2024年11月15日(金)『2024年 DSF全国発表大会』が豊洲会場に於いてHybrid形式にて開催され、62名のリアル参加と27名のリモートでの参加を得て、今年1年の研究活動成果の発表を行いました 。
今年は例年の活動をさらに超え、市場の激しい変化にもリーディングした内容で、実りある研究会活動であり、各研究会ともに誰一人置き去りにすることなく責任感とやる気をもって『団結』でき、素晴らしいパワーを感じました。
午前中行われた理事会において、来年(2025年)のスケジュールが決まりました。
【来年(2025年)のスケジュール】
*DSF新年会: | 2025年2月27日(木)18:00頃より(東京 銀座) |
*DSF理事会①: | 2025年2月28日(金)9:30~(横浜みなとみらい) |
*DSF総会: | 2025年2月28日(金)(横浜みなとみらい) 11:00~FLOOP見学(3F) 13:30~総会 (4F) |
*DSF中間発表会: | 2025年7月4・5日(金・土) (石川県金沢市開催) |
*DSF理事会②: | 2025年11月14日(金)AM(会場未定) |
*DSF全国発表大会: | 2025年11月14日(金)PM(会場未定) |
「AI」一色と言っても過言ではない昨今ですが、どんどん進化が進んだ1年であり、 様々な分野での活用も進んでいます。業務にうまく活用して更に前進できることを期 待しています。
【全国発表大会】
発表大会は、今回も富士フイルムビジネスイノベーションジャパン GC営業統括部の不破晶子さんの司会進行で始まりました。
■DSF会長 ご挨拶
●株式会社 ユーメディア 今野 均 社長
地元の工業組合と行政との交渉のお話を事例に、従来の取り決めやしきたりに固執されずに、世の中変化したことに対してアップデートしていくことが大事ですと話されました
本質的に変わらないことや大切なことと、時流や変化に応じて変えていくべきことの両輪が非常に大切ですと語られ、DSFの活動の中でも一人一人がそんな観点で進めてほしいと述べられました。
■富士フイルムBI ご挨拶
●富士フイルムBI GC事業本部 木田 裕士 取締役
富士フイルムビジネスイノベーションから木田取締役が登壇し、海外からのお客様との
ミーティングで今日の発表大会のお話となり、このDSFの活動に非常に感銘を受けられたとの報告があり、海外から見てもとても価値ある活動なのだと思いました。一方、今回のアメリカ大統領選に鑑み、ワールドワイドで起きる変化やダンピング、関税のリスク等も
現実味を帯びてくる中、我々業界も進化して変化に対応する取り組みが重要なので
一緒にバリューを創っていきましょうと述べられました。
その後各研究会の発表に移りました。各研究会ともに世の中の変化に対峙し、 今何をすべきかを明確に察知して精度の高い研究活動の発表となりました。
各研究会の発表内容
【デジタルマーケティング研究会】
●リーダー:ヤマゼンコミュニケイションズ株式会社 山本 堅嗣宣 社長
目指すべきゴールは「デジタルマーケティングの利活用」導入→実践→実績へどんなふうに我々のドメインであるプリントビジネスに繋げていくのかを指針に、そのためのツールとしてCRM、SFA、MAやAIなどの研究や実践を事例を交えて進められました。QUEAR、CES2024報告、MA活動報告、GA4勉強会などの前半の活動報告に続き、最新のサービスや技術に触れるという観点で、NFTやメタバースとデジタルプリントの親和性を探り、アニメベンダーとのワーキングのもとVRフォトブックなどメタバース空間からリアルプリントニーズの新たなビジネスチャンスを模索しました。また他の研究会とのコラボ企画で、「生成AIをビジネスに取り入れる方法」というテーマで講演を行い、最後はふるさと納税をターゲットにしたマーケティングプラットフォームの事例紹介を行いました。それにより如何に正確なリストを持てるかと如何に活用できるかが今後のマーケティングの大きなポイントになります。
