研究会の活動

第60号 2022年 DSF全国発表大会 開催

第60号 2022年 DSF全国発表大会 開催

会場風景 2022年11月11日(金)『2022年 DSF全国発表大会』が、33名のリアル参加会員と多数のリモート参加を得て、初めての豊洲会場に於いてHybrid形式にて開催されました。
 今年も振り返るといろいろなことがありましたが、人災、天災含めて環境が劇的に変化して、世界中でSDGsが叫ばれる中、次の世代につなげていくために「未来志向」で今できることを一人ひとり着実に進めていくことが大事だと思います。各ビジネス研究会では、まさに今抱えている課題の解決に向けて、メンバーの皆さんが真剣に取り組まれました。

 司会:渡辺 麻希さん 感染抑制体制の会場で、富士フイルムビジネスイノベーションジャパン GC営業統括部の渡辺麻希さんの司会進行で始まりました。

 

白橋会長 開会のご挨拶

白橋会長 冒頭、白橋明夫DSF会長(株式会社白橋 社長)より、3年ぶりの開催であることと、世界中がネオコロナに向けて歩みだしていることを伝えられ、またIGASへの出展内容に対する期待をいただきました。
7月には札幌のアルファビジネス様で大変勉強になったこと、お世話になったお礼を述べられ、これから研究会で1年間素晴らしい活動を続けられた発表を聴かせていただくが、皆様にはこの活動成果を各社に持ち帰り、それを力として新しいイノベーションを起こしていただきたいとご挨拶されました。


木田執行役員 ご挨拶

木田 執行役員 続いて、富士フイルムビジネスイノベーションより木田役員が登壇し、DSFの研究発表への期待を話されたあと、時代がウィズコロナとして戦っていくフェーズとになり、その中で新たに生まれた需要をいかに取り込むかが重要であること、また円安と物価高など経済環境もコロナに加えて急激に変化しており、いかに付加価値を上げるかが勝負になると思うと述べ、皆様と一緒にvalueを高める活動を推進したいと思います。IGASではスマートファクトリーをメインコンセプトとして、その一デバイスとしてドライトナーのオンデマンド機の発表もさせていただきますと話されました。

 

各研究会の発表内容

 その後各研究会の発表に移りました。各研究会ともに新たなビジネスチャンスを見出すために真剣に取り組み、実践に繋がる活動をされていることが伝わる発表となりました。

 

デジタルマーケティング研究会
リーダー:ヤマゼンコミュニケイションズ株式会社 山本社長

デジタルマーケティング研究会 山本リーダー 活動指針は売上に直結するマーケティングで、目指すべきゴールはマーケティングを使った具体的なアプローチや顧客との情報共有方法の確立と共同研究で、非常にうまくいきました。
昨年からのMAを中心にトライアンドエラーを進めて情報共有していくことで、理解度・精度が高くなってきています。数社の実践推移資料を説明されました。また都度各社課題が出てきますが、それも情報共有しながら進めることで理解を深めました。KairosⅢやKintoneなどツールの使い方に加え、情報のシャワーを浴びようということでNFT、メタバースなどを実際に活用している大学生から学ばせていただきました。
来期に向けては、今までの活動をさらに生かすために、継続実践を行い経験値を高めたいことと、デジタル市場の研究も行い、マーケティングという枠の中で情報共有をさらに進めたいこと。またNFT、メタバースとデジタルプリントの親和性を深く追求したいと思いますと述べられました。
デジタルのベースを知り、実践し、そして計測して次に生かす、このサイクルを作り、マーケティングのベーシックな部分を深掘りしていきたいと思います。と発表されました。

 

人材(人財)育成研究会
リーダー:株式会社オーディーピーセンター 林社長

人材(人財)育成研究会 林リーダー 今年は「評価を人財育成にどう繋げるか」をテーマとして、1.評価に対する考え方を確立する 2.評価が何に活かせるか 3.経営目標にどのように寄与できるか 4.評価に対する取組み計画の作成 5.人材育成に於いて評価がどのように生かせるかをゴールとして活動を進めました。また、最終回には各社経営TOPにもご参加いただき、取組み計画についてシェアいただきました。各メンバーへの評価に対するアンケート調査の実施により、人事評価についての現状が見え、見直す必然性の認識を全員が持ちました。しかし、具体的な評価基準、職種の違いによるバランス、評価者のスキル、昇進昇格とのリンクがない、数値化できない、フィードバックがない等々課題が山積しておりました。そこで、講師より評価の基礎を学び、考え方を整理した上で、目指したい姿をイメージして具体的取り組み計画に落とし込みました。人事評価は難しいですが、コミニュケーションと相互理解、目標設定とフィードバックなど、各メンバーの施策実践により、モチベーション向上で成果に結びつくことを期待しますと発表を締められました。

