研究会の活動

第69号 2025年 DSF全国発表大会 開催

第69号 2025年 DSF全国発表大会 開催

東京:会場

去る11月14日、東京竹芝のホテルインターコンチネンタル東京ベイにて『2025年DSF全国発表大会』が開催されました。午前中は2025年度第二回理事会があり、13時半よりプログラムに沿って、リアル62名、リモート37名の参加を賜り、全国発表大会が進行されました。また、特別講演として、日本バレーボール協会副会長の金川氏より「勝つ組織はこうやってつくる」と題してご自身の経験と日本バレー界の改革についてのお話をいただきました。

午前中行われた理事会において、来年(2026年)のスケジュールが決まりました

【来年(2026年)のスケジュール】

*DSF新年会: 2026年1月29日(木)18:00頃より(東京 銀座)
*DSF理事会①: 2026年1月30日(金)10:00~(会場未定)
*DSF総会: 2026年1月30日(金)13:30~(会場未定)
*DSF中間発表会: 2026年7月3・4日(金・土)
*DSF理事会②: 2026年11月13日(金)AM
*DSF全国発表大会: 2026年11月13日(金)PM

役員・理事は継続留任、また研究会活動フォーメーションについても、今年同様の布陣で臨むことが決議されました

研究会レビューにおいては、「AI」の必須、利活用の推奨を掲げており、どんどん実践に 移っている印象です  AI自体も日々進化しており、活用フェーズを意識しながらイメージできるように更に進めて行きましょう

《2025年全国発表大会》

 司会 : 不破さん 発表大会は、富士フイルムビジネスイノベーションジャパンGC営業統括部の不破晶子さんの司会進行で始まりました。

【DSF会長ご挨拶】
 ●株式会社ユーメディア 今野 均 社長

 今野社長 : 挨拶冒頭に最近ニュースが続いている「熊」に関しての話がありました。気候変動で餌不足により人間の生活圏に当たり前に存在するようになったということから、人間社会においても急激な変化が起きていることを仕事に置き換えた時に、その変化に対してすぐに対応し即断即決しなければいけないこと、またアップデートも必要だと述べられました。それから数の数え方に関して、動物や魚、鳥の数え方を踏まえて人の数え方の話をされ「三流は金を残す。二流は名を残す。一流は人を残す。」ということから会社の経営においても人を残す、人が育つような、運営を志していきたいと話されました。このDSFにおいても人を育てていくという観点で会が循環するような、そんな仕組みを目指していきたいと述べられ、本日の発表会が有意義な時間になるようにと挨拶を締めくくりました。

【FBJご挨拶】
●富士フイルムビBIジャパン GC営業統括部 近藤 哲也 統括部長

吉岡支社長 続いて富士フイルムビジネスイノベーションジャパンGC営業統括部の近藤統括部長が登壇し、富士フイルムAI技術ブランド「REiLI(レイリ)」の紹介があり、画像解析技術や社内業務に既に活用されていると話されました。また実際に生協様での活用事例として需要予測にAIを活用していることや、廃棄コストの削減等で成果が出ているということを話され、このような話があればご相談くださいと結ばれました。

このあと各研究会の発表に移りました。各研究会ともこれまで密度の濃い議論を重ねてきており、ここまでの進捗について各リーダーからの発表に入りました。

【デジタルマーケティング研究会】
●リーダー : ヤマゼンコミュニケイションズ株式会社 山本 堅嗣宣 社長

ヤマゼンコミュニケイションズ株式会社 山本 堅嗣宣 活動指針は「デジタルマーケティングの実践と共創」、「生成AIと新技術を活用した顧客接点の最適化」です。売上に直結するマーケティングの実践を目指します。目指すべきゴールとしてはデジタルマーケティングの利活用、導入、実践、実績に繋げることです。今年度の活動内容として、生成AIの基礎理解を深める講演会を実施したことにより参加企業で各AIツールの利用を有償版への切り替えが進むなど大きな影響がありました。MAツール、生成AI時代のSEO対策についての学習、またNFC(近距離無線通信)技術の体験会を実施し、ビジネス活用アイデアを共有されました。来年度に向けてはAI活用研究をさらに進め、印刷業界における新しいデジタルストックビジネスモデルの開発を目指していきたいと述べられました。

デジタルマーケティング研究会:発表資料 デジタルマーケティング研究会:発表資料 デジタルマーケティング研究会:発表資料

【人財育成研究会】
●リーダー : 河北印刷株式会社 中條 遥 社長 

河北印刷株式会社 中條 遥 社長 今年度の活動テーマは「管理職としてのリーダーシップの育成」です。2024年にメンバー各自が策定した「リーダーシップ宣言」の実践と振り返りを中心に、1on1の課題や部下の自律性促進などについて議論し、スキル&ウィル マトリックスという考え方を学習し、部下の状況に応じた指導方法を学びました。最終回では、各メンバーが経営層に対し、自身の目指すリーダー像と今後の活動方針コミットメントを宣言することで、参加者は自身のリーダー像を確立し部下に寄り添う姿勢や人材育成への意識が大きく向上していると話され、是非来年また新たな形でテーマを決めて継続してやっていきたいと発表を締めくくりました。