来期については、従来のMAの実践含めてやってきたことは継続しつつ、デジタルサービスについて研究と実践を重ねたい。日々進化していく「AI」やSNS、NFCなどの研究を重ね、学び、実践していきたいと発表されました。
【人財育成研究会】
●リーダー:株式会社オーディーピーセンター 林 譲治 社長
冒頭、非常に良い、気づきのある研究会なので、来年はもう少し参加していただきたいとの参加依頼から始まりました。メインテーマは「管理職としてのリーダシップ育成」で、前半はリーダシップスタイルとは何か、アカウンタビリティで主体的に動く重要性、またアサーティブコミュニケーションとは?の3つの基本項目を稲葉コーチからのレクチャーを中心に、セルチェックを行いながら進めました。目指すゴールは、リーダーシップの基本的考え方と自身のスタイルを知り、共に気づき、変わるきっかけとなることです。後半はアサーティブコミュニケーションとポジティブな視点で、率直、対等、誠実、自己責任の軸を持って、自分の意見や権利を尊重しつつ他者の意見や権利も尊重することを学び、自身の立場として考え、明確化し、最終回として各社経営TOPにコミットしました。学習や実践結果として、自己分析を深める中でリーダーシップのあり方を見つめ直し、課題や改善点に気づくことができたこと。またコミュニケーションの重要性という点では、1on1ミーティングをはじめとしてメンバーとの信頼関係構築やチーム全体の目標達成を目指し、メンバーの成長、自身の成長に寄与できること。最後にメンバーからのアンケートとして、自他共に双方の評価のもと、自己を知り、どう対応するかが必要だと思いました。と発表されました
【DX研究会】
●リーダー:株式会社オーディーピーセンター 林 敬太 会長
活動テーマは、生産領域のDXを実現し、より生産性の高いワークフローを構築することで、具体的には業務の見える化や効率化、ヒューマンエラーの抑制などを最新のAI、RPA、DXの最新技術を活用して推進していく活動を進めました。
《活動履歴》
1.Japan IT Week 展示会の見学で、最新のDX、AIの新しいサービスの知見を深めました
2.3. 各社様の課題、取り組み状況についての進捗発表
4. Kintone MISの導入による成果共有(中西印刷様会社見学)
5.講演「生成AIをビジネスに取り入れる方法」(他の研究会とのコラボ企画)
6. DXの現状と取組状況についての紹介(オーディーピーセンター様会社見学)
7.各社の今期取組み成果の発表と情報共有
各社課題に対し、様々な自動化ツールを駆使され、またAIの活用も進められ、生産性向上に努められています。 生産領域だけではなく、他の部門との連携や受託した業務の遂行にも活用されたという印象があります。具体的にKintone MISの導入のご苦労や活動事例について、中西印刷様よりご紹介いただきます。
●中西明日輝様(中西印刷株式会社)
Kintone MISは、すべてがノーコードで汎用度の高い生産管理システムです。 生産工程での紙やExcel等での情報伝達から、タイムリー情報の一元化や見やすさ、見える化による生産性向上を目指しました。導入までの苦労は最終目的の現場サイドとのベクトル共有です。新規システムは既存業務運用とのGAPがあり、敬遠されるのが常ですが、課題の整理と効果予測の理解、運用について現業への歩み寄りを根気よく行い、また他プログラムとのプラグイン等で運用GAPを最小限にして実現できます。各社業務フローの棚卸と課題抽出、効果予測とカスタマイズが重要だと感じました。と述べられました
●林 敬太 会長
富士フイルムBI様ではKintone MIS含め、XMF Press Readyやその連携も進められておりますが、既存活用の自動化ソフトFree Flow
Coreからの移行サポートについては期待しており、進めてくれるものと信頼しています。