株式会社コーポレートウェルネス 稲葉社長(コーチ) その後、コーチの稲葉氏から、今年はメンバーご自身で調べて、考えて発表いただき、それに対しコーチからレクチャーを行なうスタイルを取りました。その中で色々な気づきもあり成果があったと思います。今後もレクチャーではなく、テーマを決めて自ら調べ、考え行動する形を継続し、それをサポートするコーチとして進めたいとご挨拶されました。


DX研究会
リーダー:河北印刷株式会社 中條社長

DX研究会 中條リーダー 今年からDX研究会としてスタートし、デジタルトランスフォーメーション実現に向けて挑戦しています。具体的には、次世代のワークフロー構築を踏まえて、変革を進めることで生産性の向上やヒューマンエラーの抑制、業務の標準化する事を最終的なゴールとします。また、経営者的には生産性も向上して利益の上がる「儲かる仕組み」を考えていると思います。現場の方々は業務が煩雑で残業も多いことをDXで改善することが目的の一つになります。そのような課題を解決するための一つのツールとして、富士フイルムビジネスイノベーションの次世代ワークフロー「Production Cockpit」を題材として、各社のワークフロー全体の見直しと課題の抽出を行いました。また、もう少しライトで汎用性を求めてサイボウズ社の「Kintone」もご説明いただきました。各社、現状ワークフローの棚卸と課題抽出のステップまで進んでおり、その共有ができたことと、新たな気づきが生まれたことが今期の成果だと思います。対策を実践されているところもあります。来期は各社課題への取り組み継続と共有化、そしてProduction Cockpitのトライアルを実施したい。また、工場見学を実現し、各メンバーのモチベーション向上に繋げたいと発表されました。

 

ODPグラフィック研究会
リーダー:東洋美術印刷株式会社 根本次長

ODPグラフィック研究会 根本リーダー

 テーマはデジタル活用とマテリアル創出によるバリアブル事例の創出。宛名印字とかバーコード、QRコードなど色々ありチャンスと捉えています。時代とともにコロナ渦も起因して価値観が変わってきています。目的と感じる価値観について敏感に反応する必要があります。
環境の変化や人々の行動の変化を確実に捉えて、デジタルを駆使してマーケティングを推進することで顧客化に繋げ、その後も常連顧客化を継続するためにQRコードやODPの出現するポイントはいたるところにあるはずです。成果物にフォーカスし過ぎずにODPが果たす役割や顧客の価値観に視点を置いて、柔軟な発想でお客様の成功に繋がる支援が大切だと思います。と述べ、その後メンバー各社の事例を紹介されました。来期の展望として、様々なテクノロジーを駆使してODPの立ち位置を認識し、ビジネス志向やアート志向をも取り入れながら顧客価値・顧客の成功に繋げたいと括られました。

 

経営者の会
担当理事:株式会社オンデマンド 生島社長

経営者の会 生島担当理事

 経営者の会からは、コロナ禍の中ではありましたが、無事「リアル」に会を進めることができたことを報告されました。2月はコロナへの各社取り組み状況と改善討議、4月は「採用面接を変える」というテーマでの講演、またリアルで久しぶりの新年会の実施に続き、7月の中間発表会時には札幌のアルファビジネス様の見学を実現できました。
非常に参考になる工場見学と海野社長の会社紹介を聴かせていただきました。仕事の取引は「満足と満足の交換」という良い言葉もいただきました。本日の講演は未来に繋がる先見性の高いお話です。講演内容を期待してくださいと述べられ、会の発表を締められました。

 

社会貢献活動
担当理事:株式会社ユーメディア 今野社長

社会貢献活動 今野担当理事

 今年度も新たに2社の参加を得て、20社の参加協力をいただくことができたお礼を述べられました。また製本設備が無い高崎共同計算センター様のご参加もいただき、製本はDSFのメンバー企業である明光社様にご協力いただき、製本の部分を担っていただくことができました。積極的なご参加意志には本当にありがとうございます。
寄贈冊数ですが、ご希望いただいた数は、合計797冊となりました。
非常に長い年月継続している社会貢献活動の事業であり、全国の盲学校・視覚支援学校の皆様からの期待も大きいのでニーズは引き続きあると判断して2023年度も実施する方向で理事会でも決議しております。
丁寧な対応を継続しつつ、主旨をご理解いただき1社でも多くの会員企業様にご協力賜れれば幸いです。DSFの組織活動として皆で盛り上げてこの活動を継続したいと思います。2023年度もよろしくお願いいたします。と括られました。


