研究会の活動

第68号 2025年 DSF中間発表会 開催

第68号 2025年 DSF中間発表会 開催

金沢市:会場

去る7月4日、今年は石川県金沢市にて『2025年DSF中間発表会』が開催されました。昨年年初の能登半島地震により開催が延期されておりましたが、今年は震災復興も兼ね、金沢での開催となりました。また、特別講演として、震災時に現場で何が起き、何が大切だったのかを、実際に現地で支援のために奔走された前金沢市長の山野之義氏にお話いただきました。

《2025年中間発表会》

 司会 : 不破さん中間発表会は富士フイルムビジネスイノベーションジャパンGC営業統括部の不破晶子さんの司会進行で始まりました。 金沢出身の不破さんより開催地である金沢の文化である武家文化や加賀友禅、そして石川県特有の気候について紹介されました。

【DSF会長ご挨拶】
 ●株式会社ユーメディア 今野 均 社長

 今野社長 : 挨拶金沢での開催は昨年計画されていましたが、2024年1月の地震の影響で2025年開催になったことや自身が経験された東日本大震災の話にも触れ、被災地支援と経済活動への貢献の重要性を話されました。またこのDSF中間発表会は、一年間の活動の中でここまでの活動の成果とこれからの残りの半年間の使い方というものをみんなで共有する場であり、会員企業の皆様の次の一手につながるようなヒントが多くあふれるような会になればいいと思いますと述べられました。

 

【FBJご挨拶】
●富士フイルムBIジャパン 北陸支社 吉岡 東吾 支社長

吉岡支社長続いて富士フイルムビジネスイノベーションジャパン北陸支社の吉岡支社長が登壇し、以前GC領域を担当していたことや現在北陸地区の責任者として金沢開催に関して感謝の意を述べられました。また能登半島地震についても触れ、現在の現地の様子や状況についても話されました。そして最後にこのあとの研究会の発表を期待しているとともにここ金沢を楽しんでくださいとの話で結ばれました。

このあと各研究会の発表に移りました。各研究会ともこれまで密度の濃い議論を重ねてきており、ここまでの進捗について各リーダーからの発表に入りました。

各研究会の発表内容

【デジタルマーケティング研究会】
●リーダー : ヤマゼンコミュニケイションズ株式会社 山本 堅嗣宣 社長

ヤマゼンコミュニケイションズ株式会社 山本 堅嗣宣 活動指針の一つ目はデジタルマーケティングの実践と共創、二つ目に生成AIと新技術を活用した顧客接点の最適化です。各社の事例共有や生成AIと新技術を活用した顧客体験の最適化、売上に直結するマーケティングの実践に焦点を当てて議論を行ってきました。特にAIの急速な進化に対応し、乗り遅れないよう活用法や最新情報を共有することの重要性を強調されました。これまでの活動報告として「Revoria Cloud Marketingの活用」や毎年恒例の「CES2025の視察基調報告」(アピックス重松氏)は、最新の情報がメンバーに共有されました。生成AIについては外部講師を招いて学び、その後メンバーがそれぞれ有料版のツールの活用を開始するなど、AIに関する感度の高さが示されました。後半に向けて研究会は売上直結型マーケティングの実践やAIの実証実験を通じて、より実践的かつ具体的な成果を目指すと述べられました。

デジタルマーケティング研究会:発表資料 デジタルマーケティング研究会:発表資料 デジタルマーケティング研究会:発表資料

【人財育成研究会】
●リーダー : 河北印刷株式会社 中條 遥 社長 

河北印刷株式会社 中條 遥 社長 今年度の活動テーマは「管理職としてのリーダーシップの育成」で、昨年メンバーがコミットした「私の目指すリーダーシップ宣言」の実践とそのフォローアップをテーマとしています。今年も10月に経営者にもご参加いただきメンバーの成長についてフィードバックを受ける予定です。人と人とのアナログなコミュニケーションに焦点を当て、各社での実践を通じて気づきや悩みを共有し、リーダーシップの育成を図っています。研究会の基本方針は、実行声明に基づきリーダーシップの実践を継続し行動変容を促すことです。個人の成長だけでなく、それが組織全体に良い影響を与え、最大化されることを目的としています。狙いは、自己の継続的な成長、新たな知見の獲得、組織への浸透、そして習慣の定着です。また、この人財育成についても、AIによるアドバイスが取り入れられています。
後半の研究会では、参加者が経営者に対して自身の成長した姿を見せられるよう、継続して取り組んでいきます。

【人財育成研究会】:発表資料 【人財育成研究会】:発表資料 【人財育成研究会】:発表資料 【人財育成研究会】:発表資料

【DX研究会】
●リーダー : 株式会社オーディーピーセンター 林 敬太 会長 

株式会社オーディーピーセンター 林 敬太 会長  DX研究会は業務効率化のDXを実現し、より高い効率性でワークフローを構築することをテーマに掲げ、生産領域にとどまらず、営業や管理部門などの業務とシームレスな連携で、業務の見える化、効率化、ヒューマンエラー抑制を目指しています。また、Free Flow CoreからPress Readyへのスムーズな業務移行の検討についての活動も始めました。
ChatGPTやNotebook LLMなどの生成AIの活用について各社の取り組みを共有しました。一方で技術と人が両輪となって進めることが、DXが有用なものとして定着するために必要であり、使い方やその活用方法がDXの本質で、小さな改善の繰り返しが業務全体を改善します。属人化を排し平準化を目指すためには従業員の知識レベルのベースアップや教育が重要と説明されました。

