反省材料とされました。今後、マクロ知識の強化と増刷案件の社内実現に向けた取り組みを行っていきたいと述べられました。

 

経営者の会(鈴木担当理事:㈱広工 社長)

経営者の会 鈴木担当理事「経営者の会」は、広島よりオンラインで参加された担当理事の鈴木氏(㈱広工 社長)からの発表となりました。
withコロナの中、東京と地方の温度差を痛感した。また人が動かないとビジネス、お金、仕事も動かないと実感しました。新型コロナの落ち着いた後、どうあるべきかをポジティブに考える事が重要です。今後もオンとオフのハイブリッ ドの会合が主流となると思うが、経営者同士の「密」な情報交換は必須だと思います。と述べられました。

 

社会貢献活動(今野担当理事事:㈱ユーメディア 社長)

社会貢献活動 今野担当理事分科会発表の最後は、社会貢献活動について今野担当理事( ㈱ユーメディア 社長) が発表。今年は会員内19社の協力を得て取り組むことが出来ました。今年はこういう状況下で活動を進めるべきかの議論がありましたが、理事会に於いても“こんな時期だからこそやるべきだ”との前向きな意見でまとまり、活動を継続する事が決まりました。ただ、各社負担軽減の観点より冊数制限を設け、合計1,004冊、1社あたり約50冊程度に抑えることができました。ニーズにマッチした社会貢献活動を続けるには、新規会員企業様の参画が今後も必要なため、会員への協力を仰ぎました。

 

特別講演 木田執行役員

特別講演 木田執行役員今回の特別講演は、富士ゼロックス 執行役員の木田氏より「半歩先のDX」というテーマでお話しいただきました。
DX(デジタルトランスフォーメーション)は、実はわれわれデジタル印刷機を 作っていたメーカーはずっと言い続けてきた。ペーパーレスは進むが、いきなり 紙からデジタルは難しいため、半歩先を考えるのが良い。半歩先で一つづつシンプルに価値を上げていくことで、積み重なれば大きなDXの実現に繋がってきます。たとえば、東京都墨田区に於いてキャッシュレスで30%戻ってくるキャンペーンを知ったのは、(Webでなく) 紙のチラシだった。紙だから気づくこのような利便性は多くある。また、オフィスのデジタル化はほぼ100%だが、印刷領域ではまだ僅か3%のデジタル化であり、まだまだ市場は膨大に残っています。厳しい状況ですが、新型コロナウ イルスは、デジタルに追い風なのは間違いない。と括られました。

 

ご挨拶 青木事務局長

ご挨拶 青木事務局長講演終了後、富士ゼロックスより青木事務局長が登壇し、今年のDSF活動運営について、 4月以降リモートでの会のセッティングに苦労したことや、リモートは参加しやすい反面、緊張感を維持していく事が難しかったとの感想を述べました。来年4月1日に社名が変更になることに触れ、大きな変化ではありますが、この変化をチャンスと捉えて足を止めずに活動していきたいと抱負を述べました。

 

総評・閉会ご挨拶(生島副会長:㈱オンデマンド 社長)

総評・閉会ご挨拶 生島副会長閉会の挨拶では、生島DSF副会長(㈱オンデマンド 社長)より、まず会員メンバーへの1年間の活動に対する労いの言葉を述べられると共に、各社会社の収益を先行させなければならない中でも、分科会に若い実行部隊を出していただいた経営者の皆様への感謝を述べられました。
地方では働き方が劇的に変化していること、またそれにより効率価値が上がっていることなど働き方の構造が変わっていることに触れ、ペーパープリントだけでのビジネスは難しい時代となっている。答えは見つかっていないが、メスを入れる必要があると話されました。来年度のDSFのあり方も考える必要があり、環境が変化しても役立つDSFを作り上げるべきだと述べられました。最後に今年DSFのメンバーから若い社長がたくさん生まれたことにエールを送られ、最後のご挨拶を括られました。

会場の模様

今年はコロナウィルス感染抑制のため、懇親会は中止となりました。
※ 来期のDSF総会は2021年2月10日(水)を予定しております。会員の皆様には多数のご参加をお待ちしております。
早期にコロナが収束することを祈念いたします。

DSF事務局 / 萬ヶ谷 治・磯 浩一

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