【午前】
《理事会》
《FLOOP見学会》
【午後】
《総会》
今年はどんな年?
支(えと)は【乙巳】(きのとみ)。巳は「努力を重ね、物事を安定させていく」年。また「巳」は「再生と変化」を意味し、脱皮を繰り返すことから不老不死のシンボルともされてきました。蛇のように再生や変化を繰り返しながら、柔軟に発展していく年になるよう頑張っていきましょう。との司会からのご紹介で、今年も活動のスタートミーティングとなる『2025年DSF総会』が、2月28日(金)、富士フイルムビジネスイノベーション横浜みなとみらい事業所に於いて開催されました。会員様リアル28名Zoom47名の出席を得て、富士フイルムビジネスイノベーションジャパンGC営業統括部の不破晶子さんの司会進行で始まりました。
*開会ご挨拶
■DSF会長:今野 均 氏
(株式会社ユーメディア 社長)
総会への多数のご参加に対し感謝を述べられた後、仙台市主催の「四方良し企業」という表彰制度で株式会社ユーメディア様が大賞を受賞されたご報告がありました。我々の産業はまだまだ儲けることのできるビジネスモデルであること(売り手良し)、お客様の期待を超える仕事が実現できること(買い手良し)、地域の活性化になくてはならない存在であり(世間良し)、働き甲斐のある仕事を創出できる(働き手良し)ということを実証できました。今年のDSFもチャレンジして成果を挙げ、会員各社にフィードバックできる活動になればと期待しています。と述べられました。
■FB:木田 裕士 氏
(富士フイルムBI株式会社 取締役執行役員)
お客様商売に於いてリピーターやヘビーユーザーをキャッチアップしていくためには、想像力(心の力)、能力、組織力の3つが三位一体で機能する必要があること。そのために考える習慣と感じる習慣が重要です。感動のおもてなしを相手に伝えるために、人が感じる五感の中で特に「視覚」が重要であり、我々のビジネスには密接に関係する領域です。市場環境が変化しても、コミュニケーション力を上げるための価値を考え、強みを発揮していただき、初詣に引いたおみくじが「凶」ではありましたが、吹っ飛ばしていただきたいと思います。と述べられました。
*2024会計報告・2025予算計画
■会計監査担当:生島 裕久 氏
(株式会社オンデマンド 社長)
本日の理事会で2024年度の会計報告が承認され、2025年度の予算計画が議論されました。
【2024年度会計報告】
・総収入 | : 542万0834円(年会費、協賛金、前期繰越金含む) |
・総支出 |
: 323万2110円 (ビジネス研究会活動費、運営費、大会活動費など) (対予算327万円内) |
・次期繰越金 | : 218万8724円 |
・周年事業費 | : 収支の繰越金は102万3688円 |
【2025年度予算計画】
・総収入 | : 488万724円(年会費、協賛金、前期繰越金含む) |
・総支出 | : 335万円(ビジネス研究会活動費、運営費、大会活動費等) |
・単年度収支 | : ▲65万円の予測 |
・周年事業基金 | : 費消予定無く、102万3688円を継続 |
今後の活動費用の縮減も検討しつつ、富士フイルムBI様の協力を引き続き得ながら、各活動を進める計画です。とご報告されました。
*2024活動報告・2025活動計画・理事会決議事項報告
■今野 均 氏(株式会社ユーメディア 社長)
2024年度の活動報告は、昨年の全国発表大会で共有された内容を基に各研究会の成果を振り返るためのもので、経営者にとっても再確認の機会となりますので資料をご覧ください
2025年度の活動計画については、以下のスケジュールが予定されています。
・総会 | :みなとみらい(本日開催) |
・中間発表会 | :7月4日、5日(金沢市) |
・全国発表大会 | :11月14日 |
研究会活動のフォーメーションに関しては、担当理事とリーダーは基本的に継続するものの、人財育成研究会のリーダーは中條様が新たに就任します。人財育成研究会は毎年内容が向上しており、参加企業が少ないため、さらに多くの企業に積極的にご参加いただければと思います。
総会・中間発表会・全国発表大会の年間スケジュールは下記例年通りであり、多くの皆様の参加を期待しています。