【DX研究会】:発表資料 【DX研究会】:発表資料 【DX研究会】:発表資料

【ODPグラフィック研究会】
●リーダー : 東洋美術印刷株式会社 根本 一朗 次長

東洋美術印刷株式会社 根本 一朗 次長 今年のテーマは昨年作成した技術本をさらにアップデートし、売れる商材開発やサンプル作成をさらに推進し、ビジネスに繋げることを目的としています。またDSFのウェブサイト「プラザ・DSF」に各会社の事例などの情報を掲載し、広くアピールすることも検討しています。研究会は「デファクトスタンダード」の概念に基づき、新しい技術とデジタル印刷を業界標準としてビジネスを推進することを目指します。研究会で得た事例や知識を会社に持ち帰り、ビジネスに繋げることが重要であり、知識だけでなく思考を働かせ失敗から学び、知識を知恵に変え、成長していくことを目指していきます。技術本作成においては後加工機とのセットでより良いものが作れますので、各社の情報について可能な範囲で情報提供もお願いします。後半の3回の打ち合わせで全国発表大会に向けて技術本2025版もアウトプット作成します。

【ODPグラフィック研究会】
:発表資料 【ODPグラフィック研究会】
:発表資料 【ODPグラフィック研究会】
:発表資料 【ODPグラフィック研究会】
:発表資料

【経営者の会】
●リーダー : 株式会社明光社 矢野 剛 社長(発表者 事務局)

株式会社明光社 矢野 剛
              社長(発表者 事務局) 経営者の会では経営に役立つ情報を共有し、各社がバリューを高められる場を目指していきます。「人と組織」「新技術や設備」「AI・DX・メタバース」「サブスクリプション」の4つの視点で取り組んでまいります。今年度は「人と組織について」と「新技術や設備について」の2つに取り組むこととし、「人と組織について」では、世代間ギャップやコミュニケーションの課題を検討し、大学生とのコミュニケーションをテーマにした内容を検討します。「新技術や設備について」では、新たな技術の可能性を探索するため、富士フイルムビジネスイノベーションの海老名事業所にあるFuture Edgeの見学の実施を予定しています。

【経営者の会】

:発表資料 【経営者の会】

:発表資料

【社会貢献活動】
●担当理事 : 株式会社オンデマンド 生島 裕久 社長

株式会社オンデマンド 生島 裕久
              社長 社会貢献活動は自分たちのためではなく人のための活動です。2025年度も継続して全国の視覚支援学校様へ「拡大本」の寄贈協力をしますのでご協力お願いします。昨年協力いただいた会員企業様のご紹介と2025年度の必要数についてはリサーチ中です。この北陸地区において昨年は石川盲学校から20冊、福井盲学校から16冊のリクエストがありましたが、昨年は他の地域よりご提供いただきました。できれば地元での協力が望ましいので是非ご協力お願いしますと述べられました。

【経営者の会】:発表資料 【経営者の会】:発表資料 【経営者の会】:発表資料

【特別講演】
 ●ソフトバンク株式会社 法人統括 戦略顧問 山野 之義 様(元金沢市長)

ソフトバンク株式会社 法人統括 戦略顧問 山野 之義 様(元金沢市長) ソフトバンク株式会社 法人統括 戦略顧問 山野 之義 様(元金沢市長)  「能登半島地震での取り組み」

山野氏は、石川県金沢市出身。1997年にソフトバンクを退社し金沢に戻り市議会議員、市長を務められました。2022年2月に市長を退任後、ソフトバンクに復職。現在は自治体DXの推進や、金沢大学での講義、石川県内や北陸三県の自治体・民間企業への営業活動を行っています。
講演では能登半島地震発生時の状況について、特に通信インフラがいかに重要であったかを事実に基づいた具体的な内容で説明されました。Starlinkの早期設置は自衛隊員やDMATの活動に大きく貢献しました。特に、DMATの医療従事者が患者の状況を確認したり、家族と連絡を取る手段がない中、StarlinkによるWi-Fi接続が「本当に助かる」と感謝されたと。これは、災害初期における通信が「命の情報インフラそのもの」であることを示していると説明されました。
災害時における通信環境は普段から使用していなければ有事の際に使いこなせないという課題についても指摘されました。災害時に備蓄されている通信機器などが、普段から使用されていないと緊急時に機能しない可能性があり、日常的な利用が不可欠であることも強調されました。
災害復旧における持続的な仕組みの必要性や金沢市長としての11年間の経験と現場での活動などが他の自治体との連携における強力な営業ツールとなっていることも述べられました。会場からのビジネスとしての利益に関する質問に対して、現在はビジネスとしてまだ利益が出ていないものの、他の自治体との仕事に繋がっており、ソフトバンクは民間企業の支援を得て持続可能な仕組みを構築していく考えを示され講演が終了となりました。