今期のまとめとして、各業界ともに、DXがかなり進んだ印象ですが、DXは目的ではなく手段。また人と人とのコミュニケーションや愛着信、信頼感はデジタル化できません。人が携わるところとデジタル化で自動化するところの融合が大切だと思います。と述べられました。
【ODPグラフィック研究会】
●リーダー:東洋美術印刷株式会社 根本 一朗 次長
この研究会を通じ、デファクトスタンダードを作るというDSFの重みをしっかりと感じ、次に繋げていきたいと思います。という力強いメッセージから始まりました。今期のテーマは、POD印刷機の技術本を創ること。また売れる商材、しくみづくりを研究することです。初回のテーマに対する概要再確認とアイデア出しに続き、名古屋の三恵社様に伺い、絵本ビジネスの概要や製作工程を見学させていただき、新たな発想の経験となりました。各社からの事例サンプルの紹介等では今年は「ピカピカ」が一つのキーワードとなりました。クリエイティブ視点と営業系視点で表現する色だけでなくマテリアル素材にも発想を広げ、製作表現できるモノ・技術と求めるValue(価値)の可能性を追求しました。
技術本については、最終成果物のイメージや製作工程が今までなかなか営業やデザイナー、お客様にも伝えられていなかった現状があります。この課題を解消するためにも技術本が必要です。具体的には、1.データの作り方 2.用紙一覧(マテリアル)3.後加工 4.事例集
の4つの項目に分類し、構成・製作を進めました。金・銀・白・ピンク含めた特色が活用できる環境となった中で、成果物表現の幅や製作技術や理屈の理解を深めることでビジネス提案の領域を広げるためにも全社単位でどんどん活用してほしいと思います。今期はプロダクトに比重を置いて技術本を作らせていただきましたが、お客様が求める「目的・価値」に視点を置いたモノづくり、クリエイティブ・オンデマンド・プリントも非常に重要だと感じました。今後も継続してブラッシュアップしていきますが、自社の技術やアイデアを詰め込んで活用いただければと思います。と括られました。
【経営者の会】
●担当理事:株式会社明光社 矢野 剛 社長
テーマとして、実務と言う視点ではなく、大きな潮流を感じながら経営の方向性に活かす会とし、また経営者に向けた有益な話を提供すること。
- 新年会(1月)
- 会社見学会・意見交換会
(7月:中間発表会時、今治の第一印刷様見学) - 異業種マーケティング勉強会
(7月:北海道エスコンフィールド見学とボールパークプロジェクトの講話) - コラボセミナー 「生成AIをビジネスに取り入れる方法」
(9月:他の研究会とのコラボ企画)
今まさに「大きな潮流」パラダイムシフトが加速しています。デジタル技術の発達やインターネットの普及、コロナウイルス感染症の流行、AI、トランプ大統領など要因は様々考えられます。スマートホンの登場やキャッシュレス化、所有から共有への行動変化や、社員の仕事に対する意識、働き方の変化などパラダイムシフトの例としても「変化」が旺盛です。この変化に如何に対応していくか?来期は最新技術の導入による業務の効率化やサブスクリクションモデルの導入、働き方の多様化などを皆さんと一緒に勉強していきたいと思っています。このパラダイムシフトの渦中で変えてはいけないもの、そして変えなければならないものを見極めて経営し、それぞれの会社が持続的に成長可能な事業領域を探し当てなければならない時代だと思います。経営者の会を通じそれぞれの会社のドメインを見つけ、バリューを高められたら良いと考えております。パラダイムシフトの先にはきっと 「バラダイス」 があると思います。と語られました。
【社会貢献活動】
●担当理事:株式会社オンデマンド 生島 裕久 社長