*新規ご入会企業のご紹介・ご挨拶
■とうざわ印刷工芸株式会社 | :代表取締役社長 | 東澤 善樹 氏 |
■有限会社笹尾印刷所 | :取締役営業責任者 | 笹尾 昌樹 氏 |
その後、各ビジネス研究会による分科会ミーティングで、活動テーマのシェアから年間計画・スケジュール・目標等が議論されました
*各研究会からの2025活動予定の発表
【デジタルマーケティング研究会】
■リ-ダー:山本 堅嗣宣 氏
(ヤマゼンコミュニケイションズ株式会社 社長)
2025年のデジタルマーケティング研究会の活動テーマは「デジタルマーケティングの実践と協奏」です。昨年までの活動を引き続き進めつつ、新たな技術である生成AIを活用して顧客の最適化を図る研究にも力を入れたい。目指すゴールはCRMやSFAの活用と情報共有の推進に加え、生成AIを使った効率的で効果的なコンテンツ制作や営業支援、顧客体験の効率化を達成することです。
さらに、SNSを使った広告の最適化を富士フイルムBIのRevoriaクラウドマーケティングで実践し、NFC技術を活用した新しい販促手法やOMOを絡めた施策についても取り組む予定です。また、GA4の活用やAIに関する学びを深めるために講師を招聘し、研究成果を出したいと考えています。
最終的には、得られた知見を共有し、デジタルマーケティングの研究会のメンバー以外の会員の皆様にも有益な情報を提供することを目指しています。深化、誠化、進化、伸化、新化の5つの要素を大切にし、人の心を考えAIも活用しながら進めたいと思います。と発表されました。
【人財育成研究会】
■リ-ダー:中條 遥 氏
(河北印刷株式会社 社長)
今年から人材育成研究会のリーダーを務めます。昨年度に引き続き「管理職のリーダーシップ育成」を活動テーマとしていますが、今年は特に実践を重視します。昨年の参加者は「私の目指すリーダー宣言」を基にした実践とそのフィードバックを中心に進めます。成功や課題を共有し、全員で解決を図る場とします。
講師には今年も稲葉氏にお願いします。
今年の目標のゴールは
・各自の「実行宣言」に基づき、リーダーシップの実践を継続し、相互フィードバックを通じて行動変容を促すこと
・参加者同士が励まし合いながら実行力を高め、組織への影響を最大化すること
狙いは
・実行計画の進捗を可視化し、継続的な成長を支援する
・相互フィードバックとディスカッションにより、新たな気づきを得る
・個々のリーダーシップスタイルを深め、組織に浸透させる
・「やりっぱなし」にせず、実践を継続する習慣を定着させる
各会は進捗報告40分、ディスカッション70分の構成で進行します。今年は6回の研究会を予定し、最終回で新たな取り組みを宣言します。参加メンバーを募集しておりますので、興味のある方はぜひご参加ください。と発表されました。
【DX研究会】
■リ-ダー:林 敬太 氏
(株式会社オーディーピーセンター 会長)
今年の活動テーマは、従来の通り「業務合理化のデジタルトランスフォーメーション(DX)を進め、高効率なワークフローを構築すること」です。特に、生産領域にとどまらず、営業部門や管理部門など他の部門との連携を推進し、業務の見える化、効率化、ヒューマンエラーの抑制を目指してゴールとします。生成AIやRPA、クラウドサービスなどを使った実践例の共有も行いますが、皆様でご活用されているFree
Flow CoreからXMF Press Readyへの円滑な移行についての要望整理が議論されました。各社では現在Free Flow
Coreが基幹業務として稼働しているため、移行が技術的に難しく、既存のワークフローを全て作り直す必要があるため、重要なテーマとなり、富士フイルムBIとの協議も必要です。
そのため、第1回ミーティングと第2回ミーティングで各社の目標とXMF Press Readyの情報を共有し、年間を通じて調整を進めていく計画です。最終的には、10月に成果発表とXMF
Press Readyへの移行の方向性を発表することを目指しています。と述べられました。
【ODPグラフィック研究会】
■リ-ダー:根本 一朗 氏
(東洋美術印刷株式会社 次長)