【特別講演】:発表資1 【特別講演】:発表資2
(Starlink設置の写真)
【特別講演】:発表資3
(仮設シャワー)
【特別講演】:発表資4 【特別講演】:発表資5 【特別講演】:発表資6
(医療MaaS)

ご挨拶

【開催地DSF会員企業のご挨拶】
●宮下印刷株式会社 宮下 光信 社長

●宮下印刷株式会社 宮下 光信 社長 全国から金沢にお越しいただいた参加者の皆様への感謝の意を述べられました。思いを理解し共感した上で表現することの重要性を強調し、輪島、珠洲、能登の話から、自分たちのミッションとして、どのように価値を提供し人々の生活に寄り添うかを再確認したと話されました。また、思いを行動に移し伝えることの誇りと環境変化に対応した新たな挑戦、そして地域貢献の重要性について話されました。

【DSF事務局長挨拶】
 ●富士フイルムBIジャパン株式会社 青木 稔

●富士フイルムBIジャパン株式会社 青木 稔 山野氏の講演から多くの学びがあったと述べました。金沢会場には約100名が参加し、各研究会での活発な議論とこれまでの研究会活動の取り組みに関する熱量を感じていると報告。各研究会では共通してAIの話題が増えていることに言及し、企業内および個人でのAI活用のルール作りが研究会でも議論されていると話されました。そして今後も研究会に参加し、一緒に活動していきますと述べられました。

【DSF副事務局長挨拶】
 ●富士フイルムBI株式会社 渡辺 正隆

 ●富士フイルムBI株式会社 渡辺 正隆
新しく副事務局長に就任し自己紹介をされました。30年間の営業職からのキャリアチェンジと新たな仕事に対する刺激と喜びを感じていると述べ、GC事業やグローバルな視点も踏まえ、DSFの活動に新たな付加価値を加え、DSF自体と会員企業の事業発展に貢献していきたいと抱負を語りました。

【DSF副会長挨拶】
 ●共立速記印刷株式会社 笹井 靖夫 社長

 ●共立速記印刷株式会社 笹井 靖夫 社長
閉会の挨拶として、山野氏の講演から災害に対する平時からの備え、全体をコーディネートする仕組みの重要性を学んだと述べられました。また、災害時における紙の重要性、そして常に新しいことに挑戦し、既存の価値に付加価値をつけていくことの大切さを強調しました。各研究会の進捗にも触れ、発表のポイントを伝えられ中間発表会の締めのご挨拶として閉会のご挨拶とされました。

全体集合写真
《全体集合写真》
 リモート参加
 リモート参加
《リモート参加》


懇親会

和太鼓響架 和太鼓響架
《和太鼓響架》
懇親会は引き続き同ホテルで行われました。会のオープニングは石川県加賀を代表する伝統芸能のひとつ和太鼓響架(わだいこきょうか)をご覧いただきました。
演奏は、石川県白山市を拠点として活動されている若手女性和太鼓グループのお二人で幼いころから和太鼓に打ち込んできたメンバーが集まって、「女性ならではのしなやかさと、力強い演奏をあわせ持つ表現」を追求され日々努力と研鑽を重ねながら、和太鼓の魅力を多くの人に伝えるべく精力的に活動をされています。
司会進行は株式会社白橋の白橋昌磨様にお願いし、中西印刷株式会社の中西明日輝様の乾杯のご発声でスタートしました。懇親会に講演いただいた山野氏にもご参加ただきました。暫くの歓談後、今日の山野氏の講演内容と加賀地方に伝わる歌舞伎の演目で有名な「勧進帳(かんじんちょう)」の舞台となった安宅(あたか)の関のストーリーにちなみ、『何かが起きたときにでも、咄嗟に対応できるように日頃から実践して使えるように取り組まれていることや習ってきたことは何ですか?』をテーマに会員の皆さんに一言語っていただきました。会も進む中、DSF理事 株式会社オンデマンドの生島社長に中締めをお願いし、後半の活動に期待することを誓い合いお開きとなりました。

司会:乾杯ご発声

懇親会 : 風景
《懇親会風景》

懇親感 : 集合写真
《懇親会集合写真》

【懇親ゴルフ】

翌日は曇り空ではありましたが、猛暑ではない天候の中、懇親ゴルフが開催されました。今年は女子のステップアップツアーで使用されている「ゴルフクラブ ツインフィールズ ゴールドコース」の開催で後半は少し雨に降られましたがコミュニケーションを深められるコンペとなりました。

懇親ゴルフ

今回もご参加いただいたすべての会員企業の皆様、および準備より携わっていただいた関係各位の皆様のご協力により2025年中間発表会を無事終了できましたことに事務局より感謝申し上げます。
次回2025年11月14日(金)には2025年全国発表大会を予定しております。多くの会員の皆様のご参加をお待ちしております。

ドキュメントサービスフォーラム事務局
萬ヶ谷 治
青木 稔

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