【人財育成研究会】:発表資料 【人財育成研究会】:発表資料 【人財育成研究会】:発表資料

【DX研究会】
●リーダー : 株式会社オーディーピーセンター 林 敬太 会長 

株式会社オーディーピーセンター 林 敬太 会長 2025年度のDX研究会は「業務効率化のDXを実現し、より高い効率性でワークフローを構築すること」をテーマに生産領域にとどまらず、営業や管理部門などの業務とシームレスな連携で、業務の見える化、効率化、ヒューマンエラー抑制を目指し活動してきました。堀場製作所の工場見学では現場主導の改善サイクル「見える化から見せる化へ」の重要性を学ぶことができました。また、ワークフロー自動化ソフト「Revoria Press Ready」のトライアル中である、コームラの小森様からその活動状況について報告されました。FreeFlow Coreの完全な代替ではないが、操作性の良さや将来性を評価しつつメーカーへの継続的な改善を要望されました。最後に参加者の横のつながりや、現場感こそが最大の成果だったのではないかと述べられ、DX研究会は同じような悩みを抱えた仲間が集まって、意見を交わす場になっていければと思っていますと締めくくりました。

【DX研究会】:発表資料 【DX研究会】:発表資料 【DX研究会】:発表資料

●株式会社 コームラ 小森 智治 部長

●株式会社 コームラ 小森 智治 部長 「Revoria Press Ready」のトライアルのレビューについての報告。 現在も進行中であり、FreeFlow Coreからの移行の実現性について、実務上の使用感を交え、「何とかなる!」との報告がありました。ソフトウェア自体は別物であり慣れることで移行は可能であるが、細かい仕様面においては継続してメーカ側の機能改善が必要との報告がありました。

株式会社 コームラ
:発表資料 株式会社 コームラ
:発表資料

株式会社 コームラ
:発表資料 株式会社 コームラ
:発表資料

【ODPグラフィック研究会】
●リーダー : 東洋美術印刷株式会社 根本 一朗 次長

東洋美術印刷株式会社 根本 一朗 次長 今年のテーマは昨年作成した技術本をさらにアップデートし、特色トナー(ピンク、カスタムレッド等)の表現を盛り込んだ「技術本《2025年版》の制作とビジネス活用」。技術本を作る作業がゴールではなく、ビジネスにつなげて顧客を作ることと述べられました。失敗事例も共有しながら、特色トナーを最大限に活かすデータ作成のアプローチの研究などを行いました。技術本をビジネスに繋げることを最終目的とし、社内展開の重要性を伝えられました。また会員企業間の連携を促進するため、ウェブサイト「プラザDSF」のリニューアルも並行して検討しています。最後にメンバーに対して技術本を社内で営業やデザイナーの方々等と共有し議論することでよりよいものになっていき次のアクションに繋がってくると述べられました。

 

【ODPグラフィック研究会】
:発表資料 【ODPグラフィック研究会】
:発表資料 【ODPグラフィック研究会】
:発表資料 【ODPグラフィック研究会】
:発表資料 【ODPグラフィック研究会】
:発表資料 【ODPグラフィック研究会】
:発表資料

 

【経営者の会】
●リーダー : 株式会社明光社 矢野 剛 社長(発表者 事務局)

株式会社明光社 矢野 剛
              社長(発表者 事務局) 2025年度の経営者の会は、経営に役立つ有益な情報を共有する場にすることです。ピンチとチャンスをどのような視点で捉え対応するのかを念頭に、「持続的成長を目指せる新たな事業領域を見つけ出すことを求め、バリューを高められる場を目指すこと」をテーマとして活動しました。今年度は「新技術や設備について」「AI・DX」を中心に活動しました。富士フイルム海老名事業所の「Future Edge」見学や、DX研究会と合同で堀場製作所の工場見学を実施しました。DXの取り組みに関し、現場の課題把握とIT部門の取り組みについて、両輪で進める重要性を再認識することができました。来年度に向けては「人と組織」「技術や設備について」「AI・DX」「新しいビジネスモデル」をテーマに引き続き活動していきます

【社会貢献活動】
●担当理事 : 株式会社オンデマンド 生島 裕久 社長

株式会社オンデマンド 生島 裕久
              社長 今年度の社会貢献活動は全国66校の視覚支援学校・盲学校からのリクエストに基づき、協力企業21社が計676冊の拡大本を寄贈しました。直接納品に訪れた際に、現場の教員の方々から、紙の教材が持つ「選択肢」の重要性や、学年を超えて活用されていることを生の声として確認することができ、依然として高い需要があることが確認できたと述べられました。拡大本の制作については毎年夏休み明けぐらいから全国の視覚支援学校・盲学校に対して必要部数を確認します。その後協力会社様ごとに製作配分を分配し、製造や発送作業に入る流れとの説明がありました。また実際の学校への訪問納品時の写真が写され、その際の状況も共有されました。社会背景から生徒数が減少することによって、希望の数量は減少傾向ですが、教育の実際の現場からは、是非必要という声が届いていますので、来年もご協力をお願いいたしますと締めくくられました。