社会貢献活動担当として、非常に多くの会社様が力を合わせ、価値の高い活動と再認識し、ご協力いただいた企業様には大変感謝申し上げます。 今年も会員21社様で活動いたしました。全国で66校の盲学校の内、52校からのご要望を頂き、強いニーズあることが理解できます。学校ごとに使われ方はまちまちで、一定量の要求が毎年続くと想定されます。供給に関しては製作総数811冊、1社様あたり平均38.6冊でした。今年からデータの供給をストレージからの提供とし、また、世界の国旗本については情報アップデートの上、改訂を実施しました。 製作発送割り振りは極力地元優先としておりますが、リスエストがあればそれに沿う形で進めたいと思います。来期も是非よろしくお願いいたします。とご報告されました。
各分科会からの発表はこれで終了しましたが、活動のプロセス、成果ともに皆さんが 「自分事」 の意識を高く持ち、必ず明日の成果にも繋がるすばらしい活動だと感じました。
【富士フイルムBIジャパンよりサービスのご紹介】
各ビジネス研究会の活動成果発表後、今回はDSF会員の皆様に向けた富士フイルムBIジャパンからの経営支援メニューのご紹介がありました。
- 富士フイルムグループからの事業成長をサポートするサービスのご紹介
- 商機を広げる事業成長に向けたお役立ちサービスのご案内
という内容で、富士フイルムBIジャパン GC営業統括 経営支援グループの江波戸さんと岩田さんより発表いただきました。
【新たなビジネスのご提案】
●ヤマゼンコミュニケイションズ株式会社 山本 堅嗣宣 社長
プログラムには記載がありませんでしたが、全国のスポーツクラブを対象にした「セレクトコンテンツサービス」のコラボ企画のご提案がありました。
【DSF事務局長ご挨拶】
●富士フイルムBI GC事業本部 青木 稔 部長
その後、DSF事務局長の富士フイルムBI
国内営業企画部の青木部長より挨拶があり、発表者への労いに続き、今年で27年目であることと約60名というリアル参加とリモートでの多数のご参加に感謝を述べられました。また、中間発表会から内容が大きく進捗されていること、非常に充実した活動になっていることを再認識し、ビジネスに直結する技術本はじめ得られた成果が皆さんのビジネスに繋がることを期待されました。また、富士フイルムグループが90周年を迎え、地球上の笑顔の回数を増やすというパーパスへの取組の一環として製作された「写真付き名刺」が2024年のグッドデザイン賞を獲得した報告をされました。
【総評と来期への期待・閉会の ご挨拶】(DSF副会長)
●共立速記印刷株式会社 笹井 靖夫 社長
最後のパートとして、DSF副会長である共立速記印刷株式会社の笹井社長より総評と閉会のご挨拶をいただきました。各分科会の発表者への労いと、発表について研究会個々の活動に触れ、コメントされました。総評として、変わらないといけないものと変わらないものを変化の大きい年だからこそ考えながら活動し、一年間無事に終えられたのだと思っています。来年もDSFの活動が皆さんの企業の発展に貢献できることを期待します。と括られました。
これで2024年全国発表大会は終了となりました。
ご参加いただいた皆様、関係各位の皆様のご協力により全国発表大会を無事終了できましたことに事務局より感謝いたします。
来年もこの勢いとモチベーションを維持して、今年越えの積極的な活動を期待しております。
尚、次回は2025年2月28日(金)に2025年総会を予定しておりますので、多くの会員の皆様のご参加をお待ちしております。
DSF事務局
萬ヶ谷 治
《リモート参加者キャプチャ》
《全体集合写真》
懇親会
懇親会は築地のレストランで行われました。朝からの雨もやみ、47Fテラスからの夜景を堪能しながらスタートしました。司会進行は恒例の当日指名で河北印刷の中條遥社長にお願いし、東洋美術印刷の山本社長に乾杯のご発声をお願いしました。歓談が進む中、富士フイルムBIジャパンの部門長の挨拶のあと、今回は富士フイルムグループのパーパスにちなみ、「あなたが笑顔になる時ってどんな時?」というテーマで皆さんに話していただきました。時間はあっという間に過ぎ、明光社 矢野社長の中締めで、来期また頑張ることを誓い合い、記念の集合写真を撮影したあとお開きとなりました。
《懇親会集合写真》