特別講演
株式会社SUKIMOTO 代表取締役社長 鋤本浩一 氏

一般社団法人MASC 事務局 株式会社SUKIMOTO 代表取締役社長 鋤本 浩一 氏 各ビジネス研究会の活動成果発表後、今回の特別講演として、一般社団法人MASC(マスク)の事務局で、株式会社SUKIMOTO 代表取締役社長 鋤本浩一 氏より「空飛ぶクルマビジネスの可能性」についてご講演いただきたました。
未来志向の観点で、しかし近未来に現実となってくる移動・輸送手段の変革に向けて、ビジネス市場の拡大も交えてデバイスの最新情報のみならず、様々な業界での取り組み進捗をご説明いただきました。
地域社会や産官学連携も非常に重要で、緊急医療(ドクターヘリ的)、災害対応(消火含む)や輸送においてもモノの輸送だけでなく、タクシー的な活用も目的として進んでいます。すでにテスト飛行も実施されており、直近では2025年の大阪万博でのヒトを乗せた実飛行に向けて、開発・準備が進められています。
また、ビジネスの視点としては離発着場、電源装置、ネットワーク環境、管理システム、機体の製造、バッテリー、モーターの供給、運行支援システム、気象システム、保険、メンテナンス、現状移動手段との連携など様々な分野での拡大が期待できます。もうすぐ現実となる空飛ぶクルマは地域を元気にする起爆剤になると思います。と括られました。

《動画URL》
・MASC HP
https://masc-jp.com/
・広島・大分・兵庫・香川テスト飛行
https://www.ehang.com/video/show/454.html
・ユースケース:観光
https://www.ehang.com/video/show/384.html
・ユースケース:緊急医療
https://www.ehang.com/video/show/326.html
・ユースケース:エンターテイメント
https://www.ehang.com/video/show/386.html
・離発着場
https://youtu.be/JDZUhHvo4bg

 

ご挨拶 青木事務局長

青木事務局長  講演終了後、DSF事務局長の富士フイルムビジネスイノベーションジャパン GC営業統括部 青木統括長より、初めての豊洲開催にご参加いただいたことのお礼と、講演について映画バックトゥーザフューチャーと重ね合わせ、空飛ぶタクシーに乗る時代に夢を感じていますと話されました。研究会の発表については、各テーマが深掘りされていると感じ、各会社様の実践事例を含めて具体的な内容もあり今後さらに発展すると期待しております。と述べられたあと、IGAS開催への出展のご案内とDSF25周年の節目で今後も期待しておりますとご挨拶されました。


閉会のご挨拶 生島副会長

生島副会長 最後のパートとして、DSF副会長の株式会社オンデマンド 生島社長より閉会のご挨拶をいただきました。
ご講演いただいた鋤本社長へのお礼、自身の年齢だとマジンガーZを連想しますとのお話と、早く実用化されることを期待しますと話された後、今年の活動を振り返りました。富士フイルムグループの再編、コロナ禍によるビジネス構造の変化など、近年のDSFを取り巻く環境の大きな変化がありましたが、DSFの各研究会はその変化に柔軟に対応して、時代に則した研究テーマに変えてきています。今まさに課題としていることを取り上げ、実践に繋げられています。
DSFに来れば何かヒントになり、満足度を上げたり価値を高めることに繋がると考えています。今後もテーマを広げてDSFの満足度を高めていけたらと思っております。来年も皆様よろしくお願いいたしますと括られ閉会のご挨拶とされました。

《全体集合写真》
《全体集合写真》

 ご参加いただいた皆様、関係各位の皆様のご協力により全国発表大会を無事終了できましたことに事務局より感謝いたします。
次回は2023年1月27日(金)に2023年総会を予定しておりますので、多くの会員の皆様のご参加をお待ちしております。

ドキュメントサービスフォーラム事務局
萬ヶ谷 治

 

懇親会

 懇親会は築地のレストランで行われました。天候も良く47Fテラスからの夜景を堪能しながらスタートしました。司会進行は恒例の当日指名で株式会社白橋の白橋昌磨取締役にお願いし、東洋美術印刷株式会社の山本社長に乾杯のご発声をお願いしました。歓談が進む中、今回は未来志向として「ご自身が夢見ていたことや、未来の子供たちに向けて、何を残してあげられるのか」について、皆さんに話していただきました。途中に今日の講演での空飛ぶクルマの動画も投影し、株式会社コームラ 鴻村社長の中締めで、来期また頑張ることを誓い合い、記念の集合写真を撮影したあとお開きとなりました。

《夜景》
《夜景》
《懇親会司会の白橋昌磨氏と懇親会風景》
《懇親会司会の白橋昌磨氏と懇親会風景》
《懇親会集合写真》
《懇親会集合写真》
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