テーマは「技術本の2025年度版の作成」です。現段階ではまだ完成しておらず、内容のブラッシュアップや追加すべきマテリアル、特殊トナーなどがあるため、これらを発展させたいという意向です。また、技術本の認知度向上や販売戦略も進める予定です。
ゴールは技術本2025の発行と研究会やユーザーの皆様に還元出来ることです。
技術本には活用事例集が含まれ、それらを共有し、参考にして新しいアイデアを生み出したいと考えています。さらに、長尺物の活用や技術の進歩、特にAIやフォログラムについての研究も進めることを目指しています。新しい若手メンバーが加わったことで、新しい活動をしていく計画です。最初のステップとして2024年版技術本の再検証をディスカッションを通じて多様なアイデアを生み出し、それらを年間スケジュールにまとめて行い、より良い成果に結びつけることを目指しています。また、研究会以外の方々からも積極的にご指導、ご意見いただければと思います。と発表されました。
【経営者の会】
■担当理事:矢野 剛 氏
(株式会社明光社 社長)
経営者の会は、実務的な視点と共に時代の潮流を感じ取りながら経営に役立つ情報を共有する場と考えています。今年度のテーマは以下の4つです
-
「人と組織」:社員と経営者との意識や価値観の隔たりを埋め、主体性のある社員を育成し、組織を構築する方法について議論します。
また、企業のブランドやストーリーの重要性についても学びます。 - 「技術や設備」:スマートファクトリーの勉強を通じて、企業が付加価値を高めるための基盤を学びます。〔Future Edge見学〕
- 「AI、DX、メタバース」:これらのデジタル技術がもたらす急激なイノベーションについて、他の研究会との共催で勉強します。
- 「サブスクリプション」:印刷業には馴染みが薄いサブスクリプションモデルについて調査・研究し、受注加工業のビジネスでのストック型収益モデルの構築方法を考えます。
このテーマに沿って、他の分科会と調整しながら進めたいと考えています。多数のご参加をお待ちしています。と述べられました。
【社会貢献活動】
■担当理事:生島 裕久 氏
(株式会社オンデマンド 社長)
昨年のご協力企業へのお礼・感謝とともに、新規ご入会企業へのご協力を促し、DSFの社会貢献活動の概要をご説明されました。
活動内容は、視力の弱い生徒が通う全国約66校の視覚支援学校に、漢字の書き順や英語の単語帳、世界の国旗などを拡大印刷した本を無償で提供します。2007年から継続しており、補助教材が有料で手に入りにくい背景から始まりました。協力企業には、カラーの出力機や製本機、断裁機などが必要です。7月から必要冊数を調査し、10月からデータを配布して印刷や製本を行い、地域に応じて学校に納品していただきます。参加企業には地域の学校に直接持参して意見をフィードバックしてもらうようお願いしています。既に参加している企業の皆様にも再度協力をお願いします。今期ご参加が難しい場合はご一報お願いします。と述べられました。
各研究会からの2025活動計画の発表に続き、特別講演に移りました。
特別講演
『AIが加速する医療イノベーションの軌跡と社会イノベーションの未来』
■富士フイルムBI 株式会社 取締役 常務執行役員(CTO) 鍋田 敏之 氏
《講師紹介》
東京工業大学総合理工学部電子化学専攻修士修了後、富士写真フイルム(現富士フイルム)に入社
2017年医療ITソリューション事業部長に就任、医療AI技術ブランド「REiLI」を立ち上げる
https://reili.fujifilm.com/index.html
2018年からメディカルシステム開発センター長を兼任し、医療IT・AIを核に据えた付加価値の高い医療機器・サービスの開発を牽引
2019年より全事業グループにおける製品DX戦略の加速を推進する
https://dhbr.diamond.jp/articles/-/9524
2024年 富士フイルムBI 取締役常務執行役員(CTO)に就任
弊社後藤社長が元々医療システム事業のトップとして医療AIを推進してきた背景や、新たに富士フイルムBIでの医療グレードのAI技術への取り組みについて詳細に説明されました。