【社会貢献活動】:発表資料 【社会貢献活動】:発表資料 【社会貢献活動】:発表資料 【社会貢献活動】:発表資料 【社会貢献活動】:発表資料 【社会貢献活動】:発表資料

【特別講演】
 ●日本バレーボール協会副会長 兼 SVリーグ理事  金川 裕一 氏

日本バレーボール協会副会長 兼 SVリーグ理事  金川 裕一 氏 ■講演テーマ
日本バレー界の改革からもわかる 「勝つ組織はこうやってつくる」

金川氏は1982年早稲田大学を卒業後、横河電機に入社され横河電機バレーボール部の監督や早稲田大学バレーボール部の監督を歴任されました。企業内ベンチャー制度を利用した起業経験をもとに「企業雇用」をテーマとした著書を出版。いくつかの企業経営を歴任し数々のメディアにも出演しています。現在は日本バレーボール協会副会長及びSVリーグの理事としてご活躍されています。
講演では日本バレーボール界の現状と課題から触れ、かつての栄光から一転、長期低迷に陥った原因として、グローバル化と高身長選手に有利なルール変更を挙げられました。一方で、国内の競技人口やファンの観戦意欲は高く、ポテンシャルは非常に大きいと分析されています。自身が副会長に就任後、相次ぐ不祥事を受けて幹部の総入れ替えを行いました。コンプライアンスの強化や地方組織の法人化、体罰撲滅など、多岐にわたる協会改革を断行し、改革を推進してきました。選手の待遇面(報酬、移動環境)の改善や、プロ経営者を招き組織改革へも着手しました。勝つ組織の条件として個の力の強化が必要であり、個が海外で挑戦しスキルを上げることがチーム力向上に繋がることを訴え、人材への投資の必要性も伝えられています。良い人材を採用・教育し、良い環境と責任を与えて任せることが成功の鍵であり、 「物への投資と異なり人への投資は価値が減少しない」と述べられました。過去の栄光にすがらず、常に挑戦する姿勢が重要であり「成長を求めない組織は衰退する」と強調。マネジメントの転換として一方的に教える「ティーチング」から、相手から答えを引き出す「コーチング」への転換が不可欠であると述べられました。 また他のスポーツとの売上や利益比較、各スポーツの人気度や人口の話にも触れ、バレーボールをプレーする人口は世界で一番だと述べられました。最後に私の宝物と題して写真を共有されこれまでの様々な方との出会いを紹介され講演を終了しました。

日本バレーボール協会副会長 兼 SVリーグ理事  金川 裕一 氏

【特別講演】:発表資1 【特別講演】:発表資2

ご挨拶

【DSF事務局長挨拶】
 ●富士フイルムBIジャパン株式会社 青木 稔 氏

●富士フイルムBIジャパン株式会社 青木 稔 金川氏の講演を聞き、自分自身のバレーボール経験を踏まえての学びがあったと述べました。研究会活動においては各研究会ともに活発な議論が行えていることや、日常の業務がある中での取り組みに関する熱量を感じていると報告されました。AIの話題が増えていることに触れ、富士フイルムでのAIへの取り組みも紹介しました。そして今後も研究会に参加し、一緒に活動していきますと締めくくりました。

【DSF副会長挨拶】
 ●株式会社コームラ 鴻村 健司 社長

●株式会社 コームラ 鴻村 健司 社長
閉会の挨拶として、発表大会への各地からの参加や研究会のリーダーや準備に関するお礼を伝えられ、そして金川氏の講演を受け、「個の力を強くする」ことと「共に成長する文化」がとても大切であることを再確認し、人材への投資をさらに進める重要性を認識したと述べられました。
各研究会の総評として、業界が「ものづくり」から「価値づくり」へと進化していることが感じられたとことや、DSFは学び合って実践し合う双方向の活動であり、気づきや刺激をそれぞれの現場に持ち帰って次に繋がっていく事を楽しみにしていると会を締めくくりました。

全体集合写真
《全体集合写真》
 リモート参加
《リモート参加》


懇親会

懇親会は引き続き同ホテルで行われました。司会進行は株式会社三恵社の井澤将隆様にお願いし、会の冒頭に富士フイルムイノベーションジャパンの旗生社長にご挨拶をいただいた後、共立速記印刷株式会社の笹井社長の乾杯のご発声でスタ ートしました。懇親会には講演いただいた金川氏にもご参加ただきました。暫くの歓談後、参加者の皆様から本日のお題として「今時代は2035年!あなたは10年後にタイムスリップしました。その時あなたは何をしていますか? その10年後のあなたから、今のご自分にアドバイスやメッセージを 送るとしたらどのようなことですか?」 について会員の皆さんに一言語っていただきました。会も進む中、DSF理事 東洋美術印刷株式会社の山本社長に中締めをお願いし、2025年度の活動を締めくくり、来年度に向けた活動に期待することを誓いお開きとなりました。

懇親会 : 風景
《懇親会風景》

懇親会 : 集合写真
《懇親会集合写真》

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