富士フイルムでは、AIを用いた診断技術「REiLI」を開発し、AIが医療画像の診断をサポートすることで医療の質を向上させ、特にMRIとCTを組み合わせて学習させることで脳梗塞の発見率を向上させています。また、モバイルX線機器の画質改善にも成功し、これによって病棟内での利用が可能になりました。これにAIが加わることで、さらに診断精度が向上し、結核などの病気のスクリーニングがより効果的に行えるようになりました。
今後の展望として、AIを活用したCT画像からの疾患診断やオートレポートシステムの普及により、医療格差を縮小し、特に新興国での医療サービスの向上に貢献することを目指しています。
2025年はこの技術を富士フイルムBIにも展開する計画であり、従来の延長線上にないものの開発・イノベーション「モノ」。IT・AIを活用したソリューション「コト」。そしてモノ+コトがあることで全く新しい領域に行ける唯一無二のプラットフォームを目指しています。紙やドキュメント領域に展開し、モノとコトの融合による新たなビジネスモデルの構築を進めたいと考えています。革新的なデバイス開発からワークフローを通じた印刷体験の革新や新たな印刷需要の創出、Revoriaクラウドマーケティングなどに繋げていきたいと考えております。業界の垣根を越えた戦略の取り組みを、「モノ」から「モノ+コト」へ皆様と一緒に創出していきたいと考えております。
本日はありがとうございました。と括られました。
*事務局長ご挨拶
■事務局長:青木 稔 氏
(富士フイルムBI株式会社 GC事本 国内営業企画部 部長)
午前中からのFLOOPの見学から各研究会の活動計画の議論、またAIについての講演、大変お疲れ様でした。今年度の各研究会活動も期待が高まっており、私自身も研究会に参加していく予定です。昨年度から継続しているテーマの研究会や、新しくブラッシュアップされたテーマの研究会もあり、今年も活動成果の発表が楽しみです。
28年目の活動を是非頑張っていただきたいと思います。
先週開催された“page2025”では、3日間で24,580人が来場し、昨年比で114%の来場者増となったことを報告され、弊社ブースへのご来場にお礼を述べられ、ご挨拶を括られました。
*閉会ご挨拶
■DSF副会長:鴻村 健司 氏
(株式会社コームラ 社長)
午前中の理事会とFLOOP見学についての感謝の言葉から始まり、午後からの分科会内容については、非常に充実しており今後の活動に対する期待感が膨らみました。また、AIに関する鍋田常務の講演を拝聴し、個人的なエピソードとして、先月受けたMRI検査で何も異常が見つからなかったことに、逆に心配になりましたが、医療技術の進歩には驚きました。
最新のニュースとして岐阜の中学生がAIを悪用して不正行為を行ったことを取り上げ、AI技術は役に立つ適切な利用が重要だと述べられました。さらに、新宿駅での壁一面サイネージやスターバックスが中にある銀行を見て驚いた経験を通じて、すごいスピードで変化する現代社会に取り残されないようにしたい。今年は巳年ということで、脱皮を繰り返し、DSFの根幹である、「実践しながら成果を出せる」よう、分科会で活動していただければ幸いです。と括られました。
全体集合写真
Zoomご参加キャプチャ
懇親会
総会修了後の懇親会は、横浜グランドインターコンチネンタルホテルの横浜ベイの夜景がきれいな会場「エーゲ」の間で行われました。
司会進行は恒例の当日指名で、東洋美術印刷株式会社の及川さんにお願いし、共立速記印刷株式会社の笹井社長に乾杯のご発声をお願いしました。歓談が進む中、今回のお話のテーマは本日の講演内容に関連して「健康のために気を付けていることや、健康維持のために行っていること」について、皆さんに語っていただきました。
お酒と料理とお話が進む中、楽しい時間はすぐに過ぎ、株式会社三恵社 木全社長の中締めで、今年一年頑張ることを誓い合い、記念の集合写真を撮影したあとお開きとなりました。
《懇親会集合写真》
※ 次回中間発表会は2025年7月4日・5日(金・土)金沢での開催を予定しております。会員の皆様には多数のご参加をお待ちしております。
DSF事務局 / 萬ヶ